姉ちゃんに変な目で見られたけどお前はアイツと俺に感謝すべきだ

地井図卦益

読切(脚本)

姉ちゃんに変な目で見られたけどお前はアイツと俺に感謝すべきだ

地井図卦益

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〇家の廊下
真斗「母さーん 姉さんバイトー?」
母「そうよー でももうちょっとで帰ってくるんじゃない?」
真斗「おっけー あーあ、一緒にゲームしよって言ったのに嘘じゃんか」
母「真斗アンタ、中間テストもうすぐでしょ! ゲームより勉強なさい!」
真斗「えぇー 眠くなるからやだよー」
母「高校行けなくなるよ!!」
「しーらね! 一人でゲームしよー!!」
母「私立のお金は家にはないからねー!」

〇市街地の交差点
  中華料理屋「天祥」近くの道にて____
舞花「もー、またやらかした・・・」
舞花「コミュ障爆発してラーメン持っていった時「おたまっしゃっしゃー」って噛むし・・・」
舞花「なによ「おたまっしゃっしゃー」って しかもキメ顔で噛んだよ・・・」
舞花「別の家族さんはテーブルすごい汚くして帰るし、明らかに会計してるのにピンポンピンポン鳴らす人いるし」
舞花「自分の事以外を考えろっつーの!! 店員の事考えられない客は普段から下の人にそんな感じで当たってんだろクソが!!」
舞花「あーもうバイト変えよーかな・・・ 沢崎のとこ楽しいって言ってたけどワンオペあるらしいし、どこもそんな感じなのかな・・・」
  その時後方から大きなエンジン音がする
  ・・・どうせ通り過ぎるでしょ
  そう考えていた舞花に反して音とライトの光はどんどん強くなる
舞花「え、なに 嘘でしょ?」
舞花「えっ」

〇簡素な一人部屋
真斗「ふっふ〜♪」
真斗「フハハハハ!!! 貴様らのような塵が我に勝てると思うてか!!!片腹痛いわぁ!!!!」
  ドカーン、ヴァーン、パキューンなどの音が部屋に響く
真斗「姉ちゃんおっそ!! 俺のレベルバカ上がっちゃったよ!! もう俺無双出来んじゃん!」
真斗「あーあ飽きてきた、 勉強とかやりたくねーしどーしよ」
真斗「おっ」
真斗「なっつかしー! 姉ちゃんと揃いのキーホルダーじゃん 俺が7の時だから・・・7年前か!!」
真斗「うわー埃で汚ねー!」
真斗「あー」
真斗「これ何で貰ったんだっけ・・・ 買ってないよな・・・ あー」
真斗「つかなんでここにあんだ? 今まで見た事ねーんだけど・・・」
真斗「俺、学校じゃ優等生で通せるほど記憶いいはずなんだけどな・・・」
  突如真斗の眼球に刺さるような痛みが走る
  「いっだっ!」
  
  あまりの痛みに目を強く瞑るとどこか懐かしい光景が頭に浮かんだ

〇森の中
???「真斗みっけ!」
真斗(幼少期)「あーみっかったー!!! 自信あったのにー!!」
舞花(幼少期)「やーいすぐ見たかったやんのー! ざーこ!」
真斗(幼少期)「はぁ!!!?? すぐ見つかったお前に言われたくねーし!! バーカ!!」
???「なはははは!! もー喧嘩しないの!」
舞花(幼少期)「アンタホントに顔とテンションが合わないね おりゃ!」
???「あははは 顔おをををもまにゃいでぇぇえ!!」
真斗(幼少期)「だはははは!!! ???ブッサイクだなぁ!!」
???「ほっぺがやられた・・・ もうお嫁に行けない・・・オヨヨヨ」
舞花(幼少期)「古くて嫌いじゃ無いわ」
  遠くでカァーカァーと鳴く声がする。
  日もだいぶ落ちて影が伸びていることに気づく
真斗(幼少期)「あ、カラスが鳴いた」
舞花(幼少期)「カラスが鳴いたら♪」
真斗(幼少期)「帰りましょ♪」
???「えーもう帰るのー!?」
舞花(幼少期)「だってママとの約束だもん!守んないと遊びにいけなくなっちゃう!」
???「え、大変!じゃあ帰りな!! ・・・あ、待って!!」
???「はいお土産」
舞花(幼少期)「なにこれ可愛い!」
真斗(幼少期)「え、ありがとう・・・」
???「だしょー??  2人にぴったりでしょ?」
舞花(幼少期)「サイコー!ありがとね! じゃあね!!」
???「ねぇ真斗」
真斗(幼少期)「なに?どしたん?」
???「・・・あんね?私多分これからここに来れないかもなのね? だからね、お願い、私の事忘れんで」
???「そしたら一個だけ助けになったげる」
真斗(幼少期)「は??」
???「じゃねー!」

〇簡素な一人部屋
真斗「なんだ今の・・・」
真斗「わけわからんけど、 なんで俺あいつのこと忘れてたんだろ」
真斗「え、アイツって誰だ・・・」
真斗「こっわ・・・」
真斗「記憶捏造してんじゃん イマジナリー作り出すとか俺ホントは寂しいんか・・・?」
真斗「え、今8時過ぎてんの!? うわー無駄な時間過ごしたか!?」
真斗「もーダメだぁ 何もする気起きねぇ」
舞花「ただいまー!!聞いて!!」
真斗「帰ってきた」

〇おしゃれなリビングダイニング
舞花「ねぇ聞いてー!今日マジヤバいの!」
母「ハイハイなに?」
真斗「姉ちゃん遅い」
舞花「あのねバイトでミスして・・・」
真斗「わかりやすくスルーされた・・・」
舞花「さっき轢かれかけたの」
母「えっ!! 大丈夫なの!?」
舞花「うん ギリッギリで止まってくれてさぁ で、それがホラーっぽくて」
舞花「運転手の人私のこと見えてなかったぽくて、で、車の上からコンコンってノックされて気づいたら目の前に私がって感じらしくて」
舞花「ヤバくない?走ってる車からノックって」

〇森の中
???「・・・あんね?私多分これからここに来れないかもなのね? だからね、お願い、私の事忘れんで」
???「そしたら一個だけ助けになったげる」

〇おしゃれなリビングダイニング
真斗(まさか、ね)
母「まぁアナタが無事でよかったわ」
真斗「ねぇ、姉ちゃんちっさい時に森で遊んでた子、覚えてる?」
舞花「え、わからん 唐突だね」
真斗「そか」
真斗(そんなわけないよね)
舞花「・・・うわ!!キーホルダー壊れてる!! 最悪!!!」
真斗「え!?」
舞花「これ、お気にだったのにー!最悪!!」
真斗「え、それどこで??」
舞花「わからんけど昔から持ってるヤツ なんか好きなんだよねー」
舞花「あー最悪ー!」
母「もーびっくりしたわ 舞花夕飯いる?」
舞花「いるー!」
母「ハイハイ」
真斗(一個だけって言ってたし多分俺のも壊れてると思うけど)
真斗(あのキーホルダーはとっておこう 姉ちゃんを助けてくれたアイツ忘れないために)
  真斗はベランダに出てスッと息を吸うと空に向かって言った。届かなくてもいい。ただ伝えたかった。
真斗「ありがとう!!」

コメント

  • キーホルダーが身代わりになってくれたんですね。
    そのキーホルダーは昔遊んでいた少女からもらった物で…不思議なお話ですが、弟くんが思い出したのも偶然じゃないようですよね。
    ほんわかした気持ちになりました。

  • 猫が守ってくれていたんですね、意外と自分たちが知らないところで誰かが自分たちを守ってくれていたりするんですよね。毎日楽しく過ごしていることに感謝です。

  • 正体はわからないけど、身代わり?になってくれたのですかね。
    それとも願いを叶えたから壊れてしまったのか…。
    実際にこういう経験をしてる人もいるみたいですし、何かしら現実にもあるかもしれないですね。

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