夕顔

笑門亭来福

第四話(迂回)(脚本)

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〇渋谷の雑踏
  千年の孤独
佐藤 愛「さくらちゃん・・・」
佐藤 愛「あなたのお臍の先には」
佐藤 愛「無限の、絡まった血管で繋がった」
佐藤 愛「血液や血漿なんかを必要とする」
佐藤 愛「新しい命が、5億年の進化をしてるの?」
佐藤 愛「あなたは、現実に押し潰されてないの?」
佐藤 愛「さくらちゃん・・・」
佐藤 愛「あなたとは、同じ匂いを感じるから」
佐藤 愛「何とかしたいんだけど」
佐藤 愛「力が及ばないって、切ないね・・・お母さん」
佐藤 愛「高橋 蓮!」
佐藤 愛「コトと次第によっては・・・」
佐藤 愛「・・・許さん」

〇簡素な部屋
夕ちゃん「ちょっと、愛ちゃん!」
夕ちゃん「お、落ち着いて・・・」
夕ちゃん「まだ、何もハッキリしてないんだから」
佐藤 愛「ま、何時間後にはハッキリするんだけどね」
佐藤 愛「決戦の土曜日だわさ」
夕ちゃん「あ、さくらちゃん、出かけるみたい」
鈴木さくら「時々、お臍が・・・突っ張る感じ?」
「な、な、何ですってー!」
鈴木さくら「・・・いってきます」
「いざ、出陣!」

〇病院の診察室
鈴木さくら「おはようございます」
産婦人科医(さくら叔母)「おはよう」
産婦人科医(さくら叔母)「調子はどう?」
鈴木さくら「落ち着いてきてると思います」
産婦人科医(さくら叔母)「そう、よかった」
産婦人科医(さくら叔母)「・・・え?」
鈴木さくら「あ、いえ・・・その写真って・・・」
産婦人科医(さくら叔母)「あー、これ?」
産婦人科医(さくら叔母)「これはね、胎児の成長過程よ」
「何ですって!」
鈴木さくら「おたまじゃくし、そっくり」
「ノンキかっ!」
産婦人科医(さくら叔母)「小さな勾玉から、魚、おたまじゃくし」
産婦人科医(さくら叔母)「恐竜、そしてサルのような胎児になっていく」
鈴木さくら「へー、エラ呼吸から肺呼吸になるんですね」
「もうっ! 他人事じゃないんだからっ!」
産婦人科医(さくら叔母)「そう、その時つわりが、おきやすいのよ」
産婦人科医(さくら叔母)「お腹の中で、5億年の進化をするから」
鈴木さくら「・・・母子ともに、必死なのね」
産婦人科医(さくら叔母)「そう、臍の緒で結ばれた、二人三脚」
鈴木さくら「母子の・・・そのお母さんは・・・」
鈴木さくら「また、そのお母さんと、お互いに」
鈴木さくら「命を預けあったんでしょうか?」
「・・・ん?」
「さくらちゃんと、さくらちゃんのお母さん?」
「・・・って、コト?」
産婦人科医(さくら叔母)「そうよ、順番だもん・・・」
産婦人科医(さくら叔母)「ねえ、さくらちゃん・・・来週一緒に」
産婦人科医(さくら叔母)「お母さんの様子、見に行ってみない?」
「さくらちゃん、お母さんがいるの!?」
「ちょっ・・・揺れが、半端ないって」
「鼓動も・・・あ、えげつないから」
鈴木さくら「そうですね・・・はい・・・」
産婦人科医(さくら叔母)「少しづつね、5分だけでいいから」
鈴木さくら「・・・あ、はい・・・」
産婦人科医(さくら叔母)「喜ぶわ、姉さんも」
「何ですって!?」
「・・・」

〇リンドウ
佐藤 愛「・・・いっぺん、整理してみよっか」
夕ちゃん「うん・・・まず、産婦人科に行き」
佐藤 愛「赤ちゃんの写真を見て・・・」
夕ちゃん「胎児は5億年の進化をする話になって・・・」
佐藤 愛「母子は、臍の緒を結び、二人三脚を・・・」
夕ちゃん「さくらちゃんのお母さんのことになり・・・」
佐藤 愛「そこだわ!」
佐藤 愛「お医者さんは、さくらちゃんの叔母さんで」
佐藤 愛「さくらちゃんママは、入院か何かで・・・」
夕ちゃん「それで一緒に見舞いに行こうと・・・」
佐藤 愛「さくらちゃんの妊娠がショックでの入院ね」
夕ちゃん「あり得る!」
佐藤 愛「やっぱり、高橋蓮をシメないと!」
夕ちゃん「何かは、知ってるかも」
佐藤 愛「よしっ、高橋蓮、確保ォ!」
佐藤 愛「・・・って、臍の緒に寄生中の身だった」
佐藤 愛「さて・・・どうする?」
夕ちゃん「・・・奥の手しかないわ、『胞子拡散!』」
佐藤 愛「ホ・・・ホウシカクサン?」
夕ちゃん「そう、胞子を飛ばし、別の場所に寄生する」
佐藤 愛「さすが、夕ちゃん!」
「それでは、御一緒にぃー」
「🎶 飛んでいけ・・・ ♫ 飛んでいこう」
「🎶 飛んでいけ・・・ ♫ 飛んでいこう」

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