締め切り5分前(脚本)
〇女の子の一人部屋
無名 書手「2000字・・・2000字・・・・ にせぇぇえんじぃいぃいっ・・・!!」
無名 書手「くわぁああぁぁ~~~~っ!!!」
カキーザ「・・・どうしたんだい? そんなおっきな声出して」
無名 書手「えっ・・・!? なななな・・・なに・・この猫・・・ しゃべってる・・・!?」
カキーザ「やだなぁ・・・。 僕は「ネコ」って名じゃあないよ。 「カキーザ」って言うのさ」
無名 書手(やばっ・・・。 徹夜でTapnovelしてたから・・・ おかしなもの見えてる・・・)
無名 書手「あ・・・あはは・・は・・・。 そそそ・・・そうね! カキーザなら・・・しゃべりますね!」
カキーザ「にゃふ。 そうですとも。 で、どうしたんです?さっきから・・・」
無名 書手「あっ・・・いえ~~~っ・・・ そのですねぇ・・・。 2000字がキツクてきつくて!!」
無名 書手「な~~んか、どうやっても文字数が・・ どうしたら稼ぐことができるかなって」
無名 書手「締め切り5分前なのにぃい~~!!」
カキーザ「落ち着くにゃ」
カキーザ「たったの2000字? 話しになりませんね」
無名 書手「いやいやいや!!!! 何言ってるんですか?! ニセンですよ2000っ!!」
カキーザ「そんなに高い壁ですか? どれ、あなたの文章力は・・・」
カキーザ「なるほどなるほど」
無名 書手「ちょ・・・・。 今、何か見たらいけないやつ見ました? ねぇ?見ましたっ?!」
カキーザ「慌てないで良いのです。 あなたが使っているのは「日本語」」
カキーザ「これは、この惑星でも難度が高い言語。 つまり、難しい言語体系なのです。 ある程度は仕方がない。と言えますね」
無名 書手「えっ・・・? 「日本語」って、難しい言語なの? し・・・知らなかったわ」
無名 書手「・・・て! そんな事は良いのよ! 早く2000字埋めないと締め切りが!!」
カキーザ「ぼくに任せなさい。 僕の文章力は・・・53万です・・!」
無名 書手「だ・・・・だにぃいいいいぃいっーー!?」
カキーザ「さて、本題といこうか。 「文字数が増えない。」と、悩む事が書き手にはしばしばある」
カキーザ「しかし、そもそもが独特な文章形態である「日本語」を理解し、駆使すれば文字数を無駄に増やすことができる」
無名 書手「「無駄」に増やす・・・・?」
カキーザ「そう。 日本語に限った話ではないが「比喩」とか「装飾」と言うテクニックがある」
無名 書手「それって、例えば「赤い」を「夕日のように赤い」って感じにするって方法?」
カキーザ「そう。 で、その「夕日のように」と言う比喩表現に更に属性を足したり、色々加える」
カキーザ「「目を焼くほど鮮烈な」とか 「少年の頃を思い出すあの頃の」等 無駄に、何かの情報を足していく」
無名 書手「ただの「赤い」がどこまで長くなるのよ!」
カキーザ「にゃふ。 今みたいな調子で「赤い」を60字ギリギリ最大限までにすると・・・」
カキーザ「二つと無いだろうあの夏の暮れに好きだった彼女がそっと唇を頬に近づけた時のような輝き似たこの胸を焼き付けて忘れない赤い夕日」
カキーザ「と、なる」
無名 書手「ならない!」
無名 書手「どこぞのハル●ですか!? 私にそんな技術力がまずないですし! 今のは文章的にはめちゃくちゃでしたよ!」
カキーザ「にゃふ。 なら、英語を片仮名に変える方法があるよ」
無名 書手「はい?」
カキーザ「「青」と表記すれば1文字。 だけど「ブルー」と書けば3文字。 これだけで、2文字も加減ができる」
無名 書手「それって・・・。 内容は変えずに言い方と言うか・・・ 言語を変えているだけでは・・・・」
カキーザ「ま、そう言う「ずるい」やり方も 日本語ならできてしまうよね」
無名 書手「確かにできなくはないけど・・・」
カキーザ「日本語の文章はカタカナ英語から専門用語をごちゃごちゃ入れてOKだからね。 読みにくくなるかもだけど、字数は増えるよ」
無名 書手(なんか思ってたんと違う・・・)
無名 書手「あの・・・すみません。 もうちょっと、こう・・・。 品があるって言うか・・・ね?」
カキーザ「欲張りですねぇ。 良いでしょう。 他の方法も教えてさしあげましょう」
カキーザ「さっき「赤」と言う言葉がでてきましたね。実は、日本語には何種類もの「赤」が存在してるんですよ」
無名 書手「また・・・わかんない話来たな・・・」
カキーザ「有名どころでは「紅」でしょうかね? でも、他にももっとあるんですよ・・・ 例えば「猩猩緋」とか「紅海老茶」とか」
無名 書手「ヤマト時代の言葉ですかそれ・・・。 私もうそれが「赤」なのかさえ、わからないレベルですよ・・・。うん」
カキーザ「文章力を高めようと言うなら、とにかく知らない言葉を覚える事だよ。 精神と何とかの部屋に行く前の話さ」
無名 書手「まぁ、確かに・・・。 さっきよりは「何か賢そう」って言うか 無理感もあんまりないですが・・・」
カキーザ「知らない言葉で言えば。 「ことわざ」とか「故事成語」みたいなのとかも、使えるっちゃ使えるね」
無名 書手「そんな取って付けたような・・・・」
カキーザ「それは「慣用句」だね」
無名 書手(もう何か日本語で書くのが辛い・・・)
カキーザ「にゃふぅ。 他にも技あるんだけど、ひょっとしたら文字数超えそうなんだよね」
無名 書手(メタい・・・)
カキーザ「後はセリフに「・・・」を入れまくれば何とか字数は調整できるよ!やってみて!」
無名 書手(コイツ本当に文章力53万か・・・? とりあえず話終わらせて続き書かないと)
無名 書手「へ・・へぇ~~!それは凄い使えそう! とりあえず・・・ これでコンテストに作品を出せるわ!!」
カキーザ「にゃふ。 よかったよかった」
〇黒
こうして、見事彼女は作品を投稿し
コンテストに落選したのであった。
ーオシマイー
いろいろと参考になりました。とにかくカキーザさんが可愛すぎる。次回はぜひ、増えすぎた文字数と増えすぎた体重の減らし方も教えてほしなあ。
さすがはカキーザ様ですw そんな御方のプロフィールの内容に笑ってしまいました。そして何よりも愛らしいビジュアルですね!
文字数を稼ぐ必要がある場合と、逆に削がなきゃいけない必要がある時と、中々難しいですよね。
あまり長々と比喩した表現を使うと伝えたかったことがうまく伝わらなかったり、使わないと使わないで上手く伝わらなかったり、日本語は難しいです。