猫を一人拾いました

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猫を一人拾いました(脚本)

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猫を一人拾いました
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〇草原の道

〇巨大な城門
門番「ようこそ旅の人、ここはタプノベの街だ」
門番「飯も娯楽もたくさんある、楽しんでってくれや」

〇中世の街並み
肉売りのおじさん「安いよ安いよ!暴れ牛の肉がたったの銀貨1枚だ!」
肉売りのおじさん「まいど!」
武器屋のおじさん「そこの人!武器を新調しないか?」
宿屋の看板娘「今日の宿が決まってないなら、是非うちへ!」

〇ビルの裏
???「にゃーん・・・」
???「・・・」
???「何ですか?」
???「くれるんですか?」
???「私、獣人ですよ?」
???「・・・」
???「ありがとう・・・ございます・・・」
  むしゃむしゃ
???「ごちそうさまでした」
???「ここで何をしているのか、ですか?」
???「雨が降ってきたので、雨宿りを」
???「・・・家は、ないです」
???「え!?ついて来いって?」
???「わ、私をどこへ連れていく気ですか?」
???「宿屋?」
???「・・・」
???「・・・・・・」
???「わかりました、ついて行きます」
???「雨の中で・・・寝るよりは・・・」

〇兵舎
宿屋の看板娘「いらっしゃいませ、宿屋へようこそ♪」
宿屋の看板娘「・・・お二人様のご宿泊ですか?」
宿屋の看板娘「では、お二人様一部屋で銀貨20枚になりま」
宿屋の看板娘「え!?」
宿屋の看板娘「一部屋ずつですか!?」
???「!?」
宿屋の看板娘「いえ、部屋は空いています」
宿屋の看板娘「では、ご案内させていただきますね」
宿屋の看板娘「こちらへどうぞ」
???「???」

〇古いアパートの廊下
宿屋の看板娘「こちらの105号室と106号室をお使いください」
宿屋の看板娘「ごゆっくり」
???「え?あ、はい、私が105号室を使えばいいんですね」
???「お休みなさい」
???「??????」

〇月夜

〇空

〇古いアパートの廊下
「は、はーい!」
???「お、おはようございます」
???「あ、はい!よく眠れました!」
???「ありがとう・・・ございます・・・」
???「ご飯を頂いたうえ、宿までお世話になってしまって」
???「え?家がない事情、ですか?」
???「・・・」
???「い、いえ、大丈夫です!」
???「では、私の部屋の中で」

〇怪しい部屋
???「そうですね、どこから話せば」
???「あ、自己紹介がまだでしたね」
ネネ「私の名前は、ネネと言います」
ネネ「あなたのお名前は、なんですか?」
ネネ「・・・」
ネネ「素敵な名前ですね!」
ネネ「・・・」
ネネ「信じてもらえないかもしれませんが、私は元々人間だったんです」
ネネ「ある日、家が魔族に襲われて」
ネネ「私は呪いで、獣人となってしまったのです」
ネネ「どんなに手を尽くしても、私の姿は元に戻らず」
ネネ「人間でなくなった私は、家を追い出されました」
ネネ「あ、大丈夫です!もう、慣れたので」
ネネ「家を追い出されてからは、元に戻る方法を探しながら」
ネネ「一人で旅をしてました」
ネネ「しばらくは、最後の情けにと渡されたお金で生きてこれたのですが」
ネネ「先日、ついに一文無しになってしまい・・・」
ネネ「・・・そうですね、魔族を倒せば、おそらく元に戻れると思います」
ネネ「魔族を倒す!?」
ネネ「昨日会ったばかりの方に、そこまでご迷惑をおかけする訳には」
ネネ「・・・」
ネネ「優しいんですね」
ネネ「でも、どうして見ず知らずの私にそこまで」
ネネ「「困ってる人がいたら助けるのが当然」って、物語以外で初めて聞きました」
ネネ「あはは」
ネネ「いえ、嬉しいです」
ネネ「ありがとうございます」

〇中世の街並み
武器屋のおじさん「武器と防具だね!」
武器屋のおじさん「まいど!」
ネネ「か、可愛くなったって!?」
ネネ「もう、からかわないでください!」
ネネ「・・・」

〇巨大な城門
門番「良い旅を!」
ネネ「昨日の雨で、まだ道はぬかるんでますね」
ネネ「あ、大丈夫です!」
ネネ「靴も買っていただいたので」

〇草原の道
ネネ「絶好の旅日和、ですね」
ネネ「すみません、魔族の手掛かりはまったくなくて」
ネネ「そうですね」

〇城下町
ネネ「手がかりなしですね」

〇草原の道
魔物(スライム)「ぬぶぬぶ」
ネネ「魔物・・・!」
ネネ「ここは私が!」
魔物(スライム)「きしゃー!」
魔物(スライム)「ぬぶぶ」
ネネ「えへへ」
ネネ「勝ちました!」
ネネ「あ!?」
ネネ「突然撫でるのは反則です」

〇外国の田舎町
ネネ「今日も手掛かりなし」

〇西洋の市場
ネネ「おいしい」
ネネ「ほっぺに?・・・あ!?」

〇綺麗な港町
吟遊詩人「人を獣人化させる魔族ね」
吟遊詩人「知ってるよ」
ネネ「え!?」
吟遊詩人「北の城に住む魔王だね」
ネネ「魔王・・・」
吟遊詩人「もし行くなら、死を覚悟していくといい」
ネネ「・・・」
ネネ「今まで、ありがとうございました」
ネネ「ここからは、私一人で」
ネネ「私のために、死んでほしくは」
ネネ「痛っ」
ネネ「あ、相手は魔王ですよ!?」
ネネ「いや・・・でも・・・」
ネネ「だけど・・・」
ネネ「・・・」
ネネ「・・・・・・」
ネネ「ありがとう・・・ございます・・・」
ネネ「一緒に・・・戦ってください・・・」

〇荒地
ネネ「魔王城の近くはいつも雷雨」
ネネ「噂は本当だったんですね」
魔物(変態紳士)「ネコミミィ!!」
ネネ「!?」
魔物(変態紳士)「おっふ・・・」
ネネ「あ、ありがとうございます」
ネネ「そうですね、油断せずに行きましょう」

〇闇の要塞
ネネ「ここが、魔王城」
ネネ「入りましょう」

〇魔王城の部屋
ネネ「あなたは!?」
吟遊詩人「忠告はしたぞ?」
吟遊詩人「死を覚悟しろと」
ネネ「あの時の魔族!」
魔王「魔に近づいた人の末路は一つ」
魔王「死だ」
魔王「雷よ!」
ネネ「きゃあ!?」
魔王「おっと危ない」
魔王「炎よ!」
ネネ「大丈夫ですか!?」
ネネ「よくも!!」
魔王「お相手しよう」
ネネ「つ、強い・・・!!」
魔王「百年も生きれぬ人ごときが」
魔王「魔に敵う道理はなかろう」
ネネ「きゃああ・・・!?」
魔王「あっけないものだ」
魔王「残るはお前ひとり」
魔王「死ね」
魔王「・・・ん?」
魔王「風の魔法で・・・余が炎を・・・!?」
魔王「貴様一体・・・!!」
魔王「があぁああぁぁ!?」
魔王「その剣・・・その技・・・」
魔王「まさか貴様・・・!!」
魔王「勇者・・・!!」
魔王「がぁああ!?」
魔王「・・・」
魔王(第二形態)「誇レ」
魔王(第二形態)「人ガ」
魔王(第二形態)「余ガ最強ノ一撃ヲ」
魔王(第二形態)「ソノ身ニ浴ビレルノダカラ」
魔王(第二形態)「馬鹿ナ・・・」
魔王(第二形態)「剣ヲ振ッタダケデ・・・余ガ一撃ヲ・・・」
魔王(第二形態)「コレガ・・・」
魔王(第二形態)「勇者・・・」

〇荒地
ネネ「う・・・ううん・・・」
ネネ「はっ!?私、気を失って!?」
ネネ「あれ?外?魔王は??」
ネネ「・・・なんで私、おんぶされてるんですか!?」
ネネ「???」
ネネ「え!?魔王を倒した!?」
ネネ「う、嘘・・・!?だって、あんなに強くって・・・!!」
ネネ「・・・」
ネネ「耳も尻尾も・・・ない・・・」
ネネ「・・・」
ネネ「本当に・・・一人で魔王を倒したのですね・・・」
ネネ「ありがとう・・・ございます・・・」
ネネ「私は・・・人間に戻れました・・・」
ネネ「・・・そうですね」
ネネ「私が人間に戻った以上、この旅は終わりですね」
ネネ「今まで、ありがとうございました」

〇中世の街並み

〇ビルの裏
ネネ「にゃーん」
ネネ「・・・」
ネネ「何ですかその目」
ネネ「家には帰ったんですけど」
ネネ「家出しちゃいました」
ネネ「呪いが解けたら掌返しする家族に、未練なんてありません」
ネネ「それよりも、私はあなたといたい」
ネネ「一緒に旅をしたい」
ネネ「駄目・・・でしょうか?」

コメント

  • ストーリーが進むにつれてネネちゃんの絵がどんどん可愛くなっていってるような錯覚が…。心の動きが読者に伝わるような表現が上手なんだと思います。最後までネコ好きにも美少女好きにもたまらない展開でしたね。

  • ネネちゃんしか基本喋らないため字数の大半がネネちゃんに割かれてて密度がすごかったです……!二人で旅してる感があって良かったです

  • 日常パートのゆるさと効果音、bgmが良くマッチしてて、良い

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