エピソード1(脚本)
〇オフィスビル前の道
ハシモト「職業体験の子が来るの、今日よね?」
ワカサ「そのはずです」
「おァようございあァァーーッス!!!!」
シラヌイ「本日お世話になりゃーす、不知火ッス!! よろしくお願いしぁーす!!!!」
ウカイ「おっ、いいねえ~ アツい奴入ってきたじゃん」
シラヌイ「あざッス!! 自分、熱意だけが取り柄ッスから!!」
ウカイ「うんうん、いいね。そういう子大歓迎だよ」
ウカイ「私は宇加井。よろしく」
ハシモト「橋元です。よろしくね」
ワカサ「若狭です。本日はよろしくお願いします」
ワカサ「と言っても、私は今日別業務の方で手が離せそうになく、 主なご案内は宇加井がさせていただきます」
ウカイ「そ。よろしくねー」
シラヌイ父「それはそれは。どうぞよろしくお願いいたします」
ウカイ「え、誰ですか?」
シラヌイ「お、親父ッ!? ついて来んなって言ったろ!」
シラヌイ父「大事な一人息子が広い世界に羽ばたこうとする様、 見届けるのが父の役目というものよ・・・・・・」
ハシモト「あ、すいません、申し込みのあった方以外は一応部外者ということになりますので、お父様はお帰りいただけますか?」
シラヌイ父「あ・・・・・・そうなんですか。 すいません早とちりしちゃって・・・・・・帰りますね」
シラヌイ父「ではしばしの別れだ、息子よ・・・・・・」
ハシモト「そのキャラに戻そうとするのすごいですね」
シラヌイ「・・・・・・ちょっとトラブルはありましたけど、 改めて! よろしくお願いしまッス!!」
ウカイ「はーい。んじゃ、行こっか」
〇オフィスの廊下
ウカイ「うちがどんな会社かは把握してるよね?」
シラヌイ「ウスッ!! 素敵な雑誌をたくさん出してる出版社さんッス!!」
シラヌイ「オレ、特に電子書籍に興味があって!」
シラヌイ「出版社さんって電子書籍化に乗り気じゃないところも多いのに、オンシャは電子ならではの取り組みもしててスゲーなって!!」
ウカイ(なるほど、紙だと燃えるから)
シラヌイ「ん? なんか言ったッスか?」
ウカイ「いや何も。ほら、ここがデスクだよ」
〇オフィスのフロア
シラヌイ「おおー!! すっげえ!!」
ウカイ「うんうん。社員以外にもいろんな人が出入りしてるよ」
ンジャメナ「ちわー! 郵便でーす!」
ウカイ「あ、ご苦労さまでーす」
シラヌイ「えっ、い、今の人誰ッスか!? すごい格好してましたけど!?」
ウカイ「ンジャメナさんだよ。毎日郵便持ってきてくれるの」
シラヌイ「いやいや、どう見ても郵便屋の格好じゃねーだろ!!」
ウカイ(・・・・・・・・・・・・)
ウカイ「まあいいや。ほら、暇そうにしてる人に話しかけてみなよ」
シラヌイ「えっ、いいんすか! やったー!!」
〇オフィスビル前の道
ハシモト「どう、今日は勉強になったかな?」
シラヌイ「ウスッ!! ありがとうございましたッス!!」
ウカイ「君、なかなかスジがよかったよ。 入社したら頼りになりそうだね」
シラヌイ「あ・・・・・・そのですね、 実は皆さんに黙ってたことがあって・・・・・・」
ハシモト「え、なになに?」
シラヌイ「実はオレ・・・・・・火属性なんです!!」
シラヌイ「こんなこと黙っててすみません、でもオレほんとに今日楽しくて、」
シラヌイ「皆さんとこれからも一緒に仕事したくて、だったら秘密にしてちゃいけないなって思って・・・・・・!!」
「いや、知ってるよ」
シラヌイ「え?」
シラヌイ君はもとより、担当スタッフ達のどんな状況にも物怖じしない対応にとても好感が持てました。シラヌイ君の情熱がきっとこの出版社で大きな役を担っていきそうですね。
楽しいストーリーでした。ニヤニヤしながら読ませて頂きました。主人公の意欲や熱さが伝わってきてヒヤヒヤする反面、とても応援したくなりました。
なんて楽しい作品なんでしょう。すごくおもしろかったです。ずっとニヤニヤしながら読んでいました。主人公は見るからにあつそうな人でしたが、気持ちも熱くて、好青年だと思いました。燃え上がっている人が出版社で働いているところを想像すると、やっぱり笑えます。大惨事にならないか、ヒヤヒヤしてみていました。そしてみんな気づいていましたが、最後に秘密を暴露するあたりが最高でした。