クレージーミッションは12月31日に

きせき

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〇観覧車のゴンドラ
小森明日架「ん・・・・・・」
小森明日架「あれ? 私、何してたんだったっけ? って、いうか、ここどこ?」
  見覚えのない場所。
  だけど、どこだかは分かる。
小森明日架「ここ、遊園地だよね?」
  遊園地らしき場所。
  観覧車の中で目を覚ました私は
  窓の外を見る。

〇ジェットコースター

〇メリーゴーランド

〇射的コーナー

〇お化け屋敷

〇水中トンネル

〇遊園地の広場
「ご乗車ありがとうございました♪」
  私は観覧車を降りると、
  持っていた鞄に入っていた紙切れを眺めた。
小森明日架「(さて、これからどうしようか)」
  紙に書いてあったことを
  そのまま、読むと以下の通りで
  私は少し困惑していた。
  貴方の名前は小森明日架。
  貴方は一時的に記憶をなくしています。
  思い出すには
  以下のクレイジーミッションをこなす
  必要があります。

〇ジェットコースター
  Mission.1
  ジェットコースターに乗ろう!!

〇メリーゴーランド
  Mission.2
  メリーゴーランドに乗ろう!!

〇射的コーナー
  Mission.3
  射的をしよう!!

〇お化け屋敷
  Mission.4
  ホラーハウスに行こう!!

〇水中トンネル
  Mission.5
  アクアリウムに行こう!!

〇遊園地の広場
小森明日架「(クレイジーって・・・・・・しかも、今日って12月31日じゃん)」
  私は鞄に入っていたスマホを見ると、
  12月31日15:30と表示されていた。
小森明日架「(よりもよってこんな日に1人で遊園地に来てるんだろう)」
  ただ、12月31日。
  その日は何か大事な日だった気がしていた。
小森明日架「(しかも、小森はともかく、明日架ってなんかしっくりこないんだよね)」
小森明日架「(まぁ、でも。自分の名前らしいし、ここでこうしててもあれだしな)」
  私は違和感を覚えながらも
  ジェットコースターに
  乗ってみることにした。
小森明日架「(記憶を取り戻すために)」

〇ジェットコースター

〇遊園地の広場
小森明日架「(はぁ、怖すぎるんですけど!!)」

〇遊園地の広場
???「本当に絶叫、ダメだな」

〇遊園地の広場
小森明日架「(誰? まぁ、良いか。えーと、次は・・・・・・)」

〇メリーゴーランド
小森明日架「(これは怖くないから良いね)」
小森明日架「(でも、私、誰かと・・・・・・)」

〇メリーゴーランド

〇メリーゴーランド

〇遊園地の広場
小森明日架「(次は射的だったっけ? ホラーハウスだったっけ?)」
小森明日架「(次は射的か。じゃあ、行こう!!)」
  最初は12月31日に1人で遊園地なんて
  って思っていたけど、久し振りの遊園地を
  私は楽しんでいた。
客A「きゃははは」
客B「たのっしい!!」
客C「さいこー!!」
小森明日架「(意外と女の子1人で遊園地に来てる人が多いから浮かなくて良いし)」
  私は射的とホラーハウスを
  楽しむことにした。

〇射的コーナー
???「本当に下手だね、ーーは」

〇射的コーナー
店員A「お姉さん、1つも当たらなかったから残念賞あげるよ」
小森明日架「あ、ありがとう!!」
  私は店員さんから指輪を受け取ると、
  文字が刻まれているのに気づいた。
小森明日架「(2022.12.31 Asuka&Yuukiか・・・・・・)」
小森明日架「(ユウキって誰?)」

〇銀杏並木道
「大津さーん!!」
???「あ、ーー!!」

〇射的コーナー
小森明日架「(大津・・・・・・ユウキさん?)」
小森明日架「あ、いけない。早くホラーハウスとアクアリウムに行かないと!!」

〇お化け屋敷
小森明日架「(ここがホラーハウス・・・・・・)」

〇暗い廊下
  ホラーハウス。
  何でも、とある伯爵の
  夫人となる筈だったとある女性が
  悪霊となって現れ、
  プロポーズを迫り、断ると襲われる
  ・・・・・・という設定らしい。

〇暗い廊下
店員B「こんばんは、お嬢さん」
小森明日架「貴方が悪霊・・・・・・なの?」
店員B「えぇ、真実の愛を伝えてくれるかしら?」
小森明日架「(ここは少し恥ずかしいけど・・・・・・)」
小森明日架「貴方のことがずっと好きでした! どうか私と結婚してください!」
店員B「ありがとう、お嬢さん。いつまでもお幸せにね」
小森明日架「(うわー、本当に消えた!!)」

〇水中トンネル
小森明日架「(何か、寂しいなぁ・・・・・・)」
  私は最後のミッションを
  終えようとしていた。
  そして、私はある1人の人を
  思い出そうとしていた。
小森明日架「(大津佑樹さんとか、裕紀さんとかだったのかな?)」
  オオツユウキさん。
  何故、私は彼と一緒にいないんだろう。
小森明日架「(もしかして、もう彼は・・・・・・)」
小森明日架「(ミッションには書いてないけど、観覧車にでも乗ろうかな・・・・・・)」
  私はアクアリウムを後にすると、
  観覧車のところまで戻った。

〇観覧車のゴンドラ
小森明日架「・・・・・・」
  あんなに楽しかった遊園地が
  何だか寂しいものに感じる。
小森明日架「(はぁ、これからどうしよう)」
  ミッションを終えたのに
  記憶が戻らない・・・・・・こともだけど、
  何だか、生きる気力が失われていくような、
  そんな気がしていた。
小森明日架「何で死んじゃったの?」
  涙が1つ2つと出てくる。
  そんな時、いる筈のない声がした。
???「勝手に殺さないでくれる?」
小森明日架「え・・・・・・」

〇観覧車のゴンドラ
???「もう! 人が折角、仕事、即終えしてきたのに!!」
???「え・・・・・・」
???「そりゃ、デートの日に仕事で私も悪かったけどさ」
???「何も女の子のアバターで遊園地で遊んでなくても良いのに」
  その瞬間、私・・・・・・
  いや、俺は全てを思い出した。

〇占いの館
店員C「お好きなアバターを選んで、名前を教えてください」
小森飛鳥「好きなアバターか・・・・・・」
小森飛鳥「この子にします!」
店員C「分かりました。名前はどうしますか?」
小森飛鳥「(うーん、小森優希とか?)」

〇教会

〇占いの館
小森飛鳥「(いや・・・・・・気が早すぎるな)」
小森飛鳥「すみません、小森明日架で登録します」
店員C「はい、OKです。彼女さんへのサプライズ、上手くいくと良いですね」
小森飛鳥「はははっ、緊張しなければ良いんですけど」

〇黒
小森飛鳥「(情けないけど、プロポーズまで平常心でいられそうにないからな)」
  そう、こういうことだったのだ。

〇遊園地の広場

〇観覧車のゴンドラ
大津優希「はぁ、結局、今年の誕生日も仕事だったし、このまま年とるのかなー」
小森飛鳥「あのさ・・・・・・」
大津優希「何?」
  ★Crazy Mission Complete★

コメント

  • 読み進めていくうちに読者に生じる想像や期待をあっさりと裏切るラストに驚きです。アバターも当たり前の現代ですが、時代は変わってもリアルな世界での男女の心の機微や幸せは変わらないんだなあ、としみじみしました。

  • 初コメ失礼いたします🤗
    独特な世界観に一瞬で引き込まれてしまいました🌟最後まで展開がわからずドキドキでした✨次回作も楽しみにしております😌

  • いやあ、気づいたら世界観に引き込まれていました。
    自ら考えて自ら実行していたわけですね。
    最初と最後が繋がる瞬間がたまらなく面白いです!

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