Secret Shield

フカダタクヤ

Secret Shield (脚本)

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〇keep out
  Secret Shield 略称SSは
  大規模な組織犯罪などの国家を脅かす危機から人々を守る盾として設立された政府の秘密機関である

〇結婚式場のレストラン
  とある企業の祝賀パーティー会場
女性「ガハハ、酒だ!酒だ!」
女性「あれ?」
女性「社長飲んでないですね?」
女性「もっと飲みましょうよ」
社長「おい!」
社長「キミが注いでいるのは酒じゃなくて 花瓶の水だ」
男性「あはは、こちらのご婦人は少し気分が優れないようですね」
男性「私が介抱しますので、みなさんはお楽しみください」

〇洋館の廊下
男性「お〜い、鮫島」
男性「目覚ませ」
鮫島「あ、城崎先輩何やってんすか?」
城崎「やっと酔いが醒めたみたいだな」
城崎「任務の内容はちゃんと覚えてるか?」
鮫島「もちろんですよ」
鮫島「このパーティーの主催者、道源寺隆弘の 悪事を暴くため」
鮫島「道源寺が指揮する武器の密売組織の取引情報が記録されたSDを探すんですよね?」
鮫島「それがSecret Shieldのエージェント 私たちのミッションです!」
城崎「秘密のエージェントが大声で正体喋るなよ」
城崎「さっさとSDを探すぞ」
鮫島「は〜い」

〇貴族の応接間
鮫島「どこにもな〜い!」
城崎「おかしいな」
城崎「レーダーで探知しても SDカードらしき反応は見られない」
鮫島「本当にSDなんてあるんですか?」
城崎「SDと呼ばれる取引きを記録した媒体が、 この屋敷のどこかにあることは確かだ」
城崎「鮫島、待て!」
城崎「誰か近づいて来てる」
鮫島「警備員ですか?」
城崎「探知した反応は1人」
城崎「おそらく、道源寺の娘だな」
鮫島「道源寺シャーロット 数年前に養子に取られていましたね」
城崎「このまま闇雲に探してもSDは見つからない」
城崎「多少のリスクはあるが、この娘に探りを 入れてみるか」
鮫島「了解です」

〇洋館の廊下
道源寺 シャーロット「誰かいるの?」
城崎「こんばんは」
城崎「パーティーの途中で少し外に出ていたら 会場までの戻り方がわからなくなりまして」
城崎「驚かせてしまったらすみません」
城崎「会場まで案内してくれませんか?」
道源寺 シャーロット「あなた、誰?」
城崎「これは申し遅れました」
城崎「私は製薬会社メディツリー代表の村井と 申します」
道源寺 シャーロット「つまらない嘘つかないで」
道源寺 シャーロット「今晩の招待客リストに株式会社メディツリーの村井なんて名前はなかった」
城崎「名前はなかった?」
城崎「貴女は出席者全員の名前を覚えているんですか?」
道源寺 シャーロット「名前だけじゃない」
道源寺 シャーロット「会社名、電話番号、メールアドレス、受付台帳に記入されたデータはすべて記憶してる」
城崎「今日のパーティーには何百人と出席していたはずですよ?」
城崎「それをすべて記憶するなんて」
城崎「異常な記憶力だ」
道源寺 シャーロット「私は、一度見たものはすべて記憶できるの」
道源寺 シャーロット「あなたたちスパイでしょ?」
道源寺 シャーロット「見逃してあげるから、 見つかる前に早く逃げなさい」
城崎「その通り」
城崎「我々は政府の秘密機関Secret Shieldの エージェントです」
城崎「道源寺の闇取引が記録されたSDを探すため、このパーティーに潜入しました」
道源寺 シャーロット「SD・・・・・・?」
鮫島「ちょっと、先輩!」
鮫島「自分から正体バラしてるじゃないですか」
城崎「いいんだよ」
城崎「おそらく彼女も被害者の一人だ」
城崎「それに、SDの謎も解けたからな」
鮫島「どういうことですか?」
城崎「お嬢さん、お手元を少し見せていただいてよろしいですか?」
  シャーロットの手首には銀色のブレスレットがつけられていた
城崎「このブレスレット、よく見ると手首から外せないようになっている」
城崎「発信器か何かですよね?」
道源寺 シャーロット「そうよ」
道源寺 シャーロット「これは、私を逃さないために道源寺がつけたもの」
道源寺 シャーロット「逃げ出そうとしたり、命令に逆らうと体内に毒が注射される仕組みになっている」
鮫島「ひどい」
城崎「こんなものをつけてまで道源寺が貴女を 手元においておく理由はただ一つ」
城崎「その記憶力だ」
城崎「取引の情報を文書やデータに残せば、 必ず足がつく」
城崎「その点、誰かの記憶なら取引情報が 万が一、漏れそうになったときも その人物ごと消し去ればいい」
城崎「Secret Daughter<秘密の娘>」
城崎「彼女が今回のターゲット、SDだ」
鮫島「それじゃあ、彼女を連れて逃げましょう!」
道源寺 シャーロット「ダメよ」
道源寺 シャーロット「このブレスレットがある限り、 私は逃げられない」
城崎「失礼」
城崎「少しビリっとしますが、我慢してくださいね」
  城崎がブレスレットにスマートフォンのようなものを押し当てると、バチっと音を立ててブレスレットが外れた
道源寺 シャーロット「外れた」
城崎「これで、あなたを縛るものは無くなった」
城崎「さぁ、行きましょう」
道源寺 シャーロット「・・・・・・」
城崎「どうしました?」
道源寺 シャーロット「できない」
道源寺 シャーロット「私もこの記憶力を使って、今まで道源寺の 犯罪に加担してきた」
道源寺 シャーロット「今更、その罪は消えないし、逃げたところで道源寺は必ず追ってくる」
警備員「おい!」
警備員「お前たち何やっている」
鮫島「先輩、見つかりましたよ」
城崎「鮫島、やれ」
鮫島「了解です」
鮫島「ちょっと痛い目見てもらいますよ」
警備員「グハッ」
警備員「ゲホッ」
鮫島「あらら、全然手応えないですね」
鮫島「先輩、終わりましたよ」
道源寺 シャーロット「すごい」
城崎「たしかに、貴女はこれまで結果として道源寺の悪事に加担してきたのかもしれない」
城崎「しかし、貴女が持つ情報があれば、これから起こる悲劇を未然に防ぐことができる」
城崎「勇気を持って一歩踏み出してください」
城崎「私達があなたを守る秘密の盾になりましょう」
  差し伸べた城崎の手をシャーロットが取り、彼らはパーティー会場から姿をくらませた

〇keep out
  残念ながら、ここから先のお話は参考人保護の観点からお伝えする事はできない
  Secret Shield
  彼らは日夜、人知れず活躍している
  国家を脅かす危機から人々を守る
  秘密の盾として
  END

コメント

  • SDの謎も無事に解け、しかも彼の鋭く冷静な推理と、オリジナリティーのあるキャラでたのもしい彼女とのチームワークがとてもバランスよく、スッキリ読み終えることができました。ふたりの活躍するストーリーをもっと読んでみたいです。

  • ストーリーがよく考えられていて最後まで集中して読ませて頂きました。Secreteだからこその任務。違ったステージでのお話しもあれば読んでみたい気がします。

  • SDの意味のタネ明かしがかっこいいです。アクションシーンも人情要素もあって、ドラマみたいで楽しめました。ラストの決め台詞感がいいですね!そのままエンディングテーマが流れてきそうです。鮫島さんがワイルド担当なところに惚れました。

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