告白

海せん餅

告白(脚本)

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〇ファンタジーの学園
シロツ「・・・」
リナリア「おはよー」
リナリア「どうかしたの〜深刻な顔して」
シロツ「聞きたいことがあって」
リナリア「うん、なに?」
シロツ「惚れ薬って・・・作れる?」
リナリア「えっ!?」
リナリア「作れるけど・・・ ど、どうして?」
シロツ「実は、好きなひとに告白しようと思ってるんだけど・・・自信がなくて」
リナリア「へ、へぇ~・・・ そう、なんだ・・・」
「・・・・・・」
シロツ「もうじき卒業で忙しいと思うけどお願い」
シロツ「無理・・・かな?」
リナリア「いや、無理じゃないよ。 ちょっとびっくりしちゃって・・・」
リナリア「あっ、でも」
リナリア「材料を用意するのが難しいかも・・・」
シロツ「じゃあ材料があれば作れるの?」
リナリア「うん、あれば作れると思うけど」
シロツ「じゃあ材料、用意するから作って」
シロツ「お願い!!」
リナリア「うん、わかった。一緒に作ろう」
シロツ「よかった・・・じゃあお願いね」

〇豪華な部屋
  夜 自室
リナリア「はぁ・・・」
リナリア(シロツのお願いだから引受けたけどなんかやる気でないなぁ〜)
リナリア(好きな人がいるなんてなぁ)
リナリア(そういえば相手は誰なんだろ)
リナリア(告白って聞いてすごくドキドキしちゃって聞きそびれちゃった)
リナリア(何であんなにドキドキ── いや、でも、突然惚れ薬が欲しいなんて言われたら・・・)
リナリア「・・・なんかモヤモヤするけど、 親友の恋は応援しないとね!」
リナリア「一応、作り方を確認しておこうかな」
リナリア「材料さえあれば直ぐできそうね」
リナリア「今、手元にない材料は四葉と虫と木の実か」

〇ファンタジーの学園
  翌日
リナリア「──が必要な物」
リナリア「四葉は近くの森で手に入るから授業が終わったら探しに行かない?」
シロツ「わかった」

〇霧の立ち込める森
シロツ「四葉が生えてるのはこの辺?」
リナリア「もう少し歩くと着くかな」
リナリア「・・・・・・」
リナリア「ねぇ・・・」
リナリア「告白って」
リナリア「誰に・・・するの?」
シロツ「え、えっとそれは・・・」
シロツ「あ、あな、あな・・・た」
リナリア(あな・・・た?)
シロツ「──が、し、しらない人・・・よ」
リナリア(そ、そうだよね、あたし、じゃないよね・・・)
シロツ「よ、四葉 探してる四葉ってあれじゃない!?」
リナリア「う、うん。そうだね」
シロツ「これであとふたつ」
リナリア(あと、ふたつ・・・)

〇洞窟の入口(看板無し)
  数日後
シロツ「材料はこの洞窟にあるんだよね」
リナリア「う、うん。で、でも虫だよ? 獣が嫌がる嫌な臭いを放ってるし しかも奥まで行かないと見つからないよ? やめても──」
シロツ「気にしてくれてありがとう。でも、大丈夫。早く行こ」
リナリア(虫も暗い場所も苦手なのに・・・)

〇岩の洞窟
リナリア(本当はあたし一人で来るつもりだったけど、けど・・・)
リナリア(落ち着かない・・・ どうして、不安なの?)
リナリア(親友なんだから応援、しないと、 いけないのに・・・)
リナリア(逆のことばかり考えるちゃうのはなんで!?)

〇洞窟の深部
シロツ「あっ!あの虫?」
リナリア「え・・・あ、うん・・・」
シロツ「大丈夫?具合悪い?」
リナリア「大丈夫だから・・・早く捕まえたら・・・」
シロツ「う、うん。捕まえてくる。 ごめん無理させちゃって・・・休んでて」
リナリア(あと・・・ひとつで、おわり)

〇ファンタジーの学園
  数日後
リナリア「雨降ってるけど行くの」
シロツ「卒業前に告白したいから」
シロツ「私の告白のための物だし一人で探してくる」
リナリア「まっ、待ってあたしも行く」

〇けもの道
シロツ「ない・・・ね」
リナリア「・・・・・・」
リナリア「・・・結構探したけど見つからないしもう帰らない?多分無いよ?」
リナリア(もう・・・やめて、探さないで)
リナリア(もう、あたしが全て採ったから見つかる訳が・・・)
シロツ「あっ!有った!!」
リナリア「えっ」
リナリア「うそ・・・」
リナリア「どこに!」
シロツ「ほらっ!あの高い木」

〇木の上

〇けもの道
リナリア「で、でもあんな高いところにあるんじゃ──」
シロツ「大丈夫!採ってくるから待ってて」
リナリア「のっ、登るの!?」
リナリア「危ないって!濡れてるし滑るよ!落ちるよ!!」
リナリア(どうしよう・・・)
リナリア(もう持ってるって言えば・・・)
リナリア(で、でも、そしたら──)
リナリア(終わっちゃう・・・)
「これくらい平気だっ──」
リナリア「あっ──」

〇豪華な部屋
  翌日
シロツ「う、う〜ん・・・木の実・・・」
シロツ「あ、あれ?私の部屋・・・」
シロツ「痛っ!」
シロツ「腕とか足とかあちこち包帯が──」
シロツ「あっ!私、落ちちゃったんだ」
シロツ「やっぱり言われた通りやめたほうがよかったな・・・迷惑かけちゃった・・・」
シロツ「うん?」
シロツ(何の箱? 手紙が乗ってる)
  シロツへ
  この箱の中に惚れ薬が入っています。
  ごめんなさい。
  前日にあの辺の木の実を片っ端から採りました
  なのにあたしが黙っていたせいで貴方にあちこち探させて挙句の果てに怪我までさせて本当にごめんなさい
  貴方が誰と付き合うと思うと不安で怖くて
  どうしようもなくなって・・・
  つまり、あたしは貴方の事が好きです
  突然、好きなんて言ってごめん
  あたしの事は忘れて
  告白が上手くいく事を祈ってる
シロツ(両想いだったんだ)

〇ファンタジーの学園
  数日後
シロツ「今日も居ない・・・どこにも」
シロツ「どこに居るの?」

〇豪華な部屋
(あと探していないのはリナリアの部屋 勝手に入るのは気が引けるけど・・・)
「入るよ~」
シロツ(やっぱりいない)
シロツ(何か・・・手掛かりは──)
シロツ(このページ・・・もしかしてコレを作ろうと)

〇森の中
リナリア「あっ!あった!!」
リナリア(よかった・・・これで傷痕も残さず綺麗に治せる)
「グルル・・・」
リナリア(どうしよう・・・)

〇森の中
シロツ「リナリアー!居たら返事してー!」
シロツ(ここにも居な──)
「────」
シロツ(今、あっちからリナリアの声が!)

〇森の中
リナリア「ハァ・・・ハァ」
リナリア(どこまで追いかけてくるの)
リナリア(このままじゃ──)
「リナリア!」
シロツ「ようやく見つけた」
リナリア「なんでここに── いや、早く逃げて!!」
シロツ(獣に追われてる)
シロツ「何か──」
シロツ「あっ」
シロツ「コレ使えない?」
リナリア「獣が嫌う物が入ってるから逃げ出すかもしれないけど・・・いいの!?」
シロツ「えいっ!」
「ワオーン」

〇森の中
リナリア「・・・良かったの?」
シロツ「告白してくれたから」
リナリア「相手が?」
シロツ「リナリアが」
リナリア「えっ」
シロツ「私はリナリアに告白する勇気がなかったの」
シロツ「でも、最初から素直に告白すればよかったね」
シロツ「私が惚れ薬に頼らずに告白すれば私の怪我もリナリアが苦しむ事もなかった」
シロツ「ごめんなさい」
シロツ「改めて──」
シロツ「好きです付き合ってください」

コメント

  • ケガはだめだけど、恋愛に無駄な回り道はないですよね。相手のためにいろいろ考えて悩んでいる時間も恋のうちですからね。リナリアは惚れ薬が作れるんだからこっそり作って最初からシロツに飲ませればよかったのに、そうしなかったところが純愛ですね。

  • なんだかお互い奥手というか、見てるこっちがモゾモゾしてしまいました!笑
    でもこんな2人だからこそ読んでいてキュンとしちゃいそうになったのだとも思います!

  • 惚れ薬、私がつい想像してしまうことは、急にその効果がなくなった時です。そればかりに頼らず、やっぱり少しでも自分の魅力で相手にアピールできれば最高ですね。

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