愛×憎=シンデレラ

はるたみあお

目覚めの時(脚本)

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はるたみあお

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〇綺麗なダイニング
母「・・・・・・」
私?「・・・・・・」
母「・・・少しは落ち着いた?」
私?「・・・・・・」
「・・・・・・わた、 ・・・・・・あの、」
母「なに?」
私?「い、良いよ、お母さん先に言って」
母「そう?じゃあ、言うわね・・・・・・」
母「・・・・・・あなたは病気なの」
私?「えっ?」
母「心の病気になって、お仕事お休みしてるの、記憶にない?」
私?「・・・・・・」
母「・・・強いお薬飲んでるから夢と現実の区別がつかなくなってしまうのね」
母「最近はお薬も効いて安定してきたと思っていたけど・・・・・・」
母「調子が悪い日もあるわよね」
私?(そ、そんな・・・あれは全て夢・・・・・・?)

〇書斎
  扉を閉めた途端、私は大急ぎで机の上を探す。散乱した物の中に、自分の名前が書かれた薬袋を見つけることが出来た。
  [薬を安心してお飲みいただくために]
  次のような症状が現れる場合があります。
  ・眠気
  ・ふらつき
  ・体重増加・・・・・・
  ベッドにうつ伏せで倒れ込むと、ぎしっと軋む音が響くも気にすることなく枕に顔を押し付ける。
私?(・・・・・・うわ、うわうわうわ、)
私?(・・・よ、良かった〜・・・フリージア(転生)の話なんてしたら、ますますおかしいって思われるところだった)
  脚をばたつかせ、羞恥心を紛らわせようと試みた。しかし、肉がついた脚は重く、たったそれだけの動きで息が上がる。
私?(っはー・・・はー・・・・・・し、死ぬ・・・)
私?(・・・つ、疲れた・・・・・・ちょっと休憩・・・)

〇立派な洋館
フリージア「マルベリー卿!」
  フリージアの呼ぶ声が聞こえないかのように男の背中は遠ざかって行く。
フリージア「マルベリー卿、マルベリー卿!」
エドワード「・・・・・・」
  無我夢中で追いかけるも、フリージアはドレス。となれば、必然的に生まれる歩幅の差で距離が空いていく。
フリージア「どうして離れて行くのですか?なぜ答えてくださらないのですか?」
  半ば叫びに近いフリージアの問いに、男はぴたりと足を止め振り返り、逆に距離を詰めてくる。
エドワード「・・・・・・何処かでお会いしましたか?」
フリージア「・・・っ私、私です、フリージアです」
フリージア「あなたの許嫁のフリージアです!」
エドワード「・・・誰かとお間違えでは?」
エドワード「失礼ですが、聞いていたフリージア嬢と全く違うようですが」
フリージア「えっ?」
  男の視線がフリージアの頭頂から足元へと滑る。
エドワード「ほら、やっぱり違う」

〇黒
私?「うわあああ!」

〇事務所
  うわあああああ──!
上司「──くん!?」

〇事務所
上司「・・・なるほど、就業中に夢を見ていたと」
上司「しっかりしてくれないと困るよ。君が倒れたら私の書類は誰が作るのかね!私が困るじゃないか!」
上司「・・・そう、分かったならいい。早く私の書類に取り掛かってくれたまえ、なる早でね!」
同僚「やーだ、何あれ?」
同僚「ついに発狂しちゃったんじゃない?」
同僚「変に色気づいちゃって・・・豚は豚でしょ」
「あはははは」

〇書斎
私?「うわあああああ!」

〇部屋の前
  ああああああああ
  ドダドダドダ──

〇一階の廊下
  ああああああああ──!
  ドダドダドダ──

〇綺麗なダイニング
私「お母さん!」
母「どうしたの?」
私「・・・お母さん、私、」
私「婚活する!!」

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