ハートフル銭湯コメディ作品(脚本)
〇渋谷駅前
ここは東京──
〇昔ながらの銭湯
──の銭湯
〇昔ながらの銭湯
多田野 一郎「いらっしゃいませ。大人2名に子供1名ですね」
僕は多田野 一郎
銭湯「ゆーとぴあ」のバイトだ
ハカセ「大人1名じゃ」
ハイちゃん(JK)「高校生2人、お願いします」
時折、若い子が来ることもある
幼女「女湯はどっちですか?」
多田野 一郎「女湯は赤の暖簾だよ」
メリナ「お姉さんと一緒に行こうか?」
メリナさんは、同じシフトに入るバイトの子だ
多田野 一郎「さて、そろそろボイラー室を見ておこう」
〇地球
〇昔ながらの銭湯
〇闇の要塞
一方、異世界
魔王の塔、頂上
〇魔界
勇者エギル「今日こそ、お前を倒す! 魔王! いざ!」
「うああ!!」
魔王「毎度毎度、成長しないな、勇者よ」
魔王「貴様らに、魔王の塔をクリアすることは不可能!」
魔王「最期に言い残したいことはあるか?」
勇者エギル「くっ!!」
勇者エギル「我々は、負けない。 この身体が滅びようと」
勇者エギル「何度も復活し、そして必ずお前を倒す!」
魔王「それが最期の言葉か?」
魔王「では、死ね!」
魔王「な! なんだ?」
〇魔界
〇銭湯の脱衣所
多田野 一郎「痛てて、すごい揺れたな・・・」
多田野 一郎「お客さんは大丈夫だろうか」
メリナ「一郎さん! 大変です!」
〇魔界
多田野 一郎「ここは? 一体どこなんだ?」
メリナ「誰かいるかもしれません。探してきます!」
多田野 一郎「この景色、ゲームの魔王の住む塔に似ている」
多田野 一郎「もしかして異世界に来たのか?」
多田野 一郎「って、そんなはず」
魔王「う、うう・・・」
多田野 一郎「わああ! 人!! ツノ生えてる人ー!!」
魔王「・・・」
〇銭湯の脱衣所
多田野 一郎「とりあえず運んでしまったけれど・・・」
多田野 一郎「コスプレイヤーだよな?」
ハカセ「怪我人かね?」
多田野 一郎「あ、はい。外で倒れていたので」
ハカセ「ワシは医者じゃ。どれ診てやろう」
ハカセ「ぬぅああ! なんと!! 心臓の音が二つある!」
多田野 一郎「ええ!?」
ハカセ「間違えた。猫の心臓の音じゃった」
多田野 一郎「はい?」
ハカセ「生きとる。ただの脳震盪のようじゃ」
多田野 一郎「っほ。良かったぁ」
「んんっ・・・」
魔王「ぬ! なんだ! 貴様ら!」
多田野 一郎「外で、倒れていらっしゃったので お身体大丈夫ですか?」
魔王「もしや・・・私は貴様に倒されたのか?」
多田野 一郎「いえ、あなたが倒れてて」
魔王「こんな雑魚顔に倒されるとは!」
ハカセ「にゅはは! 雑魚顔とな!」
魔王「仕方がない。 潔く負けを認め、この塔を貴様に譲ろう」
多田野 一郎「譲るって?」
???「きゃあああ!!」
多田野 一郎「どうしたんだ?」
「湯船に浸かったら、耳と尻尾が生えた!!」
多田野 一郎「ええ!!」
ハカセ「獣人化する湯とな! 興味深いゾ!!」
???「きゃあああ!!」
多田野 一郎「今度は何?」
メリナ「大変です!」
〇魔界
勇者エギル「貴様ら。 魔王の手下であるな?」
「今すぐ魔王を引き渡せ!」
多田野 一郎(魔王って、コスプレの子かな?)
多田野 一郎「どちら様か存じ上げますが、そんなに殺気立たなくて」
多田野 一郎「もああー!!」
勇者エギル「渡さぬのなら、その首を掻っ切るまで!」
勇者エギル「魔王を倒すために、この塔を死に物狂いで登ってきた!」
勇者エギル「たとえ、この命と引き換えにしてでも、倒さねばならぬ!」
多田野 一郎(うわー。すごい役に入り込んでる人だ!)
多田野 一郎「でしたら、穏便な方法で対決しては、いかがですか?」
〇サウナ
勇者エギル「ここが決闘場だと?」
多田野 一郎「私の国ではサウナと呼ばれています」
多田野 一郎「この中に入り、一番最後まで残った者を勝者とします」
勇者エギル「最後まで残ればいいのだな。 了承した。受けよう」
魔王「主が言うのなら、従おう」
多田野 一郎「安全のために。 メリナさん、待機お願いします」
メリナ「よくわからないけど、わかったわ!」
メリナ「よーいスタート!」
〇魔界
一方、勇者パーティ──
魔法使いエムル「勇者様、大丈夫かしら?」
戦士ミゲル「案ずるな。きっと勝利して戻ってくる」
魔法使いエムル「でも、心配だわ! 城の中に入ってみましょう」
戦士ミゲル「エムル! 待ってくれー!」
〇銭湯の脱衣所
魔法使いエムル「まあ。魔王の塔の中に、こんな場所が?」
幼女「お姉ちゃんの尻尾、もふもふしていい?」
ハイちゃん(JK・猫耳)「いいわよ♪」
黒ちゃん(JK・猫耳)「私も触らせてー」
「もふもふーん♡」
戦士ミゲル「獣人の子供もいるぞ!」
「ここが、魔王の・・・城?」
〇サウナ
勇者エギル(暑い。なんて異常な暑さなんだ!)
勇者エギル(そうか!!︎)
勇者エギル(決闘場内に、身体中の水分を蒸発させる魔法がかかっているのだな!)
勇者エギル(さすが、魔王の塔の決闘場! だが、負けるわけには・・・)
「ぐぬぬ!」
「もう、限界・・・だ!」
〇浴場
「ふいー」
メリナ「2人同時でしたね!」
メリナ「勝負は引き分けです!」
メリナ「もう喧嘩しないように!」
勇者エギル「くそ!!」
魔王「なかなかいい勝負だった」
勇者エギル「魔王!?」
魔王「この塔は一郎に託した」
魔王「私はもうお前達の脅威ではない」
勇者エギル「ま、魔王、あの」
勇者エギル「また、来てもいいか?」
魔王「ふんっ。好きにしろ」
〇銭湯の脱衣所
多田野 一郎「風呂上がりにどうぞ!」
「うまー!」
〇銭湯の脱衣所
勇者エギル「では、一郎殿。また会おう」
多田野 一郎「いつでも風呂に入りに来てくださいね!」
多田野 一郎「魔王さんも家に帰られるんですか?」
魔王「残念ながら、我が城は先刻、倒壊した」
多田野 一郎「そうだった! 銭湯ごと異世界に落っこちてきたせいですね」
魔王「どうやら魔王族の生き残りは、私だけのようだ」
多田野 一郎「魔王さん・・・」
多田野 一郎「あのっ」
多田野 一郎「僕らと一緒にここに住みませんか」
魔王「主と?」
多田野 一郎「そもそも城が壊れたのは僕らのせいですし」
多田野 一郎「ここが新しい魔王の我が家ってことで」
魔王「あ、り・・・が、とう」
多田野 一郎「早速メリナさんにも話してきますね!」
ロキ「ごめんくださーい!」
魔王「ネロ! ロキ! デアン!」
「姉様ー!!」
〇黒
〇魔界
ここは異世界
魔王の塔の頂上にある銭湯──
〇銭湯の脱衣所
魔王「来たか。何名だ?」
アサシン「ボッチだ! リアシネ!」
魔王「凶器の持ち込みは禁止だ」
戦士「2名だ」
魔王「壁に「戦士参上」などと落書きをするな」
魔王「おい天使。貴様は男湯だ」
天使「っち!」
魔王「水風呂で泳ぐのは禁止だ。 次見つけたらシーフードサラダにしてやる」
湖畔の女王「うえーい♪」
勇者エギル「魔王、来てやったぞ! サウナで勝負だ!」
魔王「ふふふ、サウナ勝負だと?」
多田野 一郎「サウナの勝負は危険なので禁止にしました!」
魔王「だ、そうだ」
勇者エギル「仕方がない。整うだけにしてやる!!」
多田野 一郎「魔王さん、番台も板についてきましたね。 今日はボイラー室の作業やってみます?」
魔王「おお! 火の悪魔に逢えるのか! 早く連れて行け」
ハカセ「火の悪魔とな! 興味深いゾ!」
〇魔界
異世界の銭湯、本日も大盛況? です。
メリナ「おしまい」
平和な銭湯いいなあ、どうなるのだろうと思っていたら、まさかの異世界転移!!サウナ対決になるなんて思わなくて、楽しく読ませていただきました!可愛い子いっぱいで眼福です。
美少女だらけで、眼福です!
これだけ美少女が集まると華やかでいいですね✨
楽しく読ませていただきました😊
ケモ耳化の湯…これは調べがいがありそうですね…😂
使いたい美少女多すぎて選べない問題、ものすっごい分かります…画面が賑やかで、見てるこちらもほっこりしました☺️