”あれ”のことについて

夏蜜柑

エピソード1(脚本)

”あれ”のことについて

夏蜜柑

今すぐ読む

”あれ”のことについて
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇教室
サヨ「誰もいなくなった教室に残ってもらった理由、わかるよね・・・・・・?」
タカト「・・・・・・ああ、なんとなくな」
サヨ「・・・・・・!!」
サヨ「やっぱり・・・あれ見たんだ」
サヨ「・・・あれ、見たんだよね?」
タカト「・・・・・・ああ、悪かった」
サヨ「やっぱり・・・そう・・・なんだ」
サヨ「ああ~! もうっ、恥ずかしいよ~!!」
サヨ「も~、どうして見たの~!?」
タカト「いや、わざとじゃないんだ。というか事故のようなものであって偶然──」
サヨ「それでもあれを見られたことには変わらないよ~!!」
サヨ「あ~、もー恥ずかしい・・・!」
タカト「・・・ごめん」
サヨ「こんな恥ずかしい思いをするぐらいだったら、全裸でジェットコースター乗った方がマシだよ~!」
タカト「・・・いや、全裸でジェットコースターには乗れないだろ・・・」
サヨ「も~、それぐらい恥ずかしかったってことだよ~!!」
タカト「たとえが独特・・・!」
サヨ「だってあれを見られたんだよ!? だから、それぐらい思うよ!!」
サヨ「も~、こんな恥ずかしい思いをするぐらいだったら、全裸でメリーゴーランド乗った方がマシだよ~!」
タカト「好きだな全裸っ!?」
サヨ「それぐらい恥ずかしかったってことだよ~!」
サヨ「うう、あれを見られたんなら、私もうお嫁に行けないよー」
タカト「そ、それは流石に大袈裟じゃないか!?」
サヨ「だってあれだよ!? あれを見られちゃったら、そうも思うよ!!」
タカト「・・・・・・」
タカト「・・・・・・」
サヨ「あっ、タカトくん今思い出してたでしょ!? も~!!」
サヨ「あ~も~、こんな恥ずかしい思いをするぐらいだったら、全裸でチケット売り場に並んだ方がマシだよ~!」
タカト「それもうただの痴女だろ!?」
タカト「っていうか、どうして全裸で遊園地に行こうとする!?」
サヨ「だって、だって~、・・・あんなの見られちゃったらそうも思うよー」
タカト「まあ確かに・・・なのか・・・?」
タカト「いやいや、流石にそうはならないと思うぞ」
サヨ「それはタカトくんがあれを見られたことがないからそう言えるんだよー」
タカト「・・・そうかもな」
タカト「なあ、見られたのが僕で・・・嫌だったか?」
サヨ「・・・・・・!!」
サヨ「うん・・・」
サヨ「嫌だよ」
タカト「嫌なのかい!!」
サヨ「だって、あれなんだよ!? タカトくんでも、見られたら嫌だよ~」
サヨ「むしろタカトくんだからこそ、嫌だったというか・・・・・・」
タカト「えっ? なんか言ったか?」
サヨ「えっ!? な、なんでもないよ!!」
サヨ「それよりだよ! 私のあれ見たんだから、責任取ってよね!!」
タカト「責任って・・・ちょっと大袈裟じゃないか?」
サヨ「だからそれは、タカトくんが見られてないから──」
タカト「わかった、わかった。責任取るよ」
サヨ「ほんと!? じゃあ、私と全裸で遊園地に行ってくれる?」
タカト「なぜ全裸!」
サヨ「うふふ。も~、冗談だよー」
タカト「・・・・・・」
タカト「なあ、本当に冗談なのか?」
サヨ「全裸が?」
タカト「遊園地の方だよ!」
タカト「ま、まあ・・・僕はサヨと一緒に遊園地行ってもいいかなって・・・・・・」
サヨ「・・・・・・!!」
サヨ「タカトくん・・・」
サヨ「はじめて私のこと、下の名前で呼んでくれた・・・!!」
タカト「そっち!!?」
サヨ「そりゃそーだよ! 下の名前で呼んでもらえるって・・・嬉しいもん!」
タカト「・・・・・・」
タカト「サ、サヨは前から僕のこと、下の名前で呼ぶだろ!? だから、それをマネしただけだよ!」
サヨ「・・・・・・うん」
タカト「それに責任だって、べつに僕が取っても・・・・・・」
サヨ「えっ? タカトくん今なにか言った?」
タカト「な、なんでもねーよ」
サヨ「ねえねえ、なんて言ったの?」
タカト「だから何でもないって」
サヨ「も~、私のあれを見ておいて、自分だけ隠し事なんでずるいよ~」
タカト「それは・・・・・・」
タカト「・・・・・・」
タカト「・・・行こう」
サヨ「えっ?」
タカト「今度、一緒に遊園地に行こうって言ったんだよ!」
サヨ「・・・・・・!!」
サヨ「・・・・・・うん!」

コメント

  • あれがなんだったのか結局わからなかったけれど、彼女のほうが一枚上手で、巧みに彼を誘導して、距離感を縮め、デートに持ち込んでいってる感じがさすがだなと思いました。

  • 見られて恥ずかしいものはなんですか?それがとっても気になりました。全裸になるより恥ずかしいものって、じゃあ、あれじゃないか、って想像してます。

  • 2人の会話の流れが可愛くて、心がキュンとなりました。秘密がすごく気になります、何だったのでしょうか。違うストーリーでも2人の会話をのぞいてみたい気がします。

コメントをもっと見る(5件)

ページTOPへ