エピソード17(脚本)
〇山中の坂道
佐々木「じゃあ、あの着ぐるみは誰?」
田中次郎「誰なんだよ、一体・・・」
田中次郎「ただ、襲われた青年団が言うには——」
〇テントの中
青年団「身なりの良いお坊ちゃま風の、何ていうか、悪い人には見えないというか」
青年団「俺のこと縛る間も、申し訳ないって何度も」
〇山中の坂道
佐々木「んな事言ったって着ぐるみを盗んだんだ。 強盗は強盗だろ」
田中次郎「いや、よくよく聞いたら金貰ってんだ、あの青年団のやろー」
田中次郎「「着ぐるみのレンタル代つって、金くれたんだよー」とか言ってやがった」
田中次郎「1万もな」
佐々木「1万も!?」
田中次郎「ったく、どうなってんだよ・・・」
〇小さい滝
桃井太郎「リリーさん、危ない早くこっちに!」
桃井の元に駆け寄ろうとする百合。
しかし、イエティ山田君がその手を掴む。
イエティ山田君「あいつらお前の事騙してたんだぞ。 俺は全部見てきたんだ。知ってるんだ」
イエティ山田君が百合に耳打ちする。
奥谷百合「あなた、やっぱり・・・」
奥谷百合「騙されてたことは、私も知ってる」
イエティ山田君「えっ? 知ってるの」
〇山中の坂道
佐々木「まずいっぺ。どうすんだ?」
田中次郎「どうするって・・・」
田中次郎「・・・仕方ねぇ、こうなったら」
〇小さい滝
桃井太郎「どいてください、リリーさん!」
奥谷百合「あ、ちょっと・・・」
桃井太郎「ずっとリリーさんをつけ狙って。 そんな卑怯な真似これ以上は許さない」
イエティ山田君「お前こそリリーを騙して」
桃井太郎「僕はリリーさんを傷つけた。 だから今度はリリーさんを守る」
〇小さい滝
マリア「タロちゃんかっこいいー」
奥谷百合「タロちゃん・・・」
〇小さい滝
桃井太郎「やーーー!」
イエティ山田君「・・・っ」
木の棒はイエティ山田君の頭に当たり、ポキッと折れる。
「・・・・・・」
桃井太郎「えっと。ええっと。 何か武器になる物、何か……あった」
イエティ山田君「それは駄目ー、死んじゃうよー」
桃井太郎「うわーーー!!」
奥谷百合「待って!」
イエティ山田君の前に立ちはだかる百合。
桃井太郎「!?」
奥谷百合「その人、多分・・・」
はい、カーーーット!
「えっ?」
〇小さい滝
田中次郎「カットだよ、カット」
佐々木「ほら監督がカットって。 はいはい、こんな危ない物は下ろそうね」
桃井から石を取り上げる佐々木。
田中次郎「皆さーん。すみません、カメラはあそこ! 撮影でーす!」
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