僕の恋人は龍神さまっ!?

きーきー

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〇古びた神社
  会社はクビになり、親友には連帯保証人として騙されて・・・
  もう僕は命を絶つしかありません
  一生のお願いです!なんでもします!
  神様、どうか助けてください!
純「僕の名前は田宮純。現在職無し、借金だらけ」
純「会社の上司からは散々嫌がらせを受け、仕舞いには重大なミスを押し付けられてクビになる」
純「幼馴染の親友には「迷惑かけないから」と言われ連帯保証人になったのに、それ以降行方不明に」
純「もう疲れました」
  気が付くと、僕は近所にある小さな神社に来ていたのだった
  きっと最後の手段として、無意識に足を運んだんだろう
純「(願っただけで、助かるんだったら世界中みんな幸せになってるか)」
純「(そんな甘くないよな・・・)」
???「あのな、助けてやる側もそれ相当の労力が伴うものなんだよ」
純「(そうですよね・・・)」
???「だから、そう簡単に一人ひとりの願いは叶えてられないわけ。 何でこんな簡単なこともわからないかなー」
純「(すみません・・・)」
???「でも、なんでもしますって言うんだったら叶えてあげてもいいけど?」
純「(本当ですか!?)」
純「(・・・ん?誰?)」
  ずっと目を瞑って祈ってたから気付かなかったけど・・・
  さっきから誰と喋ってる!?
  僕は途方に暮れながら、この神社に1人で来たはずだ。
  しかもこんな夜中に人は誰も居なかった
  急に恐怖と共に胸騒ぎがし始めた
???「で、どーすんの?本当になんでもするの」
純「(誰か背後に居る!?)」
  僕は勇気を振り絞り、振り向いた

〇水中
  そこには眩し過ぎる程、水色に輝く龍の姿が・・・!
  ま、眩しい!
青い龍「どん底不幸野郎には俺様の姿は眩し過ぎるか」
青い龍「仕方ないな。底辺のお前レベルに落としてやるから、ちょっと待ってろ」
  すると眩し過ぎる程輝く龍の姿は、光を放ち人間の形へと変化をしていった
  そこには端正な顔立ちをした男が立っていた

〇古びた神社
  僕は恐怖と驚きで、思わず腰が抜けた
純「何者!?誰!?」
龍神「誰?じゃねーよ。お前、ここどこだか知ってるだろ?」
  男はゆっくりと僕に近づいて来る
龍神「ここは神社だよ、神社。水龍神社」
純「し、知ってます」
龍神「じゃ、さっき見たモノはなんだった?」
純「りゅ、龍です」
龍神「水龍。 で、俺様が水龍から人間に化身した姿見たよな?」
純「は、はい」
龍神「つまりそーゆーこと。俺様はここの神だ」
純「か、神!?」
  神と名乗るその男は、足を止め、尻餅ついた僕の上にまたがった
龍神「そう、神。龍神」
龍神「そしてお前は俺の秘密の姿を見た」
純「秘密!?」
龍神「神が人間に化身した姿を人に見られる事は禁止とされている」
龍神「お前はその姿を見た。 誰かに秘密を明かした時には───」
純「い、言いません!!! だから、その、願いを──」
  すると龍神は僕に顔を近づけ、人差し指で顎を上げた。
  親指でそっと僕の唇を撫でながら──
龍神「お主、なかなかいい顔してるな」
純「・・へ?」
龍神「そういえば願いを叶えてもらえるなら、なんでもしますって言ってたよな?」
龍神「助けてやろう、お前を」
純「本当ですか!?」
龍神「ただし、条件がある」
純「条件?」
龍神「俺様のことは決して誰にも話さぬこと」
龍神「そして、今日からお前は俺様のおもちゃになることだ」
純「お、おもちゃ・・・!?」
  ニヤリと口元を引き上げる、龍神
龍神「さーて、お主をどう遊ぼうかのぉ?」
  すると、尻餅ついた体勢でいた僕を、グッと地面に押し倒した
  息がかかる程に、顔が近い
  美しい顔立ちの龍神に、僕は思わず体が熱くなった
龍神「お主、顔が赤いぞ」
純「え、いや。違います! その、えっとー。違います!」
龍神「ふっ、男は初めてか?」
龍神「それとも、まだウブか」
純「ち、ちちち違います」
  そっと顔を撫で始める龍神。

〇黒
  唇が触れそうになる──
  ちょ、ちょっと待ってください!
  ぼ、僕のファーストキス──!!!!

〇CDの散乱した部屋
  ・・・・・
  ・・・あれ?
純「朝?」
  気が付くと、僕はベッドの上で寝ていた
  そこは、いつもの住み慣れた部屋だった
純「いつの間に寝てたんだろう」
純「っていうか、あれは夢・・?」
  すると突然、LINEの受信音が鳴った
  差出人はまさかの幼馴染の親友からだった
  僕が連帯保証人になってから、行方をくらませていた親友・・・
  僕は息を呑み込み、LINEを開いた
  『純、本当にごめん。あれから、借金は返済して、純に借りてたお金も近々返させて欲しいです。迷惑かけて申し訳なかった──』
  親友に裏切られたと思っていたけど、親友は僕の事を始めから裏切ってなどいなかった
  嬉しさと自分への悔しさで胸がいっぱいになった
純「ん?」
  今度はメールが受信された
  覚えのある会社からだった。
  『──厳正なる面接選考の結果、貴殿の採用を“内定”いたしましたので──』
純「内定!?」
  会社をクビになってから、就活するもことごとく不採用だった僕に、まさかの内定の連絡が
純「絶望の淵に立たされてたのが嘘みたいだ」
  すると、浴室から扉が開く音が聞こえた
龍神「ようやくお目覚めした様だな」
純「昨日の!」
純「あれは夢じゃなかったのか!?」
龍神「夢? 約束通り助けてやったのは、この俺様だ」
龍神「って事で、昨日のお楽しみの続きでも開始とするか」
純「昨日の続き──!?」
  近付いてくる、龍神
  僕は思わず、唾を飲み込んだ
龍神「これからお前が俺様に約束を果たす番だ。 秘密を守り通す事と──」
龍神「──おもちゃになる事」
  勢いよくベッドの上に押し倒す、龍神
純「ま、待ってください! 待ってくださいってば〜!!!!」

コメント

  • 有言実行の龍神様には逆らえないですね! 現実と夢が上手く混ぜ合わせられて、普通なら他人の不幸は密の・・・なのに、lineとメールの朗報にこちらまで嬉しくなったのは、きっと神様が彼を助けたいと思った気持ちに近いのかも。面白かったです!

  • 主人公はかなり大変なめに遭ってますが、なぜか気持ち良く読めてしまって、終盤にやっと気持ちよさの根拠に気づきました。
    主人公が救われることになってて、よかった、と!
    代償は大きいのかもしれませんが笑

  • ストーリーがうまく構成されていると思いました。登場人物の会話のテンポや、言葉の流れもよくて一気に読み終えました。もう少し続きを読んでみたい気がします。

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