秘密の恋人~遠距離恋愛

高橋

1話完結(脚本)

秘密の恋人~遠距離恋愛

高橋

今すぐ読む

秘密の恋人~遠距離恋愛
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇大学の広場
  俺、宝月透哉は、20歳の大学生だ。
  ファッション雑誌でモデルをしている。
  今日は、編集長に呼び出され、ファッション雑誌の編集部へ来ている。

〇雑誌編集部
宝月透哉「編集長、おはようございます」
編集長「ああ。透哉、おはよう」

〇雑誌編集部
宝月透哉「編集長、今日俺を呼び出した理由は何ですか?」
編集長「今日、透哉を呼び出したのは、今度、雑誌の読者と同世代の著名人にインタビューをする企画をやるんだけど、」
編集長「そのインタビュアーを透哉にやってほしいからなんだ」
宝月透哉「俺が!インタビュアーをですが?」
編集長「そう、同世代の人にインタビューをするなら、年齢の近い人の方が、話しやすいと思って」
編集長「ちなみに、もうインタビューをする子は決まっているんだ」
  編集長は、そういって、企画書を見せてくれた。そこに書かれていたのは、俺がよく知っている人物だった。
宝月透哉「結城佳音!」
編集長「透哉、知っているのか?」
編集長「結城佳音ちゃん。透哉と同じ20歳の女の子で、」
編集長「オーストリアのウィーンの音楽大学に通いながら、」
編集長「オーケストラでチェリストもしている子だよ。18歳までは日本にいて、日本国内のコンクールでも数多く優勝している女の子だよ」
宝月透哉「新聞で見たことあるので、知っています」
  (知っているもなにも、俺、コイツの事、よく知ってるんだけどなぁ)
  実は、結城佳音と俺は、幼馴染で恋人同士でもある。
  今は、日本とウィーンの遠距離恋愛中だ。
  周囲に恋人がいるという事を話す必要もないから、話したことがない。
  そのため、俺の仕事の場の人も付き合っている恋人がいることを誰も知らない。
  ましては、チェリストと付き合っているとは誰も思わないだろう
編集長「今度、日本で行われるオーケストラのクリスマスコンサートに、ゲストとして、呼ばれているらしいんだ」
編集長「何日間は滞在するみたいだから、その時に、インタビューをしてもらおうと思っている」
編集長「当日は、私も行くけれど、インタビュアーをするのは、透哉にしてもらう。資料を渡しておくから、目を通しといてくれ」
宝月透哉「分かりました」

〇大教室
  場面変わって、大学のキャンパス
  透哉は、友達と話しをしている
宝月透哉「今度、雑誌の企画で佳音にインタビューをすることになった」
早川洸介「佳音にインタビュー? それって、知らないふりをしてか?」
宝月透哉「知らないふりをするしかないだろうな。付き合っていることを周りの人は、知らないからな」
早川洸介「それは、お互いにやりづらさそうだな」
  今、俺が話をしているのは親友の早川洸介だ。
  一緒にモデルをしているモデル仲間でもある。ちなみに、コイツは佳音の従兄妹でもある
  透哉と洸介は、イケメンでモデルもしているため、女子学生に人気があり、大学では有名な存在だ。

〇コンサートの控室
  インタビュー当日。
  インタビューの場所はオーケストラがリハサールをしているコンサートホールの一室を借りて行われる。
編集長「透哉。今日は、インタビュアーよろしく。少し、緊張しているみたいだけど、リラックスして臨んでくれ!」
宝月透哉「よろしくお願いします。それは、緊張しますって」
  佳音が部屋に入ってくる
宝月透哉「初めまして、本日インタビュアーをさせていただきます。宝月透哉と申します」
  透哉が初めましてと言ったことに、少し驚きつつも、透哉に習って挨拶をする。
結城佳音「初めまして、結城佳音です」
宝月透哉「いくつか質問させていただきます。よろしくお願いします」
結城佳音「よろしくお願いします。 それと、同世代なので、敬語じゃなくて大丈夫ですよ」
宝月透哉「あ、はい」
  その後、「何歳からチェロを始めたんですか?」などの質問をして、最後に佳音がチェロを披露して、インタビュー終わりとなった。
結城佳音「本日は、ありがとうございました。 よかったら、今度のクリスマスコンサートに家族や友達といらしてください」
宝月透哉「ありがとうございます」
  透哉は、敬語じゃなくても良いと佳音に言われたが、最後まで敬語が抜けなかった。
  チケットもすでにもらっていたが、家族や友達と来てくださいと言われ、受け取らないわけにもいかないので、受け取った。

〇綺麗なコンサートホール
  クリスマスコンサート当日
  透哉は、インタビューをした縁で、編集長と佳音の楽屋を訪れる。
  コンサートが終わった後には、2人で会う約束をしている。

〇クリスマスツリーのある広場
  クリスマスコンサートが無事に終わり、2人で話す。
結城佳音「どうして、インタビュアーをすることを言ってくれなかったの?」
宝月透哉「ごめん。ごめん。言わないほうが、驚くと思ったんだ。 もし、言っていたとしても知らないふりをしなきゃいけなかったわけだし」
結城佳音「それは、そうかもしれないけど」
  2人きりで過ごすのは、2年ぶりだったので、話しは尽きなかった。
  次の日の朝、佳音はウィーンに帰っていった。
  数ヶ月後、佳音のインタビュー記事が載った雑誌が発行された。
  俺にとって佳音は、天才チェリストであったとしても、幼馴染で恋人で、普通の女の子であることはこれからも変わらないだろう。

コメント

  • 幼馴染みで遠距離恋愛の彼と彼女の関係が強い絆で結ばれているのを実感しました。それにしてもインタビューが偶然というものは面白いものですね。

  • 遠距離恋愛、幼馴染、ドキドキさせられますね(笑)主人公の気持ちや、他の方の気持ちもうまく表現されていて、寄り添いながら読ませて頂きました。

  • 確かに今は電話、メール、LINE等、色々な連絡手段があって事前の連絡無しってのはモラル的に悪になりかけてますよね。
    こういう何も事前連絡なし!ってのは新鮮でアリかもしれません!

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ