その日を知らないマホウツカイ

蚊ネコ

謎の湖の地(脚本)

その日を知らないマホウツカイ

蚊ネコ

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〇睡蓮の花園
「素敵な歌声でしね!」
カルキ「特に、ソとラが心地良かったでし。 2つの音に、魔力を込められるのでしか?」
シシリア「・・・・・・」
シシリア「正解。 キミ、子供のクセに鋭いね?」
カルキ「はっはっはっ! 世界一の神童とはこのワタシのことでしっ!」
カルキ「ワタシはカルキ。 名をなんと?」
シシリア「シシリア」
カルキ「シシリアも、腕試しにきているのでしか?」
シシリア「・・・腕試し・・・?」
カルキ「違うのでし? ここは、腕利きの魔法使いしか辿り着けない、謎多き、神聖なる湖の地」
カルキ「独特な木々に花、葉も雨で簡単に落ちる」
カルキ「この辺りは魔法で作られし自然さえ、 不自然で謎ばかり」
シシリア「謎かぁ」
カルキ「謎の発信地と言われるこの地に降り続く雨、 自らの魔力で止ませしモノには・・・」
カルキ「勝者の結晶を手にすることができるのでし・・・!!」
シシリア「・・・結晶?」
カルキ「カッカッ!! その結晶を持ち帰れば、黄金の富、 地位名誉、権力、全て思いのままとの噂!!」
シシリア「よくわかんないけど、子供のクセに強欲っぽいのは伝わった」
カルキ「ぬっ、子供なのに立派で頼もしいと褒めてくれているのでし?」
シシリア「・・・ん? ん・・・ウン」
カルキ「ヨシ!! シシリアが戦闘放棄なら、このワタシが今、チャチャッとパパッと雨を止ませて見せるでし!」
シシリア「・・・ふふっ。 カルちゃんがんば〜?」
カルキ「アンシャンテ・カルロッツォ・イリン・イリリン・ザ・ロイクド・サーヴァント・ビッツ・・・」
カルキ「イレバ!!!!」
シシリア「イレバ・・・」
カルキ「・・・」
シシリア「・・・・・・」
カルキ「ビクとも、止まない、でしと・・・!?」
シシリア「魔力自体は凄そうだった。 多分アイテムのチョイスミスだと思うよ」
カルキ「なるほどでし・・・ この道具、雨との相性は良くなかったでしか・・・」
カルキ「ディッカ・デルルッカ・シーシンシ・サウザン・クルクォーツ・ダーティー・イン・・・」
カルキ「ウワグツ!!!!」
シシリア「和名・・・?」
カルキ「・・・」
シシリア「♪〜・・・」

〇睡蓮の花園
カルキ「悪化してるでし・・・!!」
シシリア「・・・逆にスゴいよ。 スリッパで雷出すのは神童だよ」
カルキ「確かにそうでし!! 雷を引き起こせるのは一級魔道士である証拠でし!!」
カルキ「よし!! 次こそ・・・!!」
「ハイハイ、ガキの遊びはそこまでだよ〜んっ?」
ヨン「異世界放浪系一流魔道士、ヨンチャン参上だよんっ」
カルキ「む! ワタシはカルキ! ヨンはワタシと同じ、結晶目当てでしか?」
ヨン「クククッ。 キミだね? 妙な道具で雨を悪化させたのは。 まっ、ガキなら仕方ないかぁ〜」
カルキ「ハッハッハッ! この小さい身で有り余るワタシの強大な魔力、称賛してくれて、ありがとうでしっ!」
ヨン「・・・う〜ん、本当の魔力ってのはねぇ・・・」

〇睡蓮の花園
シシリア「・・・あ、雨、弱まった」
ヨン「フヘッ!? ほらほら超天才のヨンチャンにかかれば、手を叩くだけで自由自在なのよ〜んっ」
カルキ「ヨン! ワタシと相性が良いでし! この調子で一緒に結晶をゲットでし!」
ヨン「・・・コイツ・・・」
ヨン「カルキだっけ? キミに手柄を分ける気はないよ? 結晶はヨンチャンのモノだよん」

〇睡蓮の花園
シシリア「・・・・・・」
カルキ「止んだ!?」
ヨン「え〜こんなにチョロかったとか〜 やっば〜 ヨンチャン、天才過ぎマジ引く件〜・・・」
シシリア「・・・そんな、はずは・・・」

〇白

〇睡蓮の花園
⁇?「・・・・・・」
シシリア「・・・御日様ちゃん」
カルキ「ん・・・? オヒサマチャン、でしか?」
シシリア「うん。 アタシの、友達」
カルキ「オヒサマは、光の魔法を操れるのでしか?」
シシリア「・・・ちょっと違うかな? でも、雨が止んだのは、彼女の力・・・」
ヨン「違うよん!? 雨の手柄はヨンチャンだからぁ!?」
カルキ「ワタシとオヒサマとヨンの魔力の融合で、成功したのでしねっ!」
ヨン「ガキのカルキは宴会芸しかしてないよん!?」
シシリア「・・・けど・・・ こんな時間に目を覚まして、平気・・・?」
御日様「ウン。 シシリアノオ陰デ、ヨク眠レタ」
御日様「ソレト、シシリア、楽シソウダッタカラ、 マザリタクナッタ」
カルキ「ハッハッ!! 今日出会ったばかりでしが、ワタシ達はもうすっかりの仲良しでし!! オヒサマも友達になるのでし!!」
ヨン「・・・おい・・・」
御日様「・・・嬉シイ・・・」
ヨン「・・・にしても・・・」
ヨン「「異常な空」だね、コレは。 天才ヨンチャンでもこんな魔法は・・・」
カルキ「空一面の、光の魔法。 これは、本当に、オヒサマの力なのでしか・・・?」
御日様「・・・ウン。 気ニ入ッテ、クレタ・・・?」
カルキ「凄く、キレイでし!! 暖かくて、自然がキラキラ輝いて、心がポカポカして、とっても気に入ったのでし!!」
ヨン「・・・まぁ、確かに。 この澄んだ空は素敵。 遠くまで見渡せるヒカリって、不思議な安心感もあるねぇ・・・」
御日様「・・・フフッ。 褒メテクレタ、友達ノ、オ礼ニ・・・」
シシリア「・・・」
御日様「ゲホッ!! ゴホッ・・・ケホッ・・・ゲホッ!!」
御日様「ドウゾ」
カルキ「・・・オヒサマの口から・・・ 石が、2つ・・・?」
御日様「コレ・・・ コノ空ヲ、見タイ時ニ見ラレルヨウニナル、 特別ナ結晶・・・」
「・・・結晶!?!?」

〇睡蓮の花園

〇睡蓮の花園
御日様「・・・サヨウナラ・・・」
シシリア「・・・せっかく、アタシの雨で、隠してたのになぁ」
御日様「ダッテ、シシリア、本当ニ楽シソウダッタカラ、僕モ・・・」
シシリア「面白かったね、あの2人」
シシリア「どこかの世界でまた少し、 黄金の富・・・ 「晴れの日」が戻るのかぁ」
御日様「・・・ヤッパリ、世界ニハ、 僕ガ必要カナ・・・?」
シシリア「・・・必要、かもだけど・・・ 御日様チャンはもう誰にもこき使わせないよ」
御日様「・・・」

〇睡蓮の花園
シシリア「・・・キミは、大切な、友達。 だからずっと、隠しててあげる」
御日様「・・・ウン・・・」

〇綺麗な港町
  ──end──

コメント

  • 独特な設定と世界観が楽しかったです!😆短い中で全員キャラが立っていて、立ち絵をイキイキと活かしていて素敵でした✨配達員ちゃんを天才(?)魔法少女に使っているのも、意外でしたがなるほど合いますね!😍4人が入り乱れての会話ですが、画面も上手く処理していてとても読みやすかったです⭕️
    雨の神?のシシリアと御日様の関係が尊い😭晴れの日が伝説の宝というのも納得!🙌
    またこの子達の話が見たいですね😊

  • ずっと謎だったシシリアの存在と役割が最後に分かって「ほーっ」となりました。御日樣を守る番人だったんですね。お日様の光を失った世界にとって日の光は黄金の富に値するんですね。カルキの魔法「イレバ」と「ウワグツ」が可愛すぎてほっこり。

  • 当初は、可愛らしいビジュアルの子たちがはしゃいでいて眼福だなー、そんな感じで読んでいたのですが……心打つステキなストーリーですね!

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