ナイトプールでヒ・ミ・ツの時間❤

Akizuki

読切(脚本)

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〇学校のプール
DJ「Make Some Noise!!」
「Yeah!!!!!!!」
  ・・・
  はぁ、このノリ付いていけない。
  やっぱり断ればよかった
  とある一流ホテルで行われている
  ナイトプールパーティー。
  セレブのご子息やご令嬢が集まり、
  盛り上がりを見せている。
  私も令嬢と呼ばれる立場ではあるけれど、にぎやかな場所は苦手なんだよね
  こんな派手な水着を着たところで、
  陰キャは隠せない
ルナ「ハーイ、楽しんでる?」
  いえ、全然
ルナ「あははっ、だと思った!」
  何それ~。
  ルナが1人で行くのイヤだって言うから、
  仕方なく付いてきてあげたのに
ルナ「そんなに怒らないでよ」
ルナ「せっかくだし楽しもう。 はい、アンタの好きなピニャコラーダ♪」
  ありがとう
男性1「ねえ君。三日月財閥のお嬢さんだよね?」
男性1「よかったら俺たちと飲まない」
ルナ「はい、是非よろしくお願いします❤」
ルナ「アンタはどうする?」
  私は・・・・・・いいや
ルナ「あー、そっか。 他の男と飲むのはフィアンセに失礼だよね」
ルナ「ところで、彼は今日来てないの?」
  多分・・・・・・何も言ってなかったから
  陰キャの私にも『令嬢』という肩書きの
  おかげでフィアンセと呼べる男性がいる。
  イケメンで優しくて、
  私にはもったいないくらいの人なんだよね
  本当ならここにいるお嬢様たちの方が
  婚約者にふさわしいというか・・・
  彼とは数回顔を合わせただけで、
  婚約者らしい関係にはまだほど遠い。
  親同士が決めたことだから、仕方なく
  一緒にいてくれてるんだろうな
  そんなことをボンヤリ考えていると・・・
  パシャッ!
  急に派手な水しぶきが上がり、
  私の顔面に思いっきりかかった。
  きゃっ!
女性「あっ、ごめんなさい。 ほらケンちゃんがふざけるから」
男性「だって仕方ないじゃん。 さっちゃんが可愛いすぎて、 いじめたくなるんだもん」
男性「それ~!」
  カップルはプールの水をお互いにかけ、
  楽しそうにじゃれ合っている。
  プールサイドでそのしぶきを浴びながら、私は少し寂しくなってしまった。
  こういう場所も、彼と一緒に来たら
  もっと楽しめたかな?
  ははっ、なんてね
???「・・・びしょ濡れじゃん。 ちゃんと拭かないと風邪引くよ」
  え・・・?
  フワッと頭の上にタオルが乗せられ、
  後ろから誰かに抱きしめられる。
ユキナリ「こういう場所へ遊びに行く時は、 俺にも一言話してよ」
  ! ユキナリさん!?
  私を抱きしめる正体は、フィアンセの
  ユキナリさんだった。
  ユキナリさんも遊びに来ていたんですか?
ユキナリ「ううん。 最初は行くつもりなかったんだけど・・・」
ユキナリ「君がいるって聞いたから」
ユキナリ「ガラにもなく駆け付けちゃった」
  えっ、どうしてですか?
ユキナリ「危ない男たちがウヨウヨしてる場所に、 彼女を置いておけるわけないでしょ」
ユキナリ「ほら、こっちに来て」
  あ・・・
  ユキナリさんに手を引かれ、
  人混みとは反対方向に歩き出す。
  い、今、彼女って・・・。
  まさかそう言ってくれると思わなかった
  彼は怒ったような顔をしていたけれど、
  しっかり私の手を握ってくれている。
  その手から伝わる体温に
  胸がトクンと高鳴った。

〇結婚式場のテラス
  それから私たちがやって来たのは、
  誰もいないプライベートプールだった。
ユキナリ「今夜は俺たちの貸し切りにしたから」
ユキナリ「おいで」

〇水中
  手を繋いだままプールに入り、
  ギュッと腰から抱き寄せられる。
ユキナリ「実はさ・・・」
ユキナリ「夏だし本当はプールとかデートに君を 誘うつもりだったんだ」
ユキナリ「でも、恥ずかしくて なかなか言い出せなかった」
ユキナリ「寂しい思いさせてごめん」
ユキナリ「こんな場所に行かせる前に、 俺からアプローチすればよかった」
ユキナリ「君が俺以外の誰かと楽しんでるのは やっぱりイヤだな」
  ユキナリさん・・・
  トクン、トクン、トクン、トクン──。
  ユキナリさんの心臓の音・・・すごく速い
  同じくらい緊張してくれてるのかも。
  心配してくれたのも嬉しいな
  ここに来ること、
  ちゃんと話してなくてごめんなさい
  でも、さっきまで全然楽しくなかったです
  多分、ユキナリさんがいなかったから
  せっかく貸し切りプールなのに、
  端っこから動かず、お互いの体を
  ギュッと抱きしめ合う。
  ユキナリさんをこんな近くに感じるのは、今日が初めてかもしれない
  なんだか嬉しいな
ユキナリ「よかった。君がそう思ってくれて」
ユキナリ「親が勝手に決めた関係だけど、 俺・・・君のこと大事にしたいって 思ってるから」
ユキナリ「まだ知らない君のこと、 これからたくさん好きになりたい」
  ユキナリさんの濡れた手が頬に触れ、
  ジッと熱っぽい視線を向けられる。
ユキナリ「いや、もうとっくに好きかも」
  ・・・!
  う、嬉しいです。
  私も・・・あなたのことが好きだから
ユキナリ「本当に?  そっか、俺たち両想いだったんだね」
  視線が熱く絡み合い・・・。
  ん・・・
  唇が熱く重なり合う。
ユキナリ「好きだよ」
  んっ・・・私も・・・
  ユキナリさんとのキス・・・・・・
  ドキドキするけど、すごく優しい
  まだ彼のことはよく知らないけれど
  どれだけ優しい人なのか
  キスの甘さが教えてくれる。
  これからユキナリさんと
  素敵な恋ができますように
  そんな願いを込めて、
  今度は自分から彼の唇を求めるのだった。

コメント

  • 優しいだけでなくいざというときはひっぱっていってくれる彼女のフィアンセのような男性って素敵ですね。お互いにいつもとは違った服装、水着ってだけでもドキドキが増しますよね。

  • 世の中には親が進めた見合い相手と結婚した人多いと思います。とくに昭和の世代は、私の両親もそうでした。でもこのカップルのように、それも縁の一部として受け入れ末永く幸せになってほしいですね。恋愛結婚した人達だけが永遠に幸せとは限りません。二人の熱を感じて、こちらまで幸せな気分に浸れました。

  • ナイトプールが舞台のキラキラした物語。文章がとても上手で情景が目の前に浮かんでくるようです。
    ユキナリさんの優しさが身に沁みますね。大好きな気持ちどんどん大きく成長させてほしいな。

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