読切(脚本)
〇通学路
幼馴染「なぁ今度遊びにいかね?」
幼馴染「いや・・・皆とじゃなくてさ」
幼馴染「二人だけでさ・・・」
〇教室
先生「ごめんね。教えるの下手で」
先生「何でも真面目に取り組む君は素敵な女性になるよ」
先生「君の同級生ならよかったな」
先生「あっいや、何でもないよ」
〇病院の待合室
先輩「やっと退院できたよ」
先輩「君は命の恩人だ」
先輩「その・・・もしよければ」
先輩「今度食事にでも誘っていいかな?」
〇怪しげな酒場
ギルメン募集おじさん「やぁ良い目をしているね」
ギルメン募集おじさん「職業は何かな?」
ギルメン募集おじさん「もし良ければ僕のギルドに──」
ギルメン募集おじさん「あぁちょっと待って!! どこ行くのー!?」
〇通学路
メタ子「最近何かおかしい・・・」
メタ子「我ながらチャンスすぎてる」
メタ子「最後のはよく分からんけどおかしい」
メタ子「まるでラブコメのような展開じゃん」
メタ子「いやラブコメでもこんな雑な展開ないよね」
メタ子「逆にリアルリアル・・・うん」
〇空
春島先生「うーん・・・こうかなぁ」
〇通学路
メタ子「うーん、マンダム」
メタ子「ダメだこれは終わった」
メタ子「なんか書いてたなあの巨人」
メタ子「アイツはこの世界を書いている・・・?」
メタ子「さしずめ私はフィクションのキャラ・・・」
メタ子「だったら納得か・・・この展開も」
メタ子「はっ!!」
メタ子「ちょっとまって」
メタ子「このクソラブコメが終わったら」
メタ子「私も終わりってこと!?」
メタ子「あの作者には任せておけん」
メタ子「女子高生に「うーん、マンダム」を言わせる奴には・・・」
幼馴染「おはよー」
幼馴染「どした?立ち止まって」
メタ子「ん?何でもないよ」
メタ子「ねぇ空のアレ見える?」
幼馴染「あぁいい天気だな」
メタ子(やっぱり私にしか見えてないか・・・)
幼馴染「遅刻するから行こうぜ」
メタ子「そ、そうだね」
〇教室
先生「それでは今日はここまで 皆さん気を付けて帰りましょうね」
モブ女子生徒「先生今日もイケメンすぎ」
モブ諸葛亮「知的な先生と知恵較べしたいぞなもし」
先生「メタ子さんちょっといいですか?」
モブ女子生徒「キーなんなのあの女」
メタ子「何ですか先生?」
先生「私から言うのもなんですが・・・」
先生「今日も良ければ補習しませんか?」
メタ子「え、そうですね・・・」
幼馴染「あーちょっと」
幼馴染「メタ子は俺と帰るんだよ先生」
先生「あぁ・・・そうでしたか」
メタ子(おぉ・・・二人とも私を・・・)
メタ子(いやいかん)
メタ子(読者の興味をそそらなければ私は消えてしまう・・・)
メタ子(どっちを選べば・・・)
メタ子(大人の魅力たっぷりの先生との禁断の愛ルートは中々・・・)
メタ子(いや幼馴染との甘酸っぱい青春ルートも悪くない・・・)
メタ子(どっち?どっちだ?)
先生「どうしました?」
幼馴染「どうしたメタ子?」
メタ子「えへ」
「あっ逃げた」
〇学校の校門
メタ子「逃げてしもた」
メタ子「いや、展開が遅れて延命になる筈」
メタ子「悪くない判断・・・だよね」
メタ子「イテテ、ごめんなさい」
チンピラ「おい!どこ見てやがんだ」
チンピラ「俺の制服が破けちまったぜ」
メタ子「それは元からじゃ・・・」
チンピラ「よし、茶でも付き合え! そしたら許してやるよ」
メタ子(え、やば)
幼馴染「おい!何してやがる」
幼馴染「メタ子に触んじゃ──」
幼馴染「ぐえっ」
メタ子「弱いのに何してんのよぉ!!」
先生「君はどこの生徒だ?」
メタ子「先生っ!」
先生「君たちは早く帰りなさい。 私が時間を稼ぎます」
メタ子「う、うん・・・」
チンピラ「どけよ先公」
先生「★ー×■□〇🔺※÷凸」
チンピラ「おっ?おおん?」
先生「私が得意とするスリランカ語です お勉強しましょう」
チンピラ「斬新な時間の稼ぎ方だなっ!!」
〇通学路
メタ子「もうすぐ家だよ 本当に病院行かなくて良いの?」
幼馴染「痛いけど大したことないよ」
幼馴染(はぁ、情けねぇ)
先輩「どうした? そんなに慌てて」
メタ子「あっ先輩!」
幼馴染(誰だこのワイルドイケメン?)
メタ子「変な人に絡まれちゃって・・・」
先輩「そうか、二人とも送っていくよ」
メタ子「ありがとうございます!」
幼馴染(メタ子に相応しいのはこういう頼りがいのある男なのかもな・・・)
メタ子「どうしたの?」
幼馴染「いや、何でもないよ」
チンピラ「追い付いたぜぇ」
メタ子「うわっ」
チンピラ「スリランカの挨拶は一通り覚えたぜ」
(何のことだろう・・・)
先輩「お前か変な奴ってのは」
先輩「メタ子ちゃんは先行ってな」
メタ子「は、はい・・・」
チンピラ「カッコつけてんじゃねぇっ」
先輩「ガタイの割に大したことないな」
チンピラ「えっうそ・・・」
先輩「お返しだ」
チンピラ「ぐえぇぇ」
チンピラ「こいつはシンプルに強いのかよぉぉ」
チンピラ「うぅ・・・・・・」
チンピラ「くっ・・・うっ・・・」
チンピラ「好き❤」
先輩「うわぁっ」
〇一戸建て
メタ子「着いた着いた」
幼馴染「うん・・・すまなかったな」
メタ子「えっ? あんたは悪くないじゃん」
幼馴染「いや、守ってやれなくてさ」
メタ子「でも・・・」
メタ子「かっこよかったよ」
メタ子「弱いくせに飛び出すなんてさ」
メタ子「でも次からはやめてよね」
メタ子「大変なことになったらどうすんの?」
幼馴染「うん・・・」
幼馴染「あのさ・・・」
幼馴染「お前のこと好きだ」
メタ子「えっ!!」
メタ子「そんないきなり・・・」
幼馴染「なんか言っときたくてな」
幼馴染「明日世界が終わっても良いようにさ」
メタ子「そんなの終わるわけ──」
メタ子(あったなそういえば)
メタ子(幼馴染とくっつくのは意外とラブコメではない展開だし・・・)
メタ子(皆見たかったよね?)
メタ子「・・・」
メタ子「聞いてみるか・・・」
メタ子「ねぇおもしろかった? そこのあたな」
メタ子「どっちでもいいけど、コメント拡散よろしくね!」
メタ子「じゃないと私達終わっちゃうからさ・・・」
「おーーーーい!!」
ギルメン募集おじさん「ここで会ったが百年目」
メタ子「嘘でしょ・・・ ここでコイツ来るの?」
ギルメン募集おじさん「今日こそ我がギルドに──」
ギルメン募集おじさん「あぁちょっと待って!! どこ行くのー!?」
〇通学路
メタ子「はぁ・・・はぁ・・・」
メタ子「こんなの・・・」
メタ子「打ち切りに決まってんだろーー!!」
メタ子「わぁーーーーーん」
〇書斎
タッチノベル担当者「先生!」
タッチノベル担当者「大好評ですよ!大好評!!」
春島先生「ええ?こんな感じでいいの?」
春島先生「確かにキャラがすごく動いたんだよねぇ」
タッチノベル担当者「というより絵が好評です!」
春島先生「あぁ・・・そうだよね うん・・・そうなるよね」
タッチノベル担当者「とにかく続編ですよ先生」
タッチノベル担当者「さっそく絵師のナラささ──」
春島先生「だぁちょっと!!」
春島先生「勝手に名前出しちゃダメだよぉ」
タッチノベル担当者「何の話ですか?」
タッチノベル担当者「とりあえず続きお願いしますよ」
〇通学路
メタ子「あれっ」
メタ子「繋がったか首の皮・・・」
つづく・・・・・・?
この世界、創作かも…って気付いちゃうとき確かにあります。チンピラのボテ腹がインパクトありました。
メタ子の運命やいかに
個人的にはスリランカ語が使える有能先生が1番優良物件だとは思いますが、ギルド入りもしてほしい。
ギャグ盛り沢山で、最初から最後まで笑わせて頂きました! ギルメン募集おじさんは、てっきり主人公がプレイしてるゲームのキャラと思ってましたが、リアルに登場し、吹き出しました。笑
表情差分の大きいメタ子も、コメディ作品に合っていて、とても魅力的に映りました^^