世界最強の召喚士は部屋から一歩も出てたくない

にんじん

1話完結の異世界ファンタジーです。(脚本)

世界最強の召喚士は部屋から一歩も出てたくない

にんじん

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〇荒廃した市街地
魔族A「この町は俺たちが掌握した!人間どもは全てこの町から追放しろ!」
魔族B「人間どもは全て追い出しました。この町は私たち魔族のモノです!」
魔族A「これでこの国もほとんどが魔族のものだ!さぞかし魔王様もお喜びのはずだ。ガハハハハ」

〇荒廃した市街地
  世界の半分が魔族に支配されたこの世界を救うため、召喚神パンドラは日本から少女を転移召喚した!

〇穴の開いた部屋
召喚神 パンドラ「コモリちゃん!いつになったら世界を救ってくれるのよ」
引 コモリ「パンドラこそいつになったら、もっとマシな部屋に改築してくれるの!」
召喚神 パンドラ「それは・・・」
引 コモリ「私もっと快適なお部屋で暮らしたいの!」
暗黒神 ルシファー「喧嘩はやめるのよ!言い争っても部屋は綺麗にならないわよ!」
召喚神 パンドラ「あなたが使えないから部屋が改築できないのよ!」
引 コモリ「ふっ・・・使えない暗黒神。私はドワーフを召喚したかったのに」
暗黒神 ルシファー「ごめんなさい」

〇穴の開いた部屋
  1週間前
引 コモリ「あれ?ここはどこなの」
召喚神 パンドラ「私たちの世界を救ってもらうために、日本からあなたを転移召喚したのよ」
引 コモリ「そんなことよりこの部屋汚すぎ!」
召喚神 パンドラ「ごめんさない。人目につかず魔族のいない場所がここしかなかったのよ」
引 コモリ「人にモノを頼むのにこんな汚い部屋に召喚するなんて、やる気が出ないわ」
召喚神 パンドラ「大丈夫よ。あなたには世界最強の召喚士としてのスキルを与えているの。部屋を快適にするにはドワーフを召喚するといいわ!」
引 コモリ「私すごいスキルを持っているのね。それならすぐに召喚して、快適なお部屋にするわ」
召喚神 パンドラ「さぁ!このガチャを回すのよ!召喚されるキャラは運まかせよ。ドワーフは最弱のCランクだから、Cの玉が出ると呼び出せるわ」
引 コモリ「えい!」
暗黒神 ルシファー「私はSSSランクの暗黒神ルシファー、世界を制圧する力を持っているぞ!」
召喚神 パンドラ「いきなり魔王を倒せるルシファーを召喚するなんて、あなたは何て強運の持ち主なの!」
引 コモリ「私すごいかも!」
暗黒神 ルシファー「さぁ!なんでも命令しろ。魔王でも倒してくればいいのか?」
引 コモリ「魔王なんてどうでもいい!この部屋を快適にして」
暗黒神 ルシファー「えっ」
召喚神 パンドラ「えっ」
引 コモリ「私は快適なお部屋で引きこもりたいの!」
暗黒神 ルシファー「私は闇魔法を使い、暗黒ソードで空間を切り裂く最強の暗黒戦士。しかし、戦闘以外は何もできないわ・・・」
引 コモリ「ふっ、何がSSSランクよ。使い物にならないわね」
暗黒神 ルシファー「だって私は戦闘職であって生産職じゃないもん・・・」

〇穴の開いた部屋
召喚神 パンドラ「今日は2度目の召喚日よ!次こそドワーフを召喚して、快適なお部屋にして、コモリちゃんにやる気を出してもらうわよ」
引 コモリ「快適なお部屋になったらやる気出る!」
暗黒神 ルシファー「私お掃除じゃなく戦いたいの!だからコモリちゃん、ドワーフを召喚してね」
引 コモリ「ふっ、まかせろお荷物神。使えないお前でも役に立つ日が来るよ」
引 コモリ「えい!」

〇穴の開いた部屋
太陽神 フレアー「SSSランクの俺様を呼び出したの誰だ!」
召喚神 パンドラ「コモリちゃん・・・ハズレよ」
暗黒神 ルシファー「ヤッタァ〜お荷物仲間が来たわ!」
太陽神 フレアー「誰がハズレでお荷物仲間だと!俺は世界を1日で焼き尽くす事ができる太陽神フレアー様だぞ」
引 コモリ「フレちん、このお部屋を綺麗に改築して!」
太陽神 フレアー「この俺様が部屋の改築だと!そんなくだらないことはドワーフにでもやらせろ」
引 コモリ「ふっ、お前も使えないヤツだったな」
暗黒神 ルシファー「どんまい」
引 コモリ「こうして私は、異世界でも部屋から一歩も出ることなく、幸せに引きこもれるのであった」
  めでたし めでたし
召喚神 パンドラ「コモリちゃん!勝手に物語を終わらせないで」
引 コモリ「チェッ!バレてしまったわ」
召喚神 パンドラ「コモリちゃんには、やらなければいけない使命があるのよ」
引 コモリ「使いないヤツばかりしか出てこないから仕方ないのよ!」

〇穴の開いた部屋
召喚神 パンドラ「今日は3度目の召喚日よ。次こそはドワーフを召喚するのよ」
引 コモリ「ふっ、3度目の正直て事ね」
召喚神 パンドラ「そうよ。今回こそドワーフを召喚するのよ!」
引 コモリ「任せてよ!」
引 コモリ「えい!」
ドワーフの王「SSSランクのドワーフの王を呼び出した幸運の持ち主はどこのどいつだ!」
召喚神 パンドラ「ついに来たわぁ〜」
暗黒神 ルシファー「これでお掃除係から解放よ」
太陽神 フレアー「やっと料理のコンロ係から解放される・・・」
引 コモリ「あれ?おかしいわ。CランクならCの玉が出るはずよね」
ドワーフの王「俺はドワーフの王だ!Cランクの雑魚ドワーフと一緒にするな」
引 コモリ「ごめんなさい」
ドワーフの王「わかればいいのだ!さぁ、小娘よ。俺が一振りで魔獣を1000匹倒せる伝説の剣を作ってやろうか」
ドワーフの王「それとも、どんな魔法も攻撃も無効化できる伝説の防具を作ってやろうか」
引 コモリ「そんなのいらないわ」
ドワーフの王「えっ」
引 コモリ「ドワちん、お部屋を綺麗に改築してよ」
ドワーフの王「馬鹿やろー!そんなくだらない事は雑魚ドワーフにやらせろ」
引 コモリ「ふっ、できないのね」
ドワーフの王「俺は最強の武具を作れるドワーフの王だぞ!」
引 コモリ「ふっ、お前も使えないヤツだったな」
暗黒神 ルシファー「どんまい」
太陽神 フレアー「・・・」

〇荒廃した市街地
魔族A「ガハハハ、これで人間どもが住む町は、全て破壊してやったぜ」
  世界は魔族に支配されたのだった。

〇穴の開いた部屋
召喚神 パンドラ「コモリちゃん、記念すべき2000回目の召喚日よ。次こそはドワーフを召喚するのよ!」
引 コモリ「ふっ、任せるのよ」
引 コモリ「えい!」
世界竜王 ヨルムンガンド「SSSSSSSSSSランクの世界竜王である俺様を召喚するとは驚きだぜ!」
世界竜王 ヨルムンガンド「俺に何をして欲しい!お前をこの世界の神にしてやろうか?」
引 コモリ「ふっ、また雑魚キャラか・・・」

〇森の中の小屋
  コモリちゃんは、最強種族達を召喚したのだったが、部屋の改築が出来ずに、幸せな引きこもり生活を送るのであった。
引 コモリ「ふっ、異世界って使えないヤツばかりだったな・・・」
召喚神 パンドラ「・・・」
  おしまい

コメント

  • 「過ぎたるは及ばざるが如し」とか「左官の垣根」とかのことわざの見本のようなお話でしたね。フレちん呼ばわりされてコンロ係やらされてるフレアーとか、竜なのに雑魚呼ばわりされるヨルムンガンドとか、あまりにも不憫で笑えました。

  • コモリちゃんの物怖じしない正確が全然【ヒキコモリ】と一致しなくて、そこが逆に彼女のキャラクターを強調していてよかったです。全く使えない連中はどの世界にもいるようですね!

  • 笑いながら読んでしまいました笑
    ガチャ運があるのかないのか…。
    物欲センサーに反応するが如く、自分の欲しいキャラクターや物って手に入らないものですよね。

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