彼の攻略方法教えます(脚本)
〇教室
春野 桃南「長堂くんこれから宜しくね〜」
長堂 玲音「あぁ」
春野 桃南「ねぇねぇ、お菓子食べる?」
長堂 玲音「結構です」
クラスで席替えをして、隣になったのが学年で1番の秀才、長堂玲音くんだった。
高校の隣に長堂くんの家があるから時短のためうちに来たらしく、本当はもっと優秀って話は有名だ。
勉強以外は興味がないのか、楽しく会話しているのも見たことがない。
木守 琉花「桃南、ドンマイ!」
春野 桃南「・・・」
まぁ、出来ればノリの良い男子の隣で高校生活謳歌したかったけどね。
くれぐれも長堂くんの勉強の邪魔はしちゃいけないな。
あぁ・・・私の青春・・・。
キラキラした高校生活が送りたかったな
〇女の子の一人部屋
春野 桃南「ただいまタルトくん〜♪ さ〜て明日に向けてゲーム進めておきますか」
実は友達にも言ってないけれど、私は恋愛シミュレーションゲーム「青春キュンしよ♡」の大ファンで
予定が無い時は全ての時間を「青春きゅんしよ♡」に捧げている隠れヲタ女子なのだ。
春野 桃南「最新作最高なんだけど〜♡ やばいっ!タルトくんとのデート動物園だっけ?水族館だっけ? 昨日どっちに設定したんだっけ〜♡」
実は明日の土曜日「青春きゅんしよ♡」の初コスプレファンミーティングがある。
青春きゅんしよ♡は元々男性向けに作られた恋愛シミュレーションゲームで、最近女の子が主人公の乙女用が発売された。
春野 桃南「良かった!動物園で合ってた〜♡ ここで秋のデートイベントスチルがゲット出来るはず♪」
男性向けの初代からのファンで、全攻略している私としては明日の「青春きゅんしよ♡」のファンミが楽しみで仕方ない。
VRで出てくるタルトくんたち「青春学園」の文化祭が会場で観れて、生歌などが聴けるのだ。
コスプレは青春学園のセーラー服を着ていく予定♡
ゲームの内の制服だけれど、知らない人には普通の制服にも見えるしね。
春野 桃南「明日楽しみだな〜♡」
〇駅前ロータリー(駅名無し)
春野 桃南「わ〜楽しみだな♪」
春野 桃南「さてと会場に入ろう♪」
〇ナイトクラブ
桃乃 緋音「みんな〜青春学園文化祭にようこそ!ヒロインの桃乃緋音です♡」
うぉおおおーー♡
緋音ちゃーーん♡
愛島 タルト「みんなこんにちは〜愛島タルトです」
春野 桃南「きゃ〜♡ タルトくん〜♡」
ドンッ!
ヤバい!隣の人にぶつかっちゃった
春野 桃南「あ、すみません」
長堂 玲音「いえ、こちらこそすみません」
春野 桃南「えっ、もしかして長堂くん?!」
長堂 玲音「春野さん?!」
えーーっ!
長堂くんーー?!!
嘘でしょ!マジで?!
しかも長堂くん「青春きゅんしよ♡」の隠れ攻略キャラである科学教師、左馬島先生のコスプレしてるし!
めちゃマニアじゃん!
春野 桃南「あはははは。どうも〜」
長堂 玲音「・・・春野さん」
長堂 玲音「春野さん! これはお互いの為に学校では黙っておかないか? あの・・・二人の秘密にしませんか?」
春野 桃南「二人の・・・秘密」
長堂 玲音「お願いします」
確かに。
お互いクラスメイトにはなるべく知られたくない趣味だよな。
でもまさかあの長堂くんが「青春きゅんしよ♡」のマニアだったなんて。
〇駅前ロータリー(駅名無し)
春野 桃南「今日のイベント楽しかったね」
長堂 玲音「う、うん」
楽しかったけれど、長堂くんの方が面白くてそればっかり考えてた、とは絶対言えない
長堂 玲音「じゃあ月曜日学校で」
春野 桃南「うん」
長堂 玲音「あの春野さん、くれぐれも・・・」
春野 桃南「くれぐれもどうしたの?」
長堂 玲音「・・・どうぞ宜しくお願いします」
春野 桃南「二人の秘密だね♪」
長堂 玲音「ありがとう」
なんだ〜
長堂くんとっつきにくいかと思ったけれど同じ趣味なんてめちゃ仲良くなれそうじゃん♪
月曜日から学校楽しみだよ〜♪
〇大きな木のある校舎
〇教室
春野 桃南「長堂くんおはよう♪」
長堂 玲音「おはよう春野さん」
春野 桃南「土曜日楽しかったね♪(小声)」
長堂 玲音「う、うん(小声)」
春野 桃南「ずっと気になってたんだけど、あの白衣どこで調達したの?」
長堂 玲音「白衣は制服専門店で買ってきたんだ。 学生たちの着てる制服は「青春学園♡」のオンラインショップで売ってるけど」
長堂 玲音「左馬島先生のコスは売ってないから自分で似たようなものを調達したんだ」
春野 桃南「あはは すごいよ長堂くん完璧左馬島先生だった♪」
長堂 玲音「ありがとう コスプレは初めてだったから恥ずかしかったけど気合い入れて行ったんだ」
木守 琉花「どうしたの?桃南! 長堂くんといつ仲良くなったの? 急接近?」
春野 桃南「長堂くんと青春について話してたの ねぇ?長堂くん」
長堂 玲音「あぁ! 青春とは何か春野さんと話してたんだ」
木守 琉花「え〜さすが長堂くんマジ哲学的〜 桃南すごいじゃん♪」
春野 桃南「うん」
青春は青春でも本当は「青春きゅんしよ♡」の話なんだけどね。
長堂くんと私だけが分かる話って何か面白いな
長堂 玲音「青春の話って! 俺らにしか分からないもんね なんか面白い」
春野 桃南「ね♪」
長堂くんこんなに面白い人だったんだ。
学校来るの楽しくなっちゃうな
〇一戸建て
〇女の子の一人部屋
春野 桃南「さ〜て寝る前に「青春きゅんしよ♡」タルトくん攻略進めますか♪」
♪ピコーン
春野 桃南「あ、長堂くんからメールだ」
「青春きゅんしよ♡」仲間として情報を交換し合うために今日、長堂くんとメールアドレスを交換した。
春野 桃南「へぇ〜♪隠れキャラ佐屋くんを出すとタルトくんとの部活イベントが見れるんだ〜♪知らなかった〜」
春野 桃南「長堂くんすごい詳しい♪ ありがたい〜♪」
私がタルトくん好きだから気遣ってくれているし、長堂くんって実は良い人だよな。
〇大きな木のある校舎
〇教室
春野 桃南「おはよう長堂くん 昨日はありがとう♪」
長堂 玲音「おはよう。 春野さんタルトくん好きだったからさ」
長堂 玲音「お役に立てたなら良かった」
春野 桃南「もうすごく嬉しかったよ〜♡ 知らない情報だったからさ 本当に長堂くんって「青春〜」詳しいね!」
長堂 玲音「そうかな」
春野 桃南「ねぇ、長堂くんは「青春〜」何がキッカケでハマったの?」
長堂 玲音「俺、元々ゲーム全般が好きでさ 昔から家でもずっとゲームばっかりしてて」
春野 桃南「意外だよ。 長堂くんって家でも勉強しているイメージがあったから・・・」
長堂 玲音「全然だよ。 授業中以外全く勉強しないし。 本当に時間あればゲームしてる」
春野 桃南「それで学年トップなんてすごいよ」
長堂 玲音「全然すごくないよ」
長堂 玲音「で、全カテゴリーのゲームは一回やってみようと思って恋愛シミュレーションゲームの「青春きゅん♡」をやった時に」
長堂 玲音「シナリオに感動してさ。 俺も将来ゲームが作ってみたいなって思ったんだ」
春野 桃南「そうだったんだ〜 すごいよ長堂くん。 もう将来の夢が決まってるなんて」
春野 桃南「しかも好きな事を活かして仕事にするなんてなんかカッコイイ」
長堂 玲音「そ、そうかな? ・・・ありがとう」
長堂 玲音「春野さんは?」
春野 桃南「私は長堂くんみたいに立派なものじゃないよ」
春野 桃南「お兄ちゃんのゲーム好きの友達が「青春〜」をお兄ちゃんにくれて、うちに置いてあってから」
春野 桃南「それでハマったんだけど、長堂くんみたいに将来ゲーム作ってみたいとかそんな立派なものじゃなくて」
春野 桃南「ゲームも恋愛シミュレーションゲーム以外も少しやるけどヘタで全然ダメなんだ」
春野 桃南「唯一得意な事と言えばお菓子作りくらいで、食に関する仕事にしようかなってざっくり考えてるくらい」
長堂 玲音「良いと思うよ」
春野 桃南「えっ?」
長堂 玲音「すごく良いと思う」
春野 桃南「・・・ありがとう」
長堂くん・・・優しいな
長堂くんと隣になって良かった
長堂 玲音「あ、ねぇ春野さん」
長堂 玲音「次の日曜日一緒に出掛けない? 隣駅のプリンセスプラザで「青春〜」の期間限定の展示会があるらしいよ」
長堂 玲音「タルトくんの限定衣装も展示されるらしい」
春野 桃南「えっ、行く 行きたい〜♡」
長堂 玲音「よしっじゃあ決まりで」
長堂 玲音「楽しみにしてるよ」
春野 桃南「うん私も楽しみ」
〇一戸建て
楽しみだな〜
長堂くんとの約束
〇一戸建て
日曜日
〇女の子の一人部屋
春野 桃南「わ〜何着ていこうかな」
春野 桃南「こっちにしようかな 楽しみだな〜♪ あ、そろそろ行かないと♪」
〇広い改札
春野 桃南「長堂くーん」
長堂 玲音「春野さんごめん待った?」
長堂 玲音「早く着きすぎて街ブラしてたから逆に待たせちゃったかな?」
春野 桃南「あはは 大丈夫。今来たばっかりだよ」
春野 桃南「長堂くんのコスプレ以外の私服初めて見た。 カッコイイね♪ 髪型もそっちの方が似合うよ」
長堂 玲音「そう? ありがとう」
長堂 玲音「春野さんも可愛いよ・・・」
春野 桃南「ありがとう」
びっくりした〜
長堂くんに可愛いって言われちゃった
嬉しいな・・・
長堂 玲音「じゃあ行こうか」
〇大きいデパート
〇繁華街の大通り
春野 桃南「あ〜楽しかった♡」
長堂 玲音「俺も楽しかった」
春野 桃南「期間限定「青春学園♡文化祭喫茶店コーナー」のカフェまであるなんて感動だった!」
長堂 玲音「春野さんが喜んでくれて本当に良かった」
春野 桃南「長堂くん・・・ありがとう」
長堂 玲音「春野さん送って行くよ もう少し話したいから歩きながら帰らない?」
春野 桃南「うん!賛成 私も同じ事言おうと思ってた♪」
長堂 玲音「良かった。 じゃあ行こう」
〇公園の入り口
長堂 玲音「あの、春野さんこれ」
春野 桃南「えっ?」
春野 桃南「これって、プリンセスプラザ限定「青春きゅんしよ♡」のタルトくんデザインブレスレットじゃん!」
春野 桃南「タルトくんが主人公にプレゼントしたものと同じデザインの」
長堂 玲音「今日付き合ってくれたお礼」
春野 桃南「えっ、ありがとう こんな素敵なもの貰って良いの?」
春野 桃南「ありがとう 嬉しい」
長堂 玲音「喜んでくれて良かった」
長堂くん・・・
私は今「青春きゅんしよ♡」じゃなくて長堂くんにドキドキしてるよ
〇一戸建て
また長堂くんとの思い出が増えちゃった
〇大きな木のある校舎
〇教室
長堂 玲音「春野さんおはよう」
春野 桃南「おはよ・・・ あっ、長堂くん髪型!」
長堂 玲音「春野さんこっちの方が良いって言ってたからさ」
春野 桃南「うん! すごく良いよ!」
長堂 玲音「ありがとう」
長堂 玲音「昨日は楽しかった」
春野 桃南「あ、私も・・・あの」
木守 琉花「あれ〜長堂くんだよね! やっぱ長堂くんだ!」
春野 桃南「琉花おはよう」
木守 琉花「髪型違うから一瞬違う人かと思ったけど、やっぱり長堂くんだ〜♪ 昨日2人隣駅でデートしてたよね?!」
長堂 玲音「!!」
春野 桃南「!!」
木守 琉花「も〜う♡ 2人って付き合ってたの? 言ってよね桃南〜!」
男子生徒「木守さんナイス♡ 俺も昨日2人一緒にいるの見たんだよ! 今聞こうかなって思ってたんだ〜♡」
女子生徒「え〜うそ〜♡ 2人付き合ってるの!?♡ 長堂くんイメチェンしてるし〜♡」
春野 桃南「あ、あの・・・ 長堂くんごめん」
チラッ
長堂 玲音「春野さんは関係ない!」
春野 桃南「長堂くん・・・」
長堂 玲音「俺が春野さんを好きなだけだから!」
春野 桃南「えっ!!」
長堂 玲音「そういう事だから!」
ダッ!
春野 桃南「長堂くん待って〜!」
〇学校の廊下
春野 桃南「私も好き!」
長堂 玲音「!!」
春野 桃南「私も長堂くんが好き!!」
長堂 玲音「春野さん!!」
木守 琉花「え、すご〜い♡ 最高じゃん♡」
男子生徒「うわ♡ 胸きゅんだわ」
女子生徒「私もきゅんきゅんしちゃった♡」
長堂 玲音「春野さん またデートしよう」
長堂 玲音「今度は恋人として」
春野 桃南「はいっ♡」
「青春きゅんしよ♡」以上の最高のラブイベント発生で、私たちはハッピーエンディングを迎えられました。
長堂くん・・・大好きだよ♡
青春真っただ中の気持ち良い物語ですね。2人とも真っ直ぐ素直で誠実ですので、ステキなカップルですよね。ラストの長堂くん、イイ男ですね!
わたしも読みながらキュンキュンしちゃった!恋したくなった!ふたりだけの秘密っていいよね。このゲームあるならやりたいなぁ。青春したい♪そんなことを夢見させてくれるすてきなストーリーでした♪
桃南さんがどんどん長堂くんに惹かれてるのが伝わってきて、周りの生徒だけじゃなく私もきゅんきゅんしました。
ゲームから始まった恋っていうのもいいですね!
応援したくなるカップルです!