【読切】モカちゃんと本田(脚本)
〇一戸建て
モカ「はい、本田」
モカ「世界一カワイイ子から、恋文です♥️」
本田 すばる「・・・受け取り拒否って、ありっすか?」
モカ「そんなむずかしい言葉、モカ知らな~い」
本田 すばる「おい! 都合よくガキぶんな」
本田 すばる「お前、22時台のドラマ完全制覇の JS(女子小学生)じゃん」
モカ「同じ自治会のよしみで、3日待ってあげる」
モカ「最高のシチュで、お返事ちょうだいね」
本田 すばる「おい、勝手に」
モカ「スルーはなし! 傷つけるのもダメ!」
モカ「じゃね!」
本田 すばる「こら、待て──」
本田 すばる「まったく、ちび子め」
〇二人部屋
モカ「ただいま~」
お姉ちゃん「お帰り、モカ」
お姉ちゃん「あのさ。 私の机にあった手紙、知らない?」
モカ「え!?」
モカ「し、知らないよ。 コウノトリさんが運んでいったんじゃない?」
お姉ちゃん「いや、それ違うでしょ」
お姉ちゃん「とにかく探さなきゃ。 あんなの見られたら笑われちゃう」
モカ「そんなことないよ。 『すばるくんへ。優しい目が好きです』って」
モカ「お姉ちゃんの気持ち、ちゃんと伝わるもん」
お姉ちゃん「ヤダ! 読んだの!?」
モカ「エヘ♥️ ごめん、チラッと」
お姉ちゃん「あれは別に渡すとか、そんな勇気なくて」
モカ(うん、分かるよ。 モカも書いたことあるもん)
本田あてのラブレター
モカ(モカのはポッケに入ったまま、もうシワシワで可哀想だから)
モカ(せめてお姉ちゃんのは、キレイなうちに 届けてあげたかったんだ)
お姉ちゃん「あ、もしもし。・・・本田?」
モカ「・・・」
お姉ちゃん「う、うん! 平気、空いてるよ! ・・・じゃあ、水曜ね!」
モカ「本田、何だって?」
お姉ちゃん「す・・・すばるくんとデート~♥️」
お姉ちゃん「テスト休みだから、遊び行こうって!」
モカ「そ、そっか!」
モカ(約束の3日以内。 本田・・・やるなぁ)
モカ「モカ、もっかい出かけて来る!」
お姉ちゃん「え、ちょっと」
〇一戸建て
〇学生の一人部屋
モカ「本田、でかした!」
本田 すばる「げっ、また来た」
モカ「・・・」
チラッ
モカ(うん。ちゃんと読んでくれてる)
本田 すばる「おい。今度は何だよ」
モカ「お姉ちゃん、すっごく喜んでたよ! やるじゃんっ」
本田 すばる「そりゃどーも」
モカ「ねー、どこ行くの?」
本田 すばる「お前が『最高のシチュで』なんて プレッシャーかけっから」
本田 すばる「とりあえず遊園地とか。どうだ?」
モカ「え~イイなぁ。モカも・・・」
モカ(本田と観覧車のりたい)
モカ「ハッ!!」
モカ「お、お土産たのんだわよ! うさ耳のカチューシャで」
本田 すばる「なに言ってんだよ。 水曜は何時にガッコ終わんだ?」
モカ「4時間だけど」
本田 すばる「じゃあ、午後ってことで。 姉ちゃんと一緒に来い」
モカ「え? イイの? だってデート・・・」
本田 すばる「いきなり2人ってのもアレだろ」
本田 すばる「クラスの奴も呼んでっから、 ちび子のくせにマセたこと言うな」
モカ「あー、また子供扱いしてー!」
モカ(でも 本田といっしょにお出かけ♥️)
本田 すばる「おい、6時だ。そろそろ帰れ。 フロ入って飯食う時間だぞ」
モカ「ちょっと、いつの時代?」
モカ「モカの夕食はね、『月9』を観ながらって 決まってるの」
モカ「ママとパパが帰ってくるまで、宿題して 呼吸法でお腹をととのえて──」
モカ「ぐぅー」
モカ「アハッ」
本田 すばる「おい、ココで宿題してけ」
本田 すばる「母ちゃーーーん!! 晩メシ、もう1人分たのむわーー!!」
モカ「本田・・・」
本田 すばる「今日はハンバーグだ。 同じ自治会のよしみで、食わせてやる」
本田 すばる「姉ちゃんもバイトだろ? 家に電気ついたら送ってやっから」
モカ「うん」
モカ(本田・・・大好き♥️)
〇遊園地の広場
お姉ちゃん「楽しみだね」
モカ「うん♥️ 眠れなかった」
モカ(今日、ついにお返事)
お姉ちゃん「モカの好きなのから乗ろう。 疲れたら言うんだよ」
モカ(大好きな2人がくっついたら きっとモカも幸せになれるよね)
お姉ちゃん「あ~♥️ すばる君いた~」
本田 すばる「よぉ。間に合ったな」
モカ(本田──)
お姉ちゃん「すばる君、来てくれてありがとう」
すばるくん「いっぱい遊ぼうね」
モカ「え!?」
モカ「えーー!?」
モカ「お、お姉ちゃんちょっと!! そちら、どちら様?」
お姉ちゃん「知ってるくせに~ 『優しい目』のすばる君♥️」
モカ「じゃあ、本田は!? 『本田すばる』はどーなんの!?」
お姉ちゃん「ああ、そう言えば。 アイツもそんな名前だっけ」
本田 すばる「ちび子、トイレか?」
モカ「ちがっ。あの、手紙・・・」
本田 すばる「ああ、アレな」
モカ(どーしよ、間違えちゃった。 本田、怒ってる?)
モカ(こうなったら・・・)
モカ(逃げちゃお)
モカ「イタタタ・・・急にお腹が。 モカ、帰る」
お姉ちゃん「大丈夫!? ママに迎え来てもらう?」
本田 すばる「いーよ、俺送ってくわ」
モカ「何で!? 本田は残って」
本田 すばる「おい、空気読めよ。 どう考えたって俺邪魔だろーが」
モカ「・・・」
〇街中の道路
「・・・」
本田 すばる「アレ食うか?」
モカ「うん!」
本田 すばる「やっぱ腹イタは嘘か」
本田 すばる「お前ビビったんだろ」
本田 すばる「まーイイけど」
モカ(手紙のことバレたよね)
モカ「ごめんね本田。私の黒歴史」
モカ「あのラブレターは忘れて!」
本田 すばる「あ~だよな。りょーかい。 どーせJSで流行ってんだろ?」
本田 すばる「でも男だって浮かれたり、傷ついたりすんだからな」
本田 すばる「大人になったら、こーゆう遊びはヤメろよ」
モカ(遊びなんかじゃない)
モカ「モカはいつだって本気だよ!」
モカ「2人がくっつけば幸せって、思ったんだもん」
モカ「モカは手紙を渡せないから せめてお姉ちゃんのだけでもって」
モカ「まさかあっちの『すばる君』だなんて 知らなかったんだよ~」
本田 すばる「ちょっと待て! 返事しろって、あの手紙」
本田 すばる「モカからじゃねーの!?」
モカ「違うよ。お姉ちゃんが書いたの」
本田 すばる「何だよてっきり・・・ 俺はお前を傷つけないようにって」
モカ「え?」
本田 すばる「ちなみに、前から知ってたぞ。 姉ちゃん達のことは」
モカ「じゃあ、今日の『最高のシチュ』は ・・・モカのため?」
〇空
モカ「モカはね、ちゃんと本田あてに書いたんだよ」
モカ「シワシワだけど読みたい?」
本田 すばる「怖いもん見たさで」
モカ「はい♥️ 宇宙一カワイイ子からです」
本田に彼女はできません
本田 すばる「不幸の手紙!?」
モカが二十歳になるまではね♥️
本田 すばる「まー、楽しみにしてるわ」
モカ(10年後──)
モカ(隣にいるのは、お姉ちゃんじゃなくて やっぱりモカがいい)
モカ(待っててね、本田♥️)
気軽に読み始めたら物凄くいい話でした😭泣きそう😭
健気なモカちゃん可愛すぎる。立ち絵の「えへへっ💦」って笑い方ともマッチしてますよね。
お姉ちゃんと髪と目の色合わせてて姉妹感も強くて大好きです。
はにみつ様のキャラ、可愛いですよねぇ!🥰
明るく真っ直ぐなモカちゃんはピッタリでした✨
世界一可愛い女の子ってお姉ちゃんの事か…なんて健気な…🥲と思っていたら、自分は宇宙一可愛い子だったとは😂モカちゃん、言う事が可愛すぎです 笑
渡せなくてもずっと持ち続けていたしわしわレターを読まれては、本田も陥落せざるを得ませんね👍
元気いっぱいのモカちゃんに、最後まで楽しませてもらいました🙇
遅ればせながら読ませていただきました🌟
モカちゃんが笑ったり怒ったりするのを見ているだけで幸せな気分になりました☺️
心温まるお話をありがとうございます🙏