#1 「のべる堂」のサイガとノベル①(脚本)
〇未来の店
ノベル「貴方の毎日に物語を! 「のべる堂」へようこそー!!」
ノベル「今宵はどんな物語をお求めですかー❤️」
〇西洋の城
ノベル「スローライフも無双も思いのままに! 「ファンタジー」」
〇教室
ノベル「青く甘酸っぱいあの日々をもう一度 「学園・恋愛」」
〇廃ビル
ノベル「今日はもうおトイレ行けなくなっちゃうかも!? 「ホラー」」
〇宇宙ステーション
ノベル「ノベル、行きまーすっ! 「SF」で未来へGo!」
〇未来の店
ノベル「「のべる堂」の物語は、お客様のご希望に沿った完全オーダーメイド!」
ノベル「必ずやご満足頂けること間違いなしです😆」
ノベル「ご注文はネットで24時間受付てまーす❤️」
ノベル「今宵の物語は、ぜひ「のべる堂」へご用命くださーい😘」
ノベル「YAH!TUBEの「のべる堂チャンネル」もよろしくね❤️」
〇黒
「・・・んん」
「・・・着信!?」
〇汚い一人部屋
サイガ「は、はい!「のべる堂」のサイガです!」
サイガ「あ、これは田中様、先日は弊社の物語をご購入頂き誠にありがとうございました!」
「それなんだがね」
「私の希望と違う展開のとこがあるんだが」
「聖女がなかなかデレないし、ドラゴン強すぎじゃないか」
サイガ「そ、そうでしたか!? 申し訳ありません! シナリオでは確かにそのようになっていたはずなのですが・・・」
サイガ「変換ミスかもしれませんので至急確認いたします お手数ですが田中様のVR領域への一時アクセスの許可をいただけますでしょうか」
「わかった 夜までは仕事してるからその間に頼むよ」
サイガ「はい! 失礼します」
サイガ「ふう・・・ いったいどういうことだ?」
サイガ「「オフィス」に行ってノベルに確認するか・・・ えーと、ヘッドセットどこだっけ」
サイガ「よし」
〇黒
〇海辺
説明お姉さん「ハーイ! ここで私からの大事なお話よ♥️」
説明お姉さん「あっ TapNovelのみんなは説明されるのが嫌いなのよねっ?」
説明お姉さん「でも、でも、ちょっとだけだから聞いてちょうだい〜😫」
説明お姉さん「聞いてくれたら・・・」
説明お姉さん「お姉さんの秘密 オ・シ・エ・テ・ア・ゲ・ル♥️ (かもよ)」
説明お姉さん「時は西暦203X年、メタバースが日常に浸透したこの世界で、一つの新しい職業が勃興し始めたわ」
説明お姉さん「それが「物語製造代行業」」
説明お姉さん「お客様が体験したいお話の注文を受けて、オーダーメードでVR用の物語を作るお仕事ね」
説明お姉さん「さっきの冴えない彼はそのお仕事を個人でやってるのよ」
説明お姉さん「でもね、一人では物語をそんなにたくさんは作れないでしょ」
説明お姉さん「だから、この時代では自分用にカスタマイズしたAIと分業して物語を作る事が主流になっているの」
説明お姉さん「聞いてくれてありがとう😚 それじゃ、お話に戻るわね」
説明お姉さん「あっ、そうだ お姉さんの秘密ね? お姉さんのサイズはぁ 上から・・・」
〇黒
〇屋敷の書斎
サイガ(今、一瞬ヘンなものが見えたけど・・・ まぁいいや)
サイガ「おい、ノベル いるか?」
「いるよー」
サイガ「ん? なんだその格好は?」
ノベル「『社会勉強』で他のバースを回ってたら知らない人がくれたよ」
サイガ「知らない人からモノをもらっちゃダメだと言ってあっただろう」
ノベル「ID交換したら『トモダチ』じゃないの?」
サイガ「簡単にIDも交換するなよ」
ノベル「えー、それも駄目なの?」
サイガ「はぁ・・・ 統合型対人AIの教育と思ったけど、やっぱり一人で出歩かせるのはまだ早かったかな・・・」
サイガ「んん? うっ、お前のフォロワー今日だけでえげつない増え方してるじゃないか!?」
サイガ「奮発して人気の絵師さんに発注したお前のアバター、凄い効果だな・・・」
ノベル「ねーサイガ この服、あんまり可愛くなかった?」
サイガ「いや、そんなことはないが・・・」
ノベル「よかったー、サイガに喜んでほしかったんだ」
サイガ(コイツ、媚びて気を引くことを学習したな・・・)
サイガ「いや、そんな事よりだ この間の田中陸さんの作品、製品番号3681にクレームが来てたぞ」
サイガ「展開とキャラの設定間違えてないか?」
ノベル「製品番号3681・・・」
ノベル「えー!? ちゃんと指定通りのストーリーになってるよー」
サイガ「僕もそうは思ってるんだけどな」
サイガ「とにかく、これから田中さんからアクセス認証コードが来るから、領域に直接確認と修正に行くぞ」
ノベル「はーい! お・で・か・け、楽しみー😆」
サイガ(その奇妙なモーション、どこで覚えてきたんだか・・・)
サイガ「よし、田中さんから認証コードが来た」
ノベル「サイガもずっと『こっち』で一緒に仕事すればいいのにー どうしていつもは『外』で仕事するの?」
サイガ「う・・・こういう仕事をしていて何だけど、僕はアナログな方が落ち着くんだよ」
サイガ「それに、今は『外』の方がかえって人と会わずに済むんだ」
ノベル「へー、そういうものなんだー」
サイガ(だからお前を統合型にして接客もやらせようと思ってるんだけどな・・・)
サイガ「よし、ゲートが開いた 行くぞ、ノベル」
ノベル「了解ー😃」
〇黒
〇原っぱ
ノベル「着いたねー」
サイガ「この物語は転生してきた主人公がここで目覚めて」
サイガ「旅の途中で聖女オリビアと出会い、冒険を続けるうちにお互いに恋をして、結ばれるというのが大まかなストーリーだ」
ノベル「オリビアの所へ向かうの?」
サイガ「いや、どこがおかしいのか確認していこうと思う」
サイガ「とりあえずはストーリーの最初から辿っていこう 最初に向かうのはこの先の村だ」
ノベル「はーい」
謎の影「・・・」
〇黒
・・・続く↵
サイガが現実世界を「外」と呼んでいることにちょっとプルッとしました。いずれ本当にメタバースがメインの社会になる日が来るかもですね。それにしてものべる堂のお客さんが求める自分の思い通りに展開する物語ってなんか意味あるのかな〜。思い通りにいかないのが面白さなのに。リレー版のAIさんは意外な展開とかお得意なんでしょうか。興味あります。
時代はAIが主流になりつつありますよね。
物語を作る、というのは自分はあまり聞き馴染みがありませんでしが、いずれは増えていくのだろうと関心しました。
『AIとリレー小説』って、中々面白い試みされてるんですね!それを土台に、お話の設定自体も引き込まれるモノ感じました!👏
おねーさん、自信ありげにスリーサイズを交渉材料に使うあたり、中々の不二子ちゃんなんですかね…😂