第4話 最悪なストーカー(脚本)
〇黒
数日後
〇改札口
うず「着いたわ、京都!」
徹也「うずちゃんは日帰りだっけ?」
うず「ええ。今回の事件で有給をまとめて消費しているから日数的には余裕があるんですけど、」
うず「さすがに観光する気分じゃありませんから」
うず「徹也さんは・・・・・・何だか荷物が多いですね」
徹也「探偵は何かと入り用だからね」
うず「こっちに泊まっていかれるんでしたっけ?」
徹也「うん。まだどのくらい滞在するか決めていないけど、」
徹也「こっちでできる調査はしていこうと思ってね」
徹也「コインロッカーに荷物を預けたら、葬儀の会場に向かおうか」
うず「でも、よく葬儀の日取りがわかりましたね」
うず「依頼が依頼だけに、恭介とは連絡をとれないでしょう?」
徹也「この間もいったけど、シキミさんのご実家は名家だから、」
徹也「葬儀が大々的過ぎてわかりやすいんだよ」
徹也(まあ、本当は旦那のスマホに仕掛けておいた、盗聴用アプリから聞いたんだけど)
徹也(少し前に仕掛けたまま放っていたけど、まだ使えてよかった)
徹也(葬儀が終われば、今度こそこの女を殺してやる・・・・・・!)
〇銀閣寺
うず「あれ? 会場ってこのお寺ですよね? 誰もいない・・・・・・?」
徹也「これは・・・・・・どういうことだ?」
恭介「待っていたぞ、ストーカー野郎!」
うず「恭介!?」
恭介「まさか、うずがグルだったとはな」
うず「ちょっと、どういうこと!?」
徹也「待ちぶせなんて、どういうつもりですか?」
徹也「シキミさんの遺体はどこだ!?」
徹也「会わせろよ、今すぐ!」
恭介「お前なんかに、会わせるかよ!」
恭介「マンションの前で会ったときに、思いだすべきだった」
恭介「お前がシキミのストーカーだってな!」
うず「ストーカー!? 徹也さんが?」
うず「シキミさんに雇われた探偵じゃなかったの!?」
恭介「お前、そういってうずを騙して連れてきたのか? 何が目的だ!?」
徹也「・・・・・・くそっ!」
徹也「シキミさんにお別れをしたら、その女を殺してやるつもりだったのに!」
うず「なっ・・・・・・」
恭介「シキミを殺したのも、お前だな!?」
徹也「ちっ!」
恭介「おい、待て!」
恭介「・・・・・・ったく、逃げ足の速いヤツだ・・・・・・」
うず「恭介! 何なのよ、これは!? シキミさんの葬儀は?」
恭介「葬儀は今日じゃない」
恭介「ヤツがスマホから盗聴しているのに気づいたから、嘘を吹きこんで待ちぶせしていた」
恭介「あのあと冷静に考えてみたら、うずがシキミを殺すとはどうしても思えなかったからな」
恭介「それで、他に動機があるヤツを思いだしたんだ」
うず「それが徹也さんってこと?」
恭介「ああ。ヤツはシキミに、ずっとつきまとっていたからな」
恭介「けど、シキミがなびかなかったから、殺したんだろ」
うず「何だ、てっきり恭介が犯人なのかと思っていたわ」
恭介「俺!? 何で!」
うず「だってあの日、会社帰りにしては定時よりだいぶ早く帰ってきたし、」
うず「浮気がバレて離婚の危機だったんだから、動機も十分でしょ」
うず「シキミさんの実家はお金もちだから、てっきり財産目当ての犯行かと・・・・・・」
恭介「推理ドラマの見過ぎだぞ・・・・・・」
恭介「あの日はどっかの誰かさんのおかげで、会社にいづらかったんだよ」
うず「え?」
〇オフィスのフロア
恭介「数日間、お前が俺のことをやたら無視しまくるから、同僚に変な目で見られていたんだよ」
〇開けた交差点
恭介「それで、営業にかこつけて外出していたら、あの大雨だろ」
〇マンションのエントランス
恭介「だから、雨宿りしに家へ帰ったら、あんなことが起きていたんだ」
〇銀閣寺
うず「そうだったの・・・・・・」
恭介「あのとき、マンションから出てきたアイツを見かけた」
恭介「つまり、ヤツが犯人ってことだろ。 早く警察に──」
うず「待って。何か違和感が・・・・・・」
〇黒
〇銀閣寺
うず「そうよ、そうだったんだわ!」
恭介「あ、おい! 待てよ、うず!」
恭介「あーあ。仕方ないから、うずと結婚して子どもの面倒をみてもらおうかと思ったのに」
恭介「やっぱり家庭的じゃないから、無理か」
〇川に架かる橋
徹也「ハア・・・・・・ハア・・・・・・」
徹也「ああああああ、最悪だ最悪だ最悪だ!」
徹也「まさか、ここで失敗するなんて! あの旦那、よくも・・・・・・!」
うず「徹也さん!」
徹也「うずちゃん!?」
徹也「何しに来たの? 僕を捕まえにきた?」
徹也「この場で、僕に殺されるとは思わないの?」
うず「徹也さんは犯人ではありませんよね?」
うず「だって、シキミさんの事件現場の様子をすごく知りたがっていたもの」
うず「犯人なら、そんなことはしないはず・・・・・・」
うず「私を殺そうとしたのも、私が犯人だと思っていたからでしょ?」
徹也「だって、君なら殺害が可能だし、動機も十分だよね」
うず「私は殺していません!」
徹也「口でなら、何とでもいえるよ」
徹也「せっかく東京までついて行ったのに、僕が一緒に部屋まで行かなかったせいで、」
徹也「みすみすシキミさんが殺されてしまったんだ」
徹也「僕が、窓から侵入できることに早く気づいていれば・・・・・・」
徹也「だから、せめて犯人に復讐してやるんだ!」
うず「私が犯人なら、わざわざ京都までシキミさんの葬儀に来ませんよ」
うず「徹也さんもそう思ったから、私を殺さずに様子を見ていたんでしょ?」
徹也「それは・・・・・・」
うず「迷っているなら、最後まで見届けて!」
うず「私が絶対に犯人を見つけるから」
徹也「うずちゃん・・・・・・」
徹也「わかったよ」
徹也「君のことは、ずっとずっとずっと見守るから・・・・・・!」
うず「え? そういう意味じゃ・・・・・・。 徹也さん?」
徹也「僕、我の強い女性って好みなんだあ」
うず「そういえば、ストーカーって・・・・・・」
徹也「どんなときも見ているから、安心して」
うず「い、いやああああああ」
待て待て、徹也犯人じゃなかった!え? でも徹夜の標的がうずに!? さらに色々重なって怖いです😱
そして奥さん亡くなってるのにうずに家庭に入ってもらおうとか、恭介はやっぱりクズですね😅最高でした!
ストーカーくんとバディ継続決定?
2人が犯人でないとなると?
もう一度読み返す必要アリですね!
やった!スリスリリスク限界突破だぜ!
最近の盗聴はレベルが高いから怖いですね☺️
僕もこんど家の中を調べてみます!