新米魔法少女の闘い

じゃがみそ

読切(脚本)

新米魔法少女の闘い

じゃがみそ

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〇SHIBUYA109
  東京

〇SHIBUYA109
花咲ミノア「うっ」
花咲ミノア「全然倒せない」
  ギェァー!!
花咲ミノア「!?」
花咲ミノア「あのスペーサーまた私に体当たりする気!?」
花咲ミノア「同じ攻撃は通用しないわ!」
花咲ミノア「てやぁぁ!ってあれ!?」
花咲ミノア「消えた!?」
花咲ミノア「上から!?」
  ギェァーァー
花咲ミノア「きゃあっ!!」
  ドンッ!!
花咲ミノア「いたい!」
花咲ミノア「スタンをかけられた!?」
花咲ミノア「体が動かない」
花咲ミノア「誰か」
???「あなた何してるの」
花咲ミノア「え!?」
花咲ミノア「その声は白百合かほりちゃん!?」
白百合かほり「下がってなさい、私がやるわ」
  シュンッ
  グギァッー!
  
  ギェー!
花咲ミノア「これがどんな敵でも倒すと有名な魔法少女 白百合かほり」
白百合かほり「これで最後よ」
  ギャァー!
  ・・・
白百合かほり「あなた新人の魔法少女?」
花咲ミノア「は、はい!」
白百合かほり「単刀直入に言うのだけれど」
白百合かほり「──魔法少女やめた方が良いわ──」
花咲ミノア「え」
白百合かほり「あなたは魔法少女に向いてない この業界を舐めてはいけないわ」
花咲ミノア「そんなこと」
白百合かほり「ならさっきの戦いは何だったの?」
白百合かほり「罠に引っかかって」
白百合かほり「敵に向かって突進して」
白百合かほり「そんなんじゃ魔法少女としてやっていけない」
白百合かほり「わかったならさっさと辞めることね」
  コツコツ
花咲ミノア「どうして」

〇川沿いの公園
  街中の公園
花咲ミノア「魔法少女辞めろって言われちゃった」
花咲ミノア「・・・」
花咲ミノア「やっぱり無理だったのかな」
花咲ミノア「私魔法が上手く使えないし」
  放送局:緊急!緊急!
  スペーサーが襲来してきました!
  街の皆さんは速やかに地下エリアまで避難してください!
花咲ミノア「え!?また来たの!?」
  魔法少女の皆さんは戦う体制を整えてください!
花咲ミノア「どうしよう」
花咲ミノア「あんなこと言われた手前、動けないよ」
「そこの魔法少女! はやく準備しなさい!!」
花咲ミノア「はっ、はい!!」
花咲ミノア「もう! こうなったらヤケだ!」
花咲ミノア「かほりちゃんに会わないように戦わないと」

〇池袋西口公園
  ザシュッ
花咲ミノア「きゃあっ!!」
花咲ミノア「うっ」
  ギェーァー!!
  ザシュッ
花咲ミノア「いたっ!」
  ──魔法少女辞めた方が良いわ──
花咲ミノア「なんで 私、テレビでかほりちゃんを見てから」
  ザシュッ
花咲ミノア「魔法少女に憧れて」
  ギェァー!!
  ザシュッ
花咲ミノア「魔力があるって言われて」
花咲ミノア「本当に嬉しくて」
  ギェァー!
  ザシュッ
花咲ミノア「痛い」
  ザシュッ
花咲ミノア「痛いって」
花咲ミノア「言ってんでしょ!!」
  ビカァッ!!
花咲ミノア「えっ」
  ギェーー!!
  ・・・
花咲ミノア「何が起きたの」
花咲ミノア「今、全身から魔力が溢れて」
「またあなたなの」
白百合かほり「!」
白百合かほり「これは」
花咲ミノア「あ、かほりちゃ・・・さん」
白百合かほり「やっぱり 思ってた通りね」
花咲ミノア「え、何か知ってるんですか」
白百合かほり「・・・」
花咲ミノア「さっきの私何だったんですか」
白百合かほり「・・・」
花咲ミノア「教えてください」
白百合かほり「あなたがそれを知る義理は無いわ」
白百合かほり「私の言う通り 魔法少女を辞めることが最善よ」
  コツコツ
花咲ミノア「待ってください!!」
花咲ミノア「どうして私を嫌うんですか!?」
花咲ミノア「なんで私に辞めろだなんて言うんですか!?」
花咲ミノア「なんで何も教えてくれないんですか!」
白百合かほり「・・・」
白百合かほり「良いわ」
白百合かほり「教えてあげる」
花咲ミノア「!!」
白百合かほり「これから話すのは3年前の話よ」

〇見晴らしのいい公園
  3年前
白百合かほり「はぁはぁ・・・」
白百合かほり「何なのよこのスペーサー」
白百合かほり「全く歯が立たない」
白百合かほり「私本当は弱かったの? スペーサーにも勝てないの?」
白百合かほり「嫌・・・」
  ギァーー!!
「かほり!」
白百合かほり「!? 真由美!?」
「今助けるわ!」
白百合かほり「ダメ!! 今来たら!」
「あ」
白百合かほり「真由美!?」
白百合かほり「やめて」
白百合かほり「やめてよ!!」
  ビカァ!!
白百合かほり「!?」
  ギェーァー!!
白百合かほり「え 何なの」
白百合かほり「体から光が」
白百合かほり「は! 真由美!!」
白百合かほり「・・・真由美?」
「・・・」
白百合かほり「嘘でしょ?」
白百合かほり「真由美!!」
白百合かほり「返事してよ!!」
「・・・」
白百合かほり「まさか私が・・・?」
白百合かほり「私が真由美を殺したの?」
白百合かほり「いやぁぁぁ!!」

〇池袋西口公園
花咲ミノア「そんな」
白百合かほり「当時の私は魔法少女として生きることを楽しんでいた」
白百合かほり「だから、浮かれていたの」
白百合かほり「私の大事な相棒、真由美を殺してしまった」
花咲ミノア「待ってください!」
花咲ミノア「真由美さんは敵の攻撃に当たったんじゃないですか?」
白百合かほり「違うわ」
白百合かほり「私から溢れ出た魔力」
白百合かほり「あなたもそのスペーサーを溢れた魔力で倒したのでしょ?」
花咲ミノア「あ」
白百合かほり「私もそれで真由美を殺したのよ」
花咲ミノア「ならその魔力の正体は何なんですか?」
花咲ミノア「私の魔力、他の魔法少女と比べたらずっと少ない方なのに」
白百合かほり「私、その魔力に詳しい人に会ったの」
白百合かほり「魔法少女は魔力量の多い女性がなれるもの」
白百合かほり「魔力量が多いと言っても漫画やアニメみたいな攻撃はできない」
白百合かほり「だから物理攻撃に魔力を込めて戦う」
白百合かほり「そしてその人はこう言った」
  ──ごく稀に強い感情で魔力量を増幅させられる者が現れる──
花咲ミノア「!!」
花咲ミノア「つまり私とかほりさんは その稀な魔法少女ということですよね」
花咲ミノア「・・・」
白百合かほり「わかったでしょ 私があなたに辞めろと言った理由」
白百合かほり「私はあなたを見て似ていると感じたの」
白百合かほり「私のように過ちを犯す前に早く魔法少女を辞めなさい」
花咲ミノア「・・・」
花咲ミノア「嫌です」
白百合かほり「え」
花咲ミノア「あなたを見て、魔法少女に憧れたんです!」
白百合かほり「!?」
白百合かほり「それとこれとでは別の話でしょ!?」
花咲ミノア「別の話じゃないです!」
白百合かほり「・・・」
花咲ミノア「私、魔法少女続けます」
白百合かほり「!」
花咲ミノア「絶対に辞めません」
白百合かほり「そう」
花咲ミノア「かほりさん」
  ──私を相棒にしてくれませんか?──
白百合かほり「!?」
白百合かほり「さっきの話聞いてたの!?」
白百合かほり「私は真由美を殺したのよ!?」
白百合かほり「次はあなたが死ぬかもしれないのに」
花咲ミノア「私は絶対に死にません」
花咲ミノア「同じ稀な魔法少女だから 解決策も見つかる筈です」
白百合かほり「そんなこと」
花咲ミノア「私、かほりさんの罪を背負います」
白百合かほり「!?」
花咲ミノア「その罪を背負って 魔力の正体を突き止めましょう」
白百合かほり「・・・」
白百合かほり「う・・・」
白百合かほり「ありがとう」
花咲ミノア「だったら!」
白百合かほり「えぇ、相棒になりましょう」
花咲ミノア「!」
花咲ミノア「はい!」

〇墓石
  後日
  ザッザッ
白百合かほり「ここが真由美のお墓よ」
花咲ミノア(ここが真由美さんの)
花咲ミノア(あ、手を合わせてる)
白百合かほり「真由美」
白百合かほり「私希望を見つけたの」
白百合かほり「大きくて眩しい希望を」
花咲ミノア「かほりさん」
白百合かほり「まだ定まらないあやふやで 危険な道だけど」
白百合かほり「彼女が私を救ってくれる そう信じてる」
花咲ミノア(私も絶対に救ってみせます!)
花咲ミノア(私自身もかほりさんも)
  ギェァー!
「!?」
花咲ミノア「こんな所にまで!?」
白百合かほり「田舎の方だから 警報が鳴らなかったのね」
白百合かほり「ここを守るわよ!」
白百合かほり「ね、”ミノア”」
花咲ミノア「!」
花咲ミノア「はい!」
  2人の魔法少女は今日も戦う
  希望を求めて

コメント

  • かほりがミノアに「やめてしまえ」と言ったのは優しさからだったんだ。かほりが過去を打ち明けた後に分かり合えて最後には相棒にまでなるなんて。女同士の友情も捨てたもんじゃないですね。人物画の選択がそれぞれのキャラクターのイメージにぴったりでした。

  • 過去の後悔やこれから起きる事は誰も知ることはありませんよね。だからこそ乗り越えていく必要もあると思います。
    魔法少女ではないですが、私も強く生きねばと感じました。

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