魔法少女の母、娘を全力でサポートします!

花石雫

母達の本音(脚本)

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〇結婚式場のテラス
青海舞桜(おうみまお)「えーっと・・・、桃子さん、とりあえず詳しい話を聞かせてくれるかしら?」
  私達は、子供達を撮影所に残してテラスへ移動していた。
赤城桃子「・・・舞桜さん、ヒーローにおける赤と青の関係性はわかるかしら?」
青海舞桜(おうみまお)「え?・・・貴方とうちの旦那って事?」
赤城桃子「そうとも言えるわね」
赤城桃子「ヒーローだった頃、二人は仲間でありライバルでもあったの」
赤城桃子「そして、時にぶつかり、時に協力して、絆を深めていったの・・・」
青海舞桜(おうみまお)「確かに、あの人が組織に居た時にそんな話をしていたかも・・・」
青海舞桜(おうみまお)「でも、二人は女の子よ?その定義、当てはまるかしら?」
赤城桃子「正直言うとね、光李ちゃんには必要無いと思うの・・・」
赤城桃子「でもね・・・」
赤城桃子「秋桜は、間違いなくその気質なのよ・・・」
青海舞桜(おうみまお)「な、なるほど・・・」
赤城桃子「私ね、秋桜に少しでも強くなって、活躍して欲しい」
青海舞桜(おうみまお)「それは、私もだけど・・・」
赤城桃子「後ね、これ・・・大事なのだけれど・・・」
赤城桃子「私ね・・・」
赤城桃子「嫉妬でモヤモヤしたくないのよ!!」
青海舞桜(おうみまお)「えぇ!?」
赤城桃子「だいたい、光李ちゃんが悪いのよ!!」
赤城桃子「グッズはコスモより売れるし!」
赤城桃子「憎もうにもキラキラした笑顔で純粋に慕ってくれるし!」
赤城桃子「秋桜ともとっても仲よしだし、悪い所が無いんだもの!!」
赤城桃子「まったくもうっ!!なんであんなに可愛いの!!?」
赤城桃子「舞桜さん、育て方上手すぎなの!!?」
青海舞桜(おうみまお)「ちょ、ちょっと待って待って、落ち着いて、桃子さん?」
赤城桃子「落ち着いてます!!」
赤城桃子「最近、光李ちゃんと秋桜を比べて嫉妬しちゃうのよ・・・」
赤城桃子「秋桜の方が出来るのに、秋桜の方が可愛いのに、秋桜の方がーって・・・!!」
青海舞桜(おうみまお)「そんなの・・・私の方が思ってたのに?」
赤城桃子「え?」
青海舞桜(おうみまお)「いえ、私は秋桜ちゃんと桃子さん・・・二人に嫉妬してるの。何時だって」
青海舞桜(おうみまお)「流石ヒーローの娘!!最強の魔法少女!」
青海舞桜(おうみまお)「可愛い!カッコいい!小さいのにプリズムをフォローして偉い!!」
青海舞桜(おうみまお)「そうやって、道行く人が褒めるのは何時もコスモ・・・」
青海舞桜(おうみまお)「応援団は元々貴方のファンクラブ。公式ファンクラブの人達も貴方の伝で作られた──・・・」
青海舞桜(おうみまお)「応援帰りにプリズムの子って、名前なんだっけ?なんて言われて・・・」
青海舞桜(おうみまお)「光李がサポートしているから秋桜ちゃんが活躍出来るのに、何で?って思ったりもしたわ・・・」
青海舞桜(おうみまお)「こないだも、秋桜ちゃんはテレビでも堂々としてて、パワーに溢れてて・・・輝いてた」
青海舞桜(おうみまお)「私が怪人って知っても怖がらないし、光李とも仲良くしてくれてる・・・」
青海舞桜(おうみまお)「何で秋桜ちゃんはそんなに優しくて強いの!?」
青海舞桜(おうみまお)「どうして秋桜ちゃんと桃子さんばっかり輝いていて、皆に祝福されるの!?」
青海舞桜(おうみまお)「誰か・・・光李も、私も、頑張ってるって認めてよ・・・」
青海舞桜(おうみまお)「──・・・そうやってね?堪らなく羨ましくなるときがあるのよ・・・貴方達の事が・・・」
赤城桃子「舞桜さん・・・」
青海舞桜(おうみまお)「私達、元々敵同士だったじゃない?お互いにいい感情も持ってなかった」
赤城桃子「そう、ね。貴方は男を誘惑する悪女だったから・・・余計に敵視していた時期もあったわ・・・」
青海舞桜(おうみまお)「私もね?貴方の事、綺麗事ばっかり、ヒーローなんて形だけの尻軽アイドルの癖に──って思ってたのよ?」
赤城桃子「なっ!?それを言ったら、貴方こそ胸ばっかりの能無し女だって・・・!!」
青海舞桜(おうみまお)「プッ!」
赤城桃子「・・・ふふっ・・・」
「アハハハハッ・・・!!」
青海舞桜(おうみまお)「今更よねぇ、ほんと・・・!」
赤城桃子「ほんとね、色々と若かったわね、私達・・・」
青海舞桜(おうみまお)「今の私は、桃子さんが誠実でちょっぴり熱くて素敵な人だって知ってるわ」
赤城桃子「私も、舞桜さんが聡明で思いやりがあって前向きな人だって知ってるわ」
青海舞桜(おうみまお)「本当に、知るって大事よね。怪人だった頃は、相手の気持ちなんて知ったことじゃなかったもの・・・」
赤城桃子「それを貴方に教えたのが青海君だなんて、私未だに信じられないのよ・・・」
青海舞桜(おうみまお)「あら、ああ見えて意外と情熱的なのよ?」
青海舞桜(おうみまお)「そうよ、こないだだって、貴方の旦那さんのことでー・・・」
赤城桃子「あら、そうなの?」
青海舞桜(おうみまお)「そうよ、それでねー・・・」
  ──
  ────
  ──────・・・
赤城桃子「フフッ・・・はぁ・・・なんかスッキリしちゃったわ・・・」
青海舞桜(おうみまお)「私もよ」
赤城桃子「舞桜さん、私ね。元ヒーローとしても、嫌な女になりたくなかったの・・・」
赤城桃子「・・・なんだか、みっとも無い所みせちゃったけど・・・」
赤城桃子「本音を出しあったことで、少しだけ・・・舞桜さんと分かり会えた気がするわ」
青海舞桜(おうみまお)「そうね。私も、スッキリしたわ。それに・・・」
青海舞桜(おうみまお)「こういうことする相手、今まで居なかったから・・・嬉しかったわ・・・」
赤城桃子「舞桜さん・・・!」
青海舞桜(おうみまお)「ねぇ、桃子さん。これからも、お互いの不満も嫉妬も言い合っていきましょう?」
青海舞桜(おうみまお)「だって―・・・」
青海舞桜(おうみまお)「私達、ママ友なんだからっ!」
赤城桃子「えぇ、そうね・・・!最高のママ友だわ!」
赤城桃子「って訳で舞桜さんっ、子供達の為にもライバル作戦に協力してちょうだい!」
青海舞桜(おうみまお)「あ、それはやるのね・・・?」

〇テーブル席
「勝負!!?」
青海舞桜(おうみまお)「そう、光李と秋桜ちゃん、特訓の成績がいい方にポイントをつけることにしたの」
赤城桃子「ポイントがたまったら、ここで好きなデザート食べていいわよ!」
青海光李(おうみひかり)「好きなデザート・・・」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「お母さん、私、お肉がいい・・・」
赤城桃子「ハンバーグでもステーキでもいいけど・・・」
青海光李(おうみひかり)「選べるデザートプレートとかでもいいの・・・?」
青海舞桜(おうみまお)「いいわよ~、好きなの選びなさい」
青海光李(おうみひかり)「よーし、負けないよ、秋桜ちゃん!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「私だって!!パワーなら負けないんだから!」
青海光李(おうみひかり)「わ、私だって、それ以外は負けないもんっ!!」
青海舞桜(おうみまお)「二人とも、訓練の時はいいけれど、出動の時はちゃんと協力しなきゃ駄目よ?」
赤城桃子「そうよ?そこで喧嘩するようなら、ポイントマイナスしちゃうからね?」
「はっ、はぁーい・・・!」
青海光李(おうみひかり)「・・・ふふっ、少し楽しいね、秋桜ちゃん!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「そうだね、光李ちゃん!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「仲良しだけど、ライバル・・・!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「なんか嬉しいな!」
青海光李(おうみひかり)「お互い頑張ろうね!」
青海光李(おうみひかり)「デザートプレート食べられるようになったら、秋桜ちゃんにも分けてあげるね!」
赤城秋桜(あかぎこすもす)「私も!ハンバーグ半分こしようね!」
青海舞桜(おうみまお)「・・・いい子すぎるわ・・・」
赤城桃子「な、なんか少し想像と違う感じになっちゃってるわね・・・」
青海舞桜(おうみまお)「ま、まぁ、競いあうことはできるわよね?」
赤城桃子「そうね、そこは大丈夫・・・なハズ!」
青海舞桜(おうみまお)「何にしても・・・あれよね・・・」
赤城桃子「えぇ・・・」
「うちのこ達が今日も可愛いわ・・・」

次のエピソード:渦巻く思惑?

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