異世界転校生

ふぁいち

異世界から来た転校生(脚本)

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〇教室
シンヤ「おい、知ってるか? 今日は転校生が来るらしいぜ」
マコ「そうなの? このクラスに?」
シンヤ「あぁ、そうらしい。 さっき職員室の前を通った時に担任が他の教員と話していたのを聞いたんだ」
マコ「へぇ。どんな人かな」
シンヤ「俺的には超絶美人のミステリアスなツンデレか、妹系ロリっ子が良いなぁ。 あ、でも幼馴染との再会なんてのも良いかもな」
マコ「はいはい、ずっと妄想してなさい」
  ガラガラ
シンヤ「来た!」
担任「さぁ、席につけー。 それじゃ、日直、挨拶頼む」
  起立。おはようございます!
  おはようございまーす!
担任「はい、おはよう。今日は転校生がこのクラスに入ってくるから、ちゃちゃっと紹介していくな。転校生!入っていいぞ〜」
  ガラガラ
ヤマト「こんにちは! 異世界から来たヤマトです! 前の世界では勇者してました!」
ヤマト「今日からこのクラスの皆と明るい未来を築くために奮闘したいと思います! よろしく!」
  シーン
担任「はーい。 ということで面白いやつなので、みんな仲良くしてくれなー。 じゃあ、適当に空いている席に着いてくれ」
ヤマト「はい! じゃあマコさんの隣に失礼します!」
マコ「え、どうして私の名前を?」
ヤマト「俺、ずっとあなたのことを探していたんですよ」
  ザワザワ・・・
シンヤ「おい、転校生。 いきなりアクセル全開のところ申し訳ないが、ナンパならホームルームが終わってからにしてくれよ」
ヤマト「ん・・・君は何者だ? まぁ誰でも良いか。 マコさん、ホームルームが終わったら俺と一緒に来てほしい」
マコ「え? あの・・・えぇと、どうしよ」

〇体育館裏
ヤマト「マコさん、本当に来てくれたんだね!」
マコ「あの、私に一体どんなご用でしょうか?」
シンヤ「(あの二人、なんの話をしているんだ? それに異世界から来たって・・・。怪しすぎるだろあの男)」
ヤマト「さっきも言った通り、俺は異世界から来たんです。 俺は所謂『勇者』的な立ち位置で、『悪者』と戦っていたんです」
マコ「はぁ・・・」
ヤマト「その『悪者』ってのが大変厄介な奴でして、俺の仲間から家族まで皆殺しにしてしまったんです」
マコ「それは・・・ なんて言葉を返せば良いかわからないよ」
ヤマト「いえいえ、言葉はいらないんです」
マコ「え?」
ヤマト「俺が欲しいのは『あなたの命』だけなので」
  グサ
マコ「・・・え? ・・・血? なん・・・で・・・?」
シンヤ「マコ!! 何やってるんだ転校生!!!」
ヤマト「また君か。 俺は『悪の根源』を刺し殺しただけだよ」
ヤマト「この女の子孫が俺の世界に転移してきて、殺戮の限りを尽くすんだ。 俺は勇者として使命を全うしただけだ」
シンヤ「・・・っ! お前が何を言っているのかはわかねぇが、俺の幼馴染に何してくれてんだ・・・!」
ヤマト「そのたった一人の死で多くの命が救われるんだ。理解してくれ」
シンヤ「貴様・・・! 許さない、 俺はお前を許さない・・・!」
ヤマト「(すまない。だが、これで全てが終わるんだ)」

〇おしゃれな教室
ヤマト「(あれから一年。異世界転移者が現れることもなくなり、俺もただの学生に戻ることができた)」
担任「さぁ、席につけー。 今日は転校生がこのクラスに入ってくるから、ちゃちゃっと紹介していくな。 転校生!入っていいぞ〜」
ヤマト「(転校生か。珍しいな)」
  ガラガラ
シンヤ「こんにちは! 異世界から来たシンヤです!」

コメント

  • 異世界から転校してきたヤマトくん。この世に居たシンヤくん。この世は異世界でもあるのではないかと考えさせられる作品でした。

  • 設定の楽しさと軽妙な文体でサクサクと読み進めていたのですが、とても気になるラストで手が止まりました。正義の名の殺戮の連鎖が起こりそうですね。

  • これは不幸のループ…でしょうか…!?
    明るく楽しいコメディかと思っていたので驚きました。あらすじの引きがとても良かったです。勝手に内容を予想してからのどんでん返しなので2倍衝撃を受けました。

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