ケモ耳少女との出会い(脚本)
〇森の中
3か月前、私は目を覚ますと知らない森の中に居た
知らない森で呆然と立ち尽くしていると、目の前に大きな獣が姿を見せた!
ブラックウルフ「ガルルルル」
マカロン「キャー助けて!」
私は大声で悲鳴を上げたが、ここは誰もいない森の中、助けなど来るはずがない
「キャ───」
パンケーキ「大丈夫かしら?ここは魔獣が住み着く危険な森よ。人間が入るべき場所じゃないわ!」
1人の少女が私を助けてくれた
これが、この異世界で最強の種族と言われるケモ耳族と出会いであった
彼女は私の悲鳴を聞いて助けに来てくれた
のではなく、私のポケットに偶然入っていたビスケットの匂いにつられて、私の元に飛び込んできたのであった
そして、ブラックウルフから私を守る
為ではなく、ブラックウルフからビスケットを守る為に、私を助けてくれたのであった
〇森の中
パンケーキ「とてもいい匂いがするわ。助けたお礼にそのいい匂いがするモノを私によこしなさいよ!」
マカロン「あ!これの事かしら」
私はポケットに入っていたビスケットをケモ耳少女に手渡した
パンケーキ「なにこれ!こんな美味しい食べ物は初めて食べたわ」
パンケーキ「もっとよこしなさいよ!」
マカロン「ごめんなさい。今はこれだけしか持っていないのよ。でも、材料があれば作ることはできるわ」
パンケーキ「本当に!それなら一緒に材料を探しにいくよ!」
こうして、私はケモ耳少女と一緒に旅をすることになった
〇牢獄
今、私はパンケーキ『ケモ耳少女』と一緒に牢屋に閉じ込められていた
マカロン「もう!あれほど落ちているフルーツを食べたらダメと言ったじゃないの!」
パンケーキ「ごめんなさい!でも、目の前にフルーツが落ちていたら、それを全力で食べつくすのがケモ耳族の掟なのよ!」
マカロン「森の中でフルーツが、山盛りになって置いてあったら、普通は警戒するはずよ!」
パンケーキ「そんなことはないわ。神様が用意してくださったと考えるのがケモ耳族なのよ!」
〇山の中
私とパンケーキが森の中で、素材集めをしていた時、明らかに怪しいフルーツの盛り合わせが森の中に置いてあった。
パンケーキは、私を一瞬で置き去りにして、フルーツをペロリと平らげてしまった
フルーツには睡眠薬が混入されていたので、パンケーキは眠ってしまい、私と一緒に盗賊に監禁されてしまったのである
〇兵舎
ボス、ケモ耳族を監禁しても問題はないのでしょうか!あいつらは最強種族です。あばれだしたら始末に負えません
盗賊ボス「問題ない。牢屋にフルーツを置いておけばおとなしくしているだろう」
盗賊「あの噂は本当だったのですね」
盗賊ボス「そうだ。ケモ耳族はフルーツを与えておけば何でも言う事をきくポンコツ族だ」
盗賊「それなら安心です。ケモ耳族は絶滅危惧種なので、かなり高値で売れそうですね」
盗賊ボス「そうだな。それにあの女の子も可愛くて高値で売れるはずだ!これで当分は遊んで暮らせるってもんだぜ」
〇牢獄
パンケーキ「わーい。わーい。フルーツがいっぱいあるわ」
パンケーキ「ここは天国だったのね。ずっとここに住みたいわ!」
マカロン「何を言ってるのよ!すぐにここから逃げ出すわよ!」
パンケーキ「嫌よ!私はここで暮らすって決めたのよ」
パンケーキ「私の大好きなバナナもあるわ。マカロンにはあげないわよ」
マカロン「いらないわよ!」
パンケーキ「ここにあるフルーツは全部私のモノね!ホントにここは天国だわ!」
マカロン「あ!そうだわ。私ビスケットを持っていたのだわ。このビスケットどうしようかしら?」
パンケーキ「ビ・・・ビスケット・・・」
マカロン「パンケーキにはフルーツがあるからビスケットはいらないわね。私一人で全部食べちゃおうかしら?」
パンケーキ「ダメ──」
マカロン「ここから逃げることが出来たらビスケットを全部あげてもいいわよ!」
パンケーキ「本当に!」
マカロン「私が嘘を言ったことがあったかしら?」
パンケーキ「マカロンは嘘はつかないわ。ここから逃げ出すことが出来たら、ビスケットは私が全部もらうわよ」
マカロン「全部あげるわよ!だから牢屋なんかぶっ壊して外に出ましょ!」
パンケーキ「牢屋ぶっ壊して、ビスケットたくさん食べる!!」
〇牢獄
パンケーキ「おりゃ―――」
パンケーキは牢屋の鉄格子を簡単にへし折り、私を連れて牢屋を抜け出した
〇兵舎
盗賊ボス「何の音だ!何が起こったのだ!」
盗賊「ボス!あれを見てください!ケモ耳族と女が逃げ出しています」
盗賊ボス「絶対に逃がすな!」
盗賊「しかし、相手は最強種族のケモ耳族です」
盗賊ボス「フルーツを持っていれば問題はない」
盗賊「それならボスが行ってくださいよ!」
盗賊ボス「お前は使えないヤツだな。俺がこのフルーツでケモ耳族を捕まえて来てやる」
〇森の中
盗賊ボス「待て!ケモ耳族」
パンケーキ「あなたは誰よ!」
盗賊ボス「俺はお前のご主人様だ。このリンゴをあげるから牢屋に戻るのだ!」
マカロン「盗賊さん無駄よ。パンケーキはフルーツの誘惑なんかに負けないわ」
盗賊ボス「それはどうかな?ほら、バナナもあるぞ!」
パンケーキ「う・・・」
盗賊ボス「これならどうだ!」
パンケーキ「わーい。パイナップルだぁ~」
マカロン「パンケーキ!ビスケットはいらないの!」
パンケーキ「パイナップル・・・」
マカロン「ほら!ビスケットの方が美味しいわよ」
パンケーキ「ビスケット!ビスケット!」
盗賊ボス「パイナップルはいらないのか?」
パンケーキ「ビスケットのが美味しいのよ!!」
〇西洋の街並み
こうして私たちは、無事に盗賊達の元から逃げ出すことに成功した
パンケーキ「やっぱりビスケットが一番美味しいわ」
マカロン「これからは落ちているフルーツには気を付けるのよ!」
パンケーキ「はーい!」
パンケーキ「あ!パイナップルが道端に落ちているわ」
マカロン「ダメよ!また罠かもしれないわよ!」
パンケーキ「問題ないわよ!これは神様からのご褒美なのよ」
〇牢獄
また私たちは盗賊に捕まってしまったのであった。
おしまい
ビスケットもおいしいけれどマカロンやパンケーキもおいしいことをマカロンとパンケーキは知ってるのかな?カワイイ二人組の珍道中、クセになりそうなかわいさですね。
2人とも可愛らしくて楽しく読ませていただきました!落ちてるフルーツにはご注意ですね。
食い意地というか、美味しそうになんでも食べる子がいいですよね。可愛らしい。
私もビスケット作るので、私のところに来ませんか?