オリジナル(脚本)
〇ソーダ
??「・・・」
「・・・クマ?」
??「・・・」
「ああ!待って!そっちは危ない! !」
〇女性の部屋
西澤 陽早詩「クマッッ! !」
西澤 陽早詩「あーーー...夢か」
「わん!」
西澤 陽早詩「おはよ~クマ」
クマ「・・・」
西澤 陽早詩「なんかねぇ、夢にクマみたいな 犬がでてきたんだよ」
西澤 陽早詩「毎日クマを見てるからかなぁ~あはは」
西澤 陽早詩「よし!起きよ」
わたしは西澤陽早詩
大学生になって半年
今日は、大学のクラス替えの日
仲がいいイツメンと、同クラになれたら
いいなと思いながら寝たはずだけど
クマの夢を見てしまったという...
いや、クマが悪いんじゃないんだけどね;
〇教室
西澤 陽早詩「おっはよ~~!」
クラスメイト「あ!」
クラスメイト「ひざしぃ~~よかった!同じクラスで」
クラスメイト「いや~無事にクラス替えできて何より」
西澤 陽早詩「はあ~よかったよ~、一人だけ違うクラス なんてことにならないだけほんとよかっ」
東浦 景杜「ああ悪い」
西澤 陽早詩「・・・っ?」
西澤 陽早詩(なんか、あれ?)
西澤 陽早詩(見たことない人...同級生にいたっけ?)
クラスメイト「大丈夫?陽早詩」
クラスメイト「なにあいつ、感じわるっ」
クラスメイト「あの人、入学してから今日まで、 不登校だった人だよ?」
西澤 陽早詩「え、不登校?」
クラスメイト「うん...でも今日から登校しはじめたんだね」
西澤 陽早詩(はあーだから知らなかったんだ)
西澤 陽早詩(まあ、話す機会は少ないかも)
〇教室
放課後──
クラスメイト「ねえ!高橋くんめちゃめちゃ イケメンなんだけど!」
クラスメイト「告白してこよっかな♪」
西澤 陽早詩「えっ」
西澤 陽早詩「ちょちょちょっ!いくらなんでも早すぎ」
クラスメイト「いやもう狙ってる子多いって!」
クラスメイト「わたし勇気出して行ってくる!」
西澤 陽早詩「凄いな、わたしもこの機会に 誰か見つけたいかも」
西澤 陽早詩「彼氏かぁ・・・」
西澤 陽早詩(あ、確か...東浦くん、だっけ)
西澤 陽早詩(忘れ物かな...)
東浦 景杜「・・・!」
東浦 景杜「・・・なに」
西澤 陽早詩「っ!いやいやなんでもないよ!」
東浦 景杜「・・・」
東浦 景杜「はぁ・・・」
東浦 景杜「・・・独り言、でかいよ」
西澤 陽早詩「え?」
西澤 陽早詩(はっ!)
西澤 陽早詩(まままさかっ、彼氏ほしいって 独り言丸聞こえ? ? !)
西澤 陽早詩「ききき聞こえてたの? ?」
東浦 景杜「・・・」
西澤 陽早詩(あれは無言でうなずいてたよね? ? ? はあああーーー恥ずかしいっ!)
東浦 景杜「・・・興味ねぇ」
〇女性の部屋
西澤 陽早詩「ああーーーーーもう! ! !」
西澤 陽早詩「なんでよりにもよって初対面のっ! しかも話したことない相手なのに! いきなり彼氏ほしいなって言いつつ 見つめちゃってたし」
西澤 陽早詩「思わせ振りだったよね~~~ ああ~~~~~! ! もうーーーーいやーーーーー!」
クマ「わん!」
西澤 陽早詩「ううう~~~ クマァ~~」
西澤 陽早詩「え、誰だろ」
西澤 陽早詩「はーーい」
〇白
「どもー宅配便でーす」
西澤 陽早詩「はいどもー」
「まいどー」
西澤 陽早詩「誰からだろ...」
西澤 陽早詩「ん?」
西澤 陽早詩「・・・」
西澤 陽早詩「はあっ? !」
〇白
「はい」
「あっもしもし・・・」
「東浦・・・くんの、ケータイですか?」
東浦 景杜「はあ?・・・だれ」
西澤 陽早詩「わっわたし、西澤ですけど・・・ これから、家に行っていい?」
東浦 景杜「・・・え」
〇シックな玄関
東浦 景杜「よお」
西澤 陽早詩「ごめん、夜遅くに」
東浦 景杜「・・・」
東浦 景杜「とんだ災難だな」
東浦 景杜「住所間違えられるとは...」
西澤 陽早詩「ほんとよ!なんなの、住所にちゃんと 「西2丁目」って書いてるのに!」
西澤 陽早詩「うちは「東2丁目」だってのに!」
東浦 景杜「・・・」
東浦 景杜「・・・」
東浦 景杜「ッハ、あははは」
東浦 景杜「ややこしいな、俺は名字が東なのに 西に住んでて」
東浦 景杜「西澤は西が付くのに、 住んでるとこが東なんて」
東浦 景杜「そりゃあ配達員も紛らわしいだろうな」
西澤 陽早詩「あ...笑ってる」
東浦 景杜「っ!」
東浦 景杜「俺だって笑うわ」
東浦 景杜「用は済んだろ、気をつけて帰れよ」
東浦 景杜「荷物サンキュ」
東浦 景杜「ん?」
荷物を受け取ろうと、陽早詩の指先に
手が触れたとき、震えているのがわかった
東浦 景杜「・・・西澤?」
西澤 陽早詩「あ、ごめん...お邪魔しました」
東浦 景杜「おい、手 震えてんぞ」
東浦 景杜「道中なんかあったか?」
西澤 陽早詩「その、夜道が苦手なんだ」
西澤 陽早詩「小さいとき、夜道歩いてたら コウモリが出てきてさ」
西澤 陽早詩「夜空から絶対なんか降ってくる!と 思うようになって、だから早めに 帰ってるんだけど...」
西澤 陽早詩「ああ全然気にしないで!ほら、スマホの ライトで照らして帰るから」
東浦 景杜「・・・送る」
西澤 陽早詩「えっ」
〇通学路
陽早詩は、今日出会って間もない東浦に
すっかりお世話になってしまった
西澤 陽早詩(はあ、何やってんだろ)
西澤 陽早詩(おまけに、わたしが夜道一人で歩けないの バレちゃったし)
西澤 陽早詩(でも、東浦くん、夜道平気そうだな)
「にゃあ~」
西澤 陽早詩「ヒッ!」
西澤 陽早詩「ぎゃああっっぐむむっ」
東浦 景杜「おいっ!大声出すな!」
とっさに東浦は、陽早詩の口を覆い、
叫び声を響かせないで済んだ
東浦 景杜「お前、猫も嫌いなのか?」
西澤 陽早詩「あ、当たり前でしょ!わたしっ犬派だし!」
西澤 陽早詩「それに、犬飼ってるし!」
東浦 景杜「あっそ」
東浦 景杜「ほら、あっちいけ」
猫「にゃん」
東浦 景杜「じゃあな」
東浦 景杜「・・・俺、」
東浦 景杜「猫派だから、あんま猫を毛嫌いすんな?」
西澤 陽早詩「ごっごめん」
西澤 陽早詩(わたしは明るいところが好きで、 東浦くんは暗いところが好き)
西澤 陽早詩(わたしは犬派で、東浦くんは猫派)
西澤 陽早詩(全部が全部、東浦くんとはあべこべだな)
西澤 陽早詩(なんか、不思議)
〇教室
あれから2ヶ月後
その期間までに、わたしは東浦くんと
仲良くなったけれど帰り道は一緒じゃない
わたしはおしゃれに興味無いけど
東浦くんは、意外にもたまに付けてる
ネックレスとか、カジュアルスタイルとか
実はめちゃめちゃ洒落てる
わたしは食べることが大好きで、
ランチも間食も多いのに
東浦くんは食べてる姿を見たことがないし
色々知れば知るほど
東浦くんのことを
わたしは気になって仕方なかった
西澤 陽早詩「ねっねえ、東浦くん..」
東浦 景杜「なに?」
西澤 陽早詩「東浦くんって」
西澤 陽早詩「絶対わたしと 正反対のドッペルゲンガーだよね? ?」
東浦 景杜「・・・」
東浦 景杜「・・・」
東浦 景杜「あほか」
東浦 景杜「・・・まあ」
東浦 景杜「確かに、西澤には笑いのセンスあるけど 俺には無いし」
東浦 景杜「心底あわねえな 笑」
〇黒
ある夜、再び前と同じ夢を見た──
〇ソーダ
??「・・・」
「あ!クマ!待ってってば!」
??「・・・」
「クマ? !」
〇女性の部屋
西澤 陽早詩「クマ!」
クマ「ワオン!」
西澤 陽早詩「あっ...なんか前も同じ夢を見た気がする」
西澤 陽早詩「でも、あのクマ、どこか悲しげな顔を していたような...」
〇教室
西澤 陽早詩「おっはよー」
クラスメイト「あ!」
クラスメイト「ねえ、東浦くんと何かあったの?」
西澤 陽早詩「え、なにも無いよ」
クラスメイト「ほんとにー?」
クラスメイト「じゃあなんで突然、あいつ学校辞めたの」
西澤 陽早詩「え、うそ」
西澤 陽早詩(ひょっとして、わたしが冗談で ドッペルゲンガーなんて言ったから?)
西澤 陽早詩(まさか、東浦くんって...本当に...)
〇黒
??「・・・」
東浦 景杜「・・・」
??「・・・」
東浦 景杜「・・・っ」
正反対のドッペルゲンガーってすごくユニークな発想ですね。夢に出てくるクマと正反対の真っ白な犬は東浦君の分身だったのかな。ドッペルゲンガーを邪険に扱うと命を落とすとも言われてるけど、この二人はいい感じでしたよね。続編があるようなので行ってみます。
これからとてもキュンキュンしそうな予感だったのに終わってしまって残念です...😭東浦くんのちょっとツンデレっぽい感じが刺さりました!
ええー!なんで辞めちゃったんですか…。
正反対あべこべカップルで、お互い足りない物を持ってて相性抜群だと思ったのですが…。
続編が…あるはず…!