サプライズパーティー!(脚本)
〇レトロ喫茶
俺は久木修一、普通の高校生である。
今勉強をしつつファミレスでドリンクバーを飲んでいたところである。
修一(そろそろ、帰るか)
その時、後ろの席から聞き覚えのある声がした。
学校での親友たちだった。
黒田「じゃあ、そろそろ始めるか」
志村「うん」
木下「ええ」
修一(こんなところに集まって何をしているんだ?)
俺はその場でそっと聞き耳を立てることにした。
黒田「ここ一か月間計画を練ってきた、修一ドキドキサプライズ誕生日パーティーについて話し合おう!」
修一(!!・・・あ、これ俺が聞いちゃダメなやつだ・・・嬉しさ半減するやつだ・・・)
修一(・・・でもサプライズしてたことはバレたくないだろうしなあ・・・今店から飛び出してもなあ・・・)
修一は、計画がバレたと知られないように、せめて親友達に見つからないようにすることにした。
修一(ってか・・・一か月間ってやる気出しすぎじゃないか?凄い熱意だな)
黒田「期限は後一週間、計画のおさらいから始めよう」
修一(いかん)
黒田「まず、木下が修一を近場に遊びに行こうと誘う」
黒田「そして、修一を木下の家に誘い込む」
黒田「で、修一が着いたら、クラッカーを鳴らして誕生日おめでとうと言う」
黒田「そして出迎える料理の数々、プレゼント交換、最後はトランプなどで遊ぶ」
黒田「ふふふ、これぞ完璧なサプライズだ!」
修一(確かに完璧だ・・・俺が知りさえしなければ・・・)
そんな調子で一時間に渡り計画の内容が熱く話し合われた。
そのせいで、料理は俺の大好物が並ぶだとか。
プレゼントはゲーム機、室内のゲームは俺が勝てるようにイカサマをするだとか。
サプライズの大半を知ってしまった。
〇住宅街
修一「・・・当日どうしようかなあ・・・」
これだけ時間と熱意をかけて祝ってくれるというのに、肝心の俺が中身を知ってしまった。
・・・・・・当日みんなが期待してくれるほど喜べないだろう。
嬉しいことは嬉しいのだが、みんなに非常に申し訳ない。
なので
修一(知らないフリをして、すごく喜んでいる演技をしよう)
修一「早速、演技力を磨くために・・・ハリウッドでも見て真似するか・・・」
こうして修一の秘密の特訓が始まるのであった。
〇綺麗な一戸建て
当日
木下と遊んだ後に
木下の家に着き
〇一軒家の玄関扉
入口の扉を開ける。すると
ぱぱん!!
クラッカーの洗礼。
黒田と志村そして
後ろの木下から一斉に鳴らされた。
修一「うわっ!」
俺は飛び上がって驚く。
「誕生日おめでとう!」
修一「へ?」
黒田「サプライズパーティーてやつさ」
これまでの反応は
当然演技である。
〇おしゃれなリビングダイニング
志村「さあ、あがってあがって!」
俺は3人に連れられて、リビングへと向かう。
そこには様々な料理が並んでいた。
それもほとんどが俺の好物。
ここでのリアクションは重要である。
派手なアメリカのスパイ映画をここ一週間で見まくって参考にした。
ほかのジャンルも参考にすれば良かったと後で気が付いたが、それはそれである。
修一「すげえ!これ、みんなで用意してくれたのか!?」
志村「黒田も手伝ってくれたけどね、大体私が作りました!」
修一「ありがとうみんな今日は最高の一日だ!!」
黒田「喜んでもらえてなりよりだな!」
黒田「・・・何かセリフがアメリカの映画風みたいだけどな」
修一「へっ!?」
修一「・・・・・・ハハハ・・・」
修一「ナニイッテンダヨ・・・」
黒田「・・・?」
黒田「・・・まあ早く食べるか!」
志村「冷めないうちにね!」
次は味へのリアクション
修一「素晴らしい料理だよ・・・」
修一「将来ウチの専属シェフとして雇いたいぐらいだ」
修一「ハハハハハ!!」
と言う良く分からないアメリカ映画風のコメントをした。
木下「?」
木下「・・・まあいいか・・・」
次にプレゼント交換である。
黒田「いよいよプレゼントだっ!」
修一「待ってましたああぁあ!」
木下「やたらとハイテンションね!」
修一「そりゃそうでしょ!」
修一「何せ欲しかったゲーム機がもらえ・・・」
「?」
黒田「・・・なぜ分かった?」
修一「・・・何となく」
志村「の割には確定的な物言いだったね」
修一「う・・・」
木下「朝から何だか受け答えもおかしかったし・・・」
木下「どうしたの?」
ええ・・・
朝から変に思われていたのか・・・何だったんだ俺の一週間は。
黒田「もしかして修一・・・」
黒田「どこかで俺らの計画を聞いていたんじゃないか?」
修一「あ、う・・・えっと」
俺は諦めて事の顛末を全て自白することにした。
修一「・・・以上です・・・」
木下「・・・ファミレスでか・・・抜かったね」
修一「ごめんな・・・」
修一「今思えば普通に明かした方が良かったのかもな・・・こんなことやらずに・・・」
「・・・・・・」
修一「でも誕生日会、嬉しかったよ」
黒田「・・・ま、それなら、良かったよ・・・」
その言葉を聞いて俺はホッとする。
みんな嫌な気分にはなっていないみたいだ。
木下「・・・じゃあ、口直しもかねて遊びますか」
志村「賛成!」
修一「そうだな、イカサマなしでお願いするわ」
黒田「任せとけ!」
こうして親友たちのおかげで
この後気兼ねなく
俺は楽しい誕生日会を過ごすことができたのであった。
一生懸命演技しても不自然になるところ、修一の生真面目さが伝わってきました。友達からの思いやりがなによりの誕生日プレゼントだから、一か月前にすでに受け取ってしまいましたね。
結果的にハッピーエンド!
こんな友達ほしいなぁ…。
あ、でもサプライズなのに周りに聞こえてしまう場所で打ち合わせしてしまうのはやめて欲しいですが笑
誕生日、一人で浮足だって気持ちが先走ってしまう、そんな中まさかのサプライズパーティー、嬉しいですよね。友人の気持ち、主人公の気持ちが十分に伝わってきました。