最終話 最愛のソンザイ(脚本)
〇森の中の小屋
オルガ「頼も────────!!!!!!!!!!!!」
大賢者ディアール「弟子は・・・ いらんっっ!!!!!!!!!!!!!!」
ソディト「・・・弟子入りじゃないですよ・・・ディアールさん。 この声は・・・オルガです!」
大賢者ディアール「ひょっ!?」
オルガ「こ、こんにちは・・・」
ソディト「・・・オルガも、紛らわしい言い方するなよ・・・」
オルガ「ごめん。ごめん」
ソディト「──期日までまだ先だけど・・・ どうした?って──」
ソディト「・・・外れたのかっ!?!?」
オルガ「・・・う、うん・・・」
オルガ「はい。コレでルイさんも助かるんでしょ?」
ソディト「に、偽物・・・って訳じゃなさそうだな?」
オルガ「ひどいな・・・。 本物だよ!!」
ソディト「オルガ! 感謝する!! 本当にありがとうな!!!!」
オルガ「待たせて・・・悪かったわね──って・・・ ディアールさん・・・何か言いたげですね?」
大賢者ディアール「ひょっ!?」
大賢者ディアール「あえて聞かんっ!! ワシは・・・あえて聞かんぞいっ!!!!!!!!」
オルガ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうして下さると・・・助かります・・・」
ソディト「クロノアは、どうした? 今回は一緒じゃないのか?」
オルガ「う、うん! もう首飾りが外れたから──」
クロノア「・・・用無しだって?」
オルガ「く、クロノア!?」
クロノア「僕は・・・まだまだ・・・ 君に用があるんだけど?」
オルガ「・・・」
クロノア「ソディト!! 君の方がもうオルガに用はないだろう?」
ソディト「あ、ああ。まぁ・・・そうだけど・・・」
ソディト「何?・・・痴話喧嘩?」
オルガ「えっと・・・」
クロノア「オルガは、僕の花嫁だ!! 僕以外の男に触らせないよっ!!」
ソディト「・・・何か前より酷くなってないか?」
オルガ「あはは・・・」
クロノア「オルガ、エラトの魂跡をソディトに渡したんだろう? ──じゃあ、もう帰ろう?」
オルガ「か、帰る?」
クロノア「さっきも言ったよね? 君に用がまだまだたくさんあるって・・・」
クロノア「君の帰る場所は・・・僕のいる所だよ・・・」
クロノア「じゃあ、そう言う事だから! オルガは、返してもらうよ」
そう言って、クロノアはオルガを引っ張って帰って行った。
ソディト「だ、大丈夫なのか?アレ・・・」
〇桜並木
クロノア「・・・」
オルガ(・・・く、空気が重いな・・・)
オルガ(話題・・・話題・・・)
オルガ「・・・ソルの国は・・・花が綺麗ね!!」
クロノア「・・・」
オルガ「・・・天気もいいし・・・ 清々しいわね!」
クロノア「・・・どうして・・・」
オルガ「え・・・?」
クロノア「どうしてあんな手紙を書いたんだいっ!?」
クロノア「どうして”さよなら”なんて・・・」
オルガ「・・・だって、本当の事だもの」
クロノア「僕が・・・諦めるとでも思った?」
オルガ「・・・」
クロノア「君の・・・ ”今の気持ち”が聞きたいな」
オルガ「”今の気持ち”?」
クロノア「僕の事・・・ 好き? 嫌い?」
オルガ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嫌いではないよ・・・」
オルガ「・・・クロノアは・・・?」
クロノア「僕?」
クロノア「今すぐにキスして、できる事ならここで愛の営みを行ってもいいし・・でもそれじゃ君が困るだろうし・・いや、でも誰もいないから」
クロノア「君がいいなら僕は万全の準備は出来てるよ・・って、やっと両想いになれたのに嫌いになるはずないだろ?大好きに決まってるだろ!」
オルガ「す、ストップ!ストップ!! 早口で呪詛のように公共の場で変態的な愛を囁かないで?」
オルガ「・・・」
クロノア「ねぇ?オルガ」
クロノア「僕の愛、足りなかった?」
クロノア「僕がゴーレムだから・・・ためらっているの?」
オルガ「ゴーレムだからとか人間だからとかは関係ないよ?」
オルガ「私は──クロノアだから──好・・・」
クロノア「好き?」
オルガ「・・・」
俯いてしまったオルガに、クロノアは・・・
クロノア「あ! あんな所にゾアコトルが!!」
オルガ「えっ!!」
クロノア「・・・引っかかったね?」
オルガ「んんっ!?」
クロノア「僕から逃げようとしても・・・無駄なんだからね?」
クロノア「そろそろ降参して・・・帰ろう?」
クロノア「帰ったら・・・今までの分も取り返すくらい・・・めいいっぱい・・・愛すから・・・」
クロノア「覚悟してて欲しいな?」
クロノア「首飾りが外れた今・・・君を僕に縛る物はもうないけど・・・」
クロノア「そんな物なくても・・・ もう君の心は僕のものだろう?」
クロノア「僕は、離す気なんてないし・・・たとえ君が離れて行こうとしても・・・必ず、何度だって迎えに行くから」
クロノア「・・・僕に愛された事を後悔するんだね!」
〇貴族の部屋
使用人?1「その後のクロノア様とオルガ様は・・・ それはもう・・・幸せそうで──!!」
使用人?1「あとは世継ぎが産まれるのを待つばかりだなぁ!」
使用人?2「元々、ゴーレムでいらっしゃるクロノア様に生殖能力はなかったのですが・・・」
使用人?2「エラトの魂跡の力のおかげで・・・オルガ様にもすぐにお子が授かる事でしょう・・・!!」
使用人?1「紆余曲折からの愛・・・!!」
使用人?2「クロノア様を愛せるのは・・・古今東西どこを探しても・・・オルガ様だけでしょう・・・」
使用人?2「・・・おや、伝書鳩が?」
使用人?1「何かあったのか?」
使用人?2「・・・ソディト様からのお手紙ですね・・・」
使用人?2「今度はあちらの方が・・・何やら大変らしいですよ?」
〇貴族の部屋
タップライター:ico
クロノアオルガン
end・・・?
全11話の完結おつかれさまでした。
クロノア様の想いが成就ですね!やっぱり一途な男性の押しというのは強いですね(但し法と倫理の範囲内に限りますがw)
楽し気な後日談の想像できるラストの"余白"具合も大好きです。恋あり執着あり粘着あり偏執ありの楽しい物語をありがとうございました!