何度だってまた会える

H2AD

始まり前編(脚本)

何度だってまた会える

H2AD

今すぐ読む

何度だってまた会える
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇ビルの裏
今江 都(・・・ここ何処だろう?)
  私は家に帰ろうとして、
  近道をしたら迷ってしまった。
  ここは薄暗く狭い路地で
  シャッターのしまった店が並んでいた。
今江 都(どうして近道をしてしまったのだろう ・・・早く帰りたいよ)
今江 都「え、こんな所にドアがある・・・」
  そこにはシャッター街には似合わない
  古びた木製のドアがあった。
  取っ手は錆びて、木は黒ずんでいる。
今江 都「何のお店だろう。 開けてみよう」
  今までの恐怖はどこへ行ったのか、
  私の手はドアノブへと伸びていた

〇廃ビルのフロア
  中には、
  セーラー服を着た少女が座っている
宮前 京「あぁ?」
宮前 京「うわっまぶしっ!」
今江 都「貴方、誰?何でこんな所に・・・」
宮前 京「おぉ、お前珍しいもん持ってるな、 ちょっと借りるぞ」
  少女は私に近づき、
  何か呪文の様な言葉を言い放った。
宮前 京「外れた外れた。これで自由だ」
今江 都「あの・・・貴方は・・・」
宮前 京「あぁ?まずはてめぇから名乗るもんだろ」
今江 都「私は都。今江(このえ)都。 貴方は?」
宮前 京「あ〜。ちょっと待てよ」
宮前 京「たしか京だ。 名字は~忘れた」
今江 都「名字覚えてないの?」
宮前 京「ああ、ざっと100年はここにいたからな。 3日もしたら飽きたんだったか?」
今江 都「100年!? そんなに!?」
宮前 京「そうだ。 ここは時計もねぇし、 今が昼か夜かも分からねぇ」
宮前 京「おまけに縛られてて 寝ることしか出来ねぇんだよ」
今江 都「ずっと独りだったってこと?」
宮前 京「ああ、そうだよ。 俺に会いに来るやつなんて居ねぇしな」
今江 都「そうだったんだ・・・」
今江 都「じゃあこれからは、 私が一緒にいてあげる!」
宮前 京「あぁ?まぁお前には恩があるし 少しだけな」
宮前 京「俺は一人で自由になりたいんだ」
今江 都「うん、わかった。 京ちゃん!」
宮前 京「はぁ!? 京ちゃんだぁ!?」
今江 都「いいでしょ。 とりあえず、私の家においでよ!」
宮前 京「あ、あぁ・・・」
  それから私は、
  京ちゃんを連れて家に帰った。
  帰り道、
  さっきまで迷子だったのは嘘かのように
  一直線に家まで帰れた。

〇明るいリビング
  家に帰った頃にはもう
  外は暗くなっていた
宮前 京「都、腹減った」
宮前 京「メシくれ」
今江 都「ご飯? 今日はハンバーグだけど・・・」
宮前 京「はんばーぐ・・・って何だ?」
今江 都「わかった、ちょっと待っててね」
  都は台所に立った
宮前 京(この家・・・)
宮前 京(アイツ一人暮らしなのか? どう考えても1人で住むには広いぞ?)
宮前 京(警戒もなしに上がっちまったが、 アイツの力はだいぶ異常だからな・・・)
今江 都「お待たせー! ハンバーグ出来たよ」
宮前 京「美味そうだな」
  パクパク・・・
宮前 京「・・・うめぇ」
今江 都「良かった~」
  その日から、京ちゃんとの奇妙な同居生活が始まった

〇一人部屋
今江 都「京ちゃん!なにかしたいことある?」
宮前 京「ねぇよそんなもん」
今江 都「ゲームとかあるよ?」
宮前 京「『げえむ』ってなんだ?」
今江 都「そっか、100年前にはないんだった」
今江 都「じゃあトランプやろ!」
宮前 京「別になんでもいい」
今江 都「京ちゃんはどんな遊びをしてたの?」
宮前 京「んなもん覚えてねぇよ ってか100年間寝る以外してない」
今江 都「そっか」
今江 都「じゃあこれからは私が教えるね!」
  この日は2人でババ抜きをした
今江 都「京ちゃん上手!」
宮前 京「そっ、そうか」
宮前 京(ゲームか・・・ 結構面白いな)
今江 都「う〜、勝てない〜!」
宮前 京「お前、弱いな」
今江 都「京ちゃんが強いの!」
今江 都「次はどれにしようかなぁ」
  次の日も私は京ちゃんに色々な遊びを教えた

〇明るいリビング
今江 都「そういえば、聞きたいことがあったんだけどさ」
今江 都「京ちゃんは、あの日私から何を借りたの?」
宮前 京「ん?あぁ」
宮前 京「お前が自覚してない力があんだよ、 それをちょっと借りたんだ」
今江 都「それがないとダメだったの?」
宮前 京「当たり前だろ」
宮前 京「俺を閉じ込めとくのに、 俺の力で解ける仕組みじゃあ良くねぇだろ」
今江 都「あ、そっか」
宮前 京「都お前、アホなのか」
今江 都「阿呆じゃないですぅ!」
今江 都「あとさ、どうして京ちゃんはあそこにいたの?」
宮前 京「100年前・・・」
宮前 京「・・・まあ、 都の想像してるようなことじゃねぇよ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

コメント

  • 封印されていた京は都の何を借りて現世に復活したのか、猛烈に気になります。京との出会い方も不自然だったし、そもそも家族がいない一人暮らしも奇妙だし、都の存在もかなり謎。二人の少女の因縁が解き明かされるのが待ち遠しいです。

  • 都は特に大した警戒感もなく京のことを友達として受け入れたところが良かったです。一体京は何物なのか、今後2人の関係がどのように変化していくのか楽しみです!

ページTOPへ