失恋電車

深都 英二

読切(脚本)

失恋電車

深都 英二

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〇駅のホーム
西宮 明梨「このままどこか遠くへ行きたい」
西宮 明梨「もう何も見たくない」
西宮 明梨「何も信じられない」

〇駅のホーム

〇電車の中
西宮 明梨「今日は空いてるな・・・」
???「にゃお」
西宮 明梨「え?ネコ!?」

〇電車の中
西宮 明梨「はっ!」
西宮 明梨「あれ?景色が変わって・・・」
クロノ「ようこそ」
西宮 明梨「え?」
西宮 明梨(何この人・・・)
クロノ「あなた、失恋しましたね?」
西宮 明梨「なっ・・・!」
西宮 明梨「何ですか急に!」
クロノ「しかも・・・なるほど」
クロノ「彼氏を寝取られた、と」
西宮 明梨「何でそれを・・・!」
クロノ「お気の毒に」
西宮 明梨(何なの、こいつ)
西宮 明梨(いや、こういうヤバいやつには関わらない方がいい)
西宮 明梨(車両を移動しよう)
クロノ「どこにも行けませんよ」
西宮 明梨「え?」
クロノ「窓の外を見てください」
西宮 明梨「窓の外?」

〇朝日
西宮 明梨「えー!何これ!?」
西宮 明梨「どうなってるの!?」

〇電車の中
クロノ「これは、失恋電車」
西宮 明梨「失恋電車?」
クロノ「失恋した人が乗る電車です」
クロノ「でも、誰でも乗れるわけじゃない」
クロノ「あなたは選ばれたんですよ」
西宮 明梨「は?からかってんの?」
西宮 明梨(何この変な夢・・・)
クロノ「まあ、そういうことにしておきましょう」
西宮 明梨(心が読まれてる!?)
クロノ「安心してください」
クロノ「私は、あなたの話を聞くだけです」
西宮 明梨「え?」
クロノ「ずっと誰かに話を聞いてほしかったんでしょ?」
西宮 明梨「っ・・・」
西宮 明梨「あれっ・・・涙が・・・」
クロノ「乗客はあなただけ」
クロノ「どうぞ好きなだけ泣いて、好きなだけ話してください」
西宮 明梨「・・・聞いてもいい?」
クロノ「何でしょう?」
西宮 明梨「男って、何で浮気するの?」
クロノ「っ・・・!」
クロノ「別れの原因は、浮気ですね」
西宮 明梨「そう。しかも、最悪な形で」

〇学校の屋上
西宮 明梨「話って何?」
真島 駿「好きだ!付き合ってくれ」
西宮 明梨「え?」
西宮 明梨「はい・・・!」

〇教室
女子生徒「西宮さんと付き合ってるってまじ?」
真島 駿「ああ、付き合ってるよ」
女子生徒「どうせ遊びでしょ?」
真島 駿「遊びじゃねーよ!」
女子生徒「ねぇ、またカラオケ行こうよ」
女子生徒「いいね!駿の歌、また聞きたい〜」
真島 駿「悪いな。今日は西宮と約束してるんだ」
真島 駿「お前らと遊んでるヒマねーんだわ」
女子生徒「は?何それ!」

〇電車の中
西宮 明梨「駿に初めて会った時、ひとめぼれだった」
西宮 明梨「でも、駿はクラスの人気者だしモテるから、どこかで諦めてた」
西宮 明梨「だから告白された時、すごく嬉しかった」
西宮 明梨「それなのに・・・」

〇ファストフード店の席
浦木 優菜「浮気してるかも!?」
浦木 優菜「何でそう思うの?」
西宮 明梨「最近なんか連絡遅いし、態度もよそよそしい気がして・・・」
浦木 優菜「考えすぎじゃない?」
浦木 優菜「付き合って1年半とかなら、それが普通でしょ」
西宮 明梨「そっか・・・」
西宮 明梨「駿は女友達も多いし、不安なんだよね」
浦木 優菜「モテるから心配になるのはわかるけどさ」
浦木 優菜「信じてあげてもいいんじゃない?」
西宮 明梨「そう・・・だよね」
西宮 明梨「優菜ありがとう!」
浦木 優菜「え?どうしたの!?」
西宮 明梨「いつも話を聞いてくれて」
浦木 優菜「当たり前でしょ!明梨は親友だもん」
西宮 明梨「私も優菜に好きな人ができたら、応援するからね!」

〇玄関の外
西宮 明梨「思ったより早く着いちゃった」
西宮 明梨「あれ?開いてる・・・」

〇部屋の扉
真島 駿「うわっ!明梨!?」
真島 駿「18時に約束だったはずじゃ・・・」
西宮 明梨「ごめん!」
西宮 明梨「予定より早く着いて、玄関が開いてたから・・・」
真島 駿「これからシャワー浴びようと思ってさ」
真島 駿「ちょっと今、立て込んでて」
真島 駿「また連絡するから帰ってくれない?」
西宮 明梨「・・・誰かいるの?」
真島 駿「え!」
西宮 明梨「そこ、どいて」

〇散らかった部屋
西宮 明梨「優菜・・・?」
浦木 優菜「えっ!明梨!?」
浦木 優菜「やば・・・」
西宮 明梨「これはどういうこと・・・?」
真島 駿「これはその・・・」
浦木 優菜「あーあ、バレちゃった」
浦木 優菜「もう隠しても無駄でしょ」
浦木 優菜「私ね、駿と付き合ってるの」
西宮 明梨「え・・・」
浦木 優菜「前に「駿が浮気してるかも」って言ってたでしょ?」
浦木 優菜「その浮気相手、私だよ」
西宮 明梨「うそでしょ・・・どうして・・・」
浦木 優菜「気づかなかった?」
浦木 優菜「私もずっと駿のこと好きだったの」
西宮 明梨「うそ・・・」
浦木 優菜「だから、明梨と駿が付き合うって聞いた時、悔しかった」
浦木 優菜「いつもノロケ話を聞かされるの、うんざりしてた」
西宮 明梨「優菜・・・」
西宮 明梨「いつから・・・?」
浦木 優菜「3ヶ月ぐらい前かな」
浦木 優菜「駿はね、明梨じゃ満足できないんだって」
真島 駿「おい!」
浦木 優菜「だから、私が代わりに満たしてあげてるの」
浦木 優菜「私は明梨みたいに面倒な女じゃないから、一緒にいて楽なんだって」
浦木 優菜「どうする?」
浦木 優菜「私は別れるつもりないけど」
西宮 明梨「駿は・・・どうしたいの?」
真島 駿「・・・ごめん」
真島 駿「明梨のことは好きだった」
西宮 明梨「好き「だった」?」
真島 駿「今は、優菜が好きだ」
真島 駿「だから、別れよう」
西宮 明梨「っ・・・」

〇電車の中
西宮 明梨「ひどいでしょ?」
クロノ「そうですね」
西宮 明梨「あー!なんか話したらスッキリした」
西宮 明梨「ありがとう。聞いてくれて」
クロノ「では、本題に入りましょう」
西宮 明梨「え?どういうこと?」
クロノ「これは失恋電車」
クロノ「あなたは、終着駅を選ぶことができます」
西宮 明梨「終着駅?」
クロノ「あなたの選択肢は二つ」
クロノ「一つは復縁。もう一つは、新たな出会いです」
クロノ「復縁を選んだ場合、元カレとヨリを戻すことができる」
クロノ「新たな出会いを選んだ場合、未来の彼氏候補に出会えます」
西宮 明梨「ちょっと待って!」
西宮 明梨「そもそもヨリを戻すって・・・」
西宮 明梨「あいつは今、優菜と付き合ってるんだよ?」
クロノ「もし復縁を選んだら、元カレは彼女と別れてあなたを選びます」
西宮 明梨「そんなこと・・・」
クロノ「できますよ」
クロノ「復縁か、新たな出会いか。あなた次第です」
西宮 明梨「・・・」
クロノ「さあ、そろそろ終点です」
クロノ「どちらを選びますか?」

〇電車の中
西宮 明梨「はっ!」
  まもなく渋谷。お出口は左側です。
西宮 明梨「やば!降りなきゃ!」

〇改札口前
真島 駿「明梨!」
西宮 明梨「駿!?」
真島 駿「ごめん!許してくれ」
西宮 明梨「え?」
真島 駿「俺が悪かった」
真島 駿「やっぱりお前じゃなきゃダメだ」
真島 駿「俺たち、もう一度やり直さない?」
西宮 明梨「駿・・・」
西宮 明梨「私も駿が好き」
真島 駿「明梨・・・!」
西宮 明梨「って言うと思ったか?」
西宮 明梨「バーカ!」
真島 駿「え?」
西宮 明梨「やり直したい?」
西宮 明梨「は?今さら何言ってんの」
西宮 明梨「私の友達と寝るとか、まじで気持ち悪いわ」
西宮 明梨「あんたのこと、もう好きでも何でもないから」
西宮 明梨「さよなら」

〇電車の中
ニア「意外だったな」
ニア「まさか復縁を選ぶとは」
ニア「よっぽど元カレのことが好きだったんだな」
クロノ「それはどうかな」
ニア「え?」
クロノ「クソみたいな元カレにフラれたのが許せなかっただけかも」
ニア「なるほど」
ニア「自分からフルために、あえて復縁を選んだってことか?」
クロノ「さあ、どうだろうね」
ニア「人間は面白いな」
ニア「ほら、新しい乗客だ」
クロノ「おや?」
真島 駿「何だよ、ここ・・・」
クロノ「ようこそ」
クロノ「あなた、失恋しましたね?」

コメント

  • なるほどー!自分の心に終止符をうつために復縁を選んだんですね!キッパリ断ってくれて、すっきりしました😊

  • 復縁を選んで親友と別れさせた上で彼を突き放して独りにすると。一番のすっきり解決のように思えました。ファンタジーで魔女の質問に上手く回答できた主人公を見ているような爽快感がありました。

  • ヒロインの強さ溢れる最後がとても好きです!言ってやれ言ってやれーってなりました(笑)
    クソみたいな元カレはどんなラストを選ぶのでしょうか……続きも気になってしまいました(個人的にはクロノにフルボッコにしてほしいです笑)読み切りなのが残念です^_^;

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