完(脚本)
〇テレビスタジオ
司会「はい!1回戦の順位と2回戦の順番が決まったところで いったん」
司会「コマーシャル」
はい!CMはいりましたー
〇大会議室
たかし「森次、わしらは今のままでは この大会を勝ち上がることはできん」
森次「なんでや、ぶっちぎりの1位やんか」
たかし「お前がトイレにいる間に状況が変わったんや」
森次「そんなことあらへんよ また一回戦みたいに会場をドカーンと沸かせばええんや」
たかし「実はな森次、漫才っちゅうんは お前みたいにその場で思いついた 面白いことを発表すればええわけやないんや」
森次「ん?どゆこと?」
たかし「たとえばな、一回戦でお前はひろみちゃんを舞台上にあげた」
森次「せや、たかしの書いた台本より面白くなる思たんや」
たかし「たしかに結果的には俺たちの漫才は全宇宙的広がりを見せたかもしれん」
たかし「でもな もしひろみちゃんが電話を途中で切ってしまったら?」
たかし「会場がこちらの思惑に乗ってこんかったら?」
たかし「あかちゃんが制限時間内に生まれなかったら?」
森次「そん時はそん時で考えるわ」
たかし「それでは漫才の出来にムラがありすぎんねん」
たかし「笑いには段取りが必要や」
たかし「共演者とネタの打ち合わせをしておいたり カメラマンとカット割を話し合っておいたり」
たかし「お前の即興漫才は当たればデカいが 勝率は3割そこそこや」
たかし「ここまで来た以上わしらは 絶対に勝たなあかんねん」
森次「でも、そんならそうと どうしてもっと早くいってくれなかったん?」
たかし「それは・・・」
たかし「お前の言う通り わしの台本は固いねん」
森次「固い?」
たかし「せや、意外性がなくオチが見えてしまうちゅうこっちゃ」
たかし「それでな、お前とコンビを組んで漫才初めて」
たかし「ある時、お前が舞台で勝手にわき道にそれだして それがきっかけで予想外の笑いが起きた」
たかし「そんとき これやって思ったんや」
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