怪盗エスパーの過信(脚本)
〇市街地の交差点
世間では
怪盗エスパーの被害が続出していた。
怪盗エスパーはテレパシーで
被害者の考えを読んで、
金や宝を盗み出していた。
そこで、警察庁はついに
超能力犯罪対策課を創設したのだった。
〇明るいリビング
パパ「ついに・・・・・・。 私にも運が巡ってきたぞ・・・・・・」
パパ「10億円がこの手に!」
パパ「わははははははっ!」
『ガシャン!!』
パパ「誰だ!」
怪盗エスパー「10億円、いただきに参上した」
パパ「なぜ、わかったんだ!」
怪盗エスパー「ふふふ・・・・・・。 テレパシーが使えるからな」
パパ「え?」
怪盗エスパー「ずっと考えてたよね、10億円の使い道」
パパ((ギクッ・・・・・・。) (そこまで読まれているとは・・・))
怪盗エスパー「おっと。スマホか何かをお探しかな? 警察を呼ぶとか?」
怪盗エスパー「私が相手では無駄じゃないかなぁ。 この銃で撃つ方が先になりそうですよ」
怪盗エスパー「さて、10億円のありかを 思い浮かべてもらおうか」
パパ((・・・どうすればいいんだ・・・))
パパ「・・・・・・・・・・・・」
怪盗エスパー「あはははは。 ゆうべ見たお笑い番組を思い出して、 私を誤魔化せるとでも?」
パパ「・・・・・・」
怪盗エスパー「この家にあることは、 テレパシーで お前の考えを読んでわかっているんだ」
怪盗エスパー「茶番は止めて、 札束の隠し場所を思い浮かべてもらおう」
パパ「イヤだ!」
バタン
娘「パパ!」
怪盗エスパー「おや、娘さんか、いいタイミングだ」
怪盗エスパー「ちょっと、協力してもらうよ」
娘「きゃーーーーーーっ!!」
パパ「サマンサ、緊急事態だ!」
「捕まえたぞッ!」
怪盗エスパー「さぁ、娘の命が惜しかったら、 さっさと札束の隠し場所を 思い浮かべてもらおうかッ」
パパ「・・・・・・・・・娘だけは・・・・・・」
怪盗エスパー「だったら、 金の隠し場所に案内してもらおう」
パパ「・・・・・・」
パパ「・・・わかった」
〇部屋の前
怪盗エスパー「札束の場所を思い浮かべないように、 さっきから必死だな」
怪盗エスパー「どうやったら助けを呼べるか 考えてみたらどうだ、フフッ」
パパ「・・・・・・」
怪盗エスパー「いつまで持つかな? お前が思い浮かべたことが 俺は読みとれるからな」
パパ「・・・・・・」
怪盗エスパー「いずれ、疲れてくるぞ。 私を相手に無駄な努力だ。 ははははは」
パパ「・・・・・・」
怪盗エスパー「ちなみに。 娘は恐怖で頭の中が真っ白だぞ。 心配じゃないのか?」
娘(・ ・ ・ ・ ・)
怪盗エスパー「ほら、さっさと金を出せ。どこだッ!」
パパ「・・・・・・奥の部屋だ。 その前に、娘を離してくれ!」
怪盗エスパー「・・・・・・金が先だ」
パパ「・・・・・・・・・・・・」
パパ「こっちだ」
〇部屋の扉
怪盗エスパー「この部屋なんだな」
パパ「・・・・・・」
怪盗エスパー「はっきりしろ!」
パパ「・・・そうだ」
・・・・・・カタ。
怪盗エスパー「・・・・・・ん?」
怪盗エスパー((人の気配は・・・・・・ない、か))
怪盗エスパー「そこにジッとしていろ。 俺が扉を開けるまで、下手に動くなよ」
ガチャッ!
〇書斎
怪盗エスパー「な・・・・・・、」
怪盗エスパー「なんだ!」
男1「警察だ!」
怪盗エスパー「『超能力犯罪対策課』だなッ!」
男2「いかにも」
怪盗エスパー「なぜだッ!」
怪盗エスパー「あの無能男は助けを呼んでないのに!」
「なぜ?」
パパ「大丈夫だったかい、」
パパ「・・・萌美」
娘「ええ、大丈夫よ、パパ」
怪盗エスパー「・・・・・・え?」
怪盗エスパー「「サマンサ」じゃないのか?」
娘「サマンサって、 「AIスマートスピーカー」よ」
パパ「お前は萌美を捕まえるのに 集中しすぎていた」
パパ「俺たちを侮っていたんだ」
パパ「だから、 AIに音声コマンドで 「緊急事態だ」と伝えたのさ」
「あとは それ以外のことを考えるように 集中して助けを待った」
男1「そして、AIが警察を呼び、 我々は奥の部屋でお前を待っていたのだ」
男2「超能力犯罪対策課はエスパー対策装置を 身につけているから、 アタマの中は読めん」
男1「お前はそれを感知できなかったのだ」
怪盗エスパー「ぐぅぅ・・・・・・」
男2「逮捕する!」
〇明るいリビング
娘「あぶなかったね」
パパ「ホントにかなり危なかったよ、 助かってよかった」
娘「パパ、感謝状もらえるんじゃない?」
パパ「そうかな?」
娘「それにしても、なんでウチなんかに 怪盗エスパーが来たんだろう?」
娘「ウチに大金があるみたいなこと 言ってたよねー。 へんなの」
パパ「たしかに。 エスパーでも 間違えることがあるんだろうな」
〇書斎
パパ(ふう・・・・・・)
パパ(あやうく 俺の「10億円」が奪われるところだった)
パパ「わはははははははっ!」
パパ(この『年末ジャンボ宝くじ』の 当選番号の発表は、)
パパ「「明日」だっ!」
パパ(絶対、明日、当たるのだっ!)
パパ(大切な当選発表日の前日に 事件に巻き込まれてしまったけど、)
パパ(これは何かに当たる良い予兆に 違いない!)
パパ「わはははははは」
お父さんの機転はすごくよかったんですが、10億円がまだ抽選されてないくじだったとは!笑
まあ、みんな夢は見ますよね。
買ったからには当たりたいものです!
パパさんまだ当たっていなかったんかーい!とツッコミ笑いをしてしまいました笑パパさんのナイス機転でとても面白い作品で楽しませてもらいました!
10億円…私も当たったら何に使おうかよく考えます。
けど実際に宝くじ買ったことすらないのですが笑
エスパーがいたら…考えていることがバレたら私の脳内お花畑具合がバレて恥ずかしいなぁと思っちゃいました笑