メガロポリス流星群

戸羽らい

メガロポリス流星群(脚本)

メガロポリス流星群

戸羽らい

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〇ライブハウスの控室
メガロポリスまゆ美「そろそろうちらの番やな」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「緊張するなぁ」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「ネタ、ちゃんと覚えとるか?」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「・・・」
メガロポリスまゆ美「さっきから「うん」しか言わへんけど 大丈夫か?」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「大丈夫ならええけど・・・」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「・・・! うちらの番や!行くで!」
ハリー「うん」

〇ホールの舞台袖
メガロポリスまゆ美「ゴクリ・・・」
メガロポリスまゆ美「この日に全てがかかっとる」
メガロポリスまゆ美「行くで・・・!」
ハリー「うん」

〇コンサート会場
メガロポリスまゆ美「ど〜も〜メガロポリスです〜」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「メガロポリス・・・ やっぱいつ聞いてもええ響きやなぁ」
メガロポリスまゆ美「自分で言うのもなんやけど メガロポリスってネーミング 最高にイカしてるよなぁ?」
メガロポリスまゆ美「君、分かる?このセンス」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「だってメガロなポリスやろ 逮捕しちゃうぞ! なんつってな、はは・・・」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「・・・」
メガロポリスまゆ美「おい!そこは 「言葉の意味分かってます?」 ってツッコむとこやぞ!」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「・・・うんってなんやねん!」
メガロポリスまゆ美「ぜ、全肯定されると逆に恥ずかしいわ!」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「め、メガッ・・・」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「・・・」
メガロポリスまゆ美「何でやろ 何で「うん」しか言わへんのやろ」
メガロポリスまゆ美「何か変なもんでも食ったん?」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「あかんで 落ちてるもの勝手に食ったら」
メガロポリスまゆ美「お腹壊すから・・・」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「・・・どないすんのこれ?」
メガロポリスまゆ美「お客さん、鳩が豆鉄砲食らったような顔しとるけど」
メガロポリスまゆ美「このままうちが一人で喋ればええの?」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「・・・」
メガロポリスまゆ美「・・・もうええわ」
ハリー「・・・」

〇ホールの舞台袖
ゴリ松「痛ッ!」
メガロポリスまゆ美「邪魔」
ゴリ松「なんだぁ」

〇雑居ビルの一室
  うちがこの日にどれだけ賭けとるか
  知らへんとは言わせへんで
  知っとった上で、ふざけとんやろ
  全部台無しにするつもりなんやろ
  結局・・・
  お前もうちのことを馬鹿にしとったんやな
  うちに付き合うふりをして
  ずっと心の中で笑っとったんやな
  あいつらと一緒で・・・

〇教室
女子生徒「ねぇ、何で宇宙人が学校来てるの?」
女子生徒「ここは人間様の来るところなんだけど」
女子生徒「男子も何でこんなやつ好きなのかね」
女子生徒「ほら、男って頭の弱い女の子が好きだから」

〇屋上の入口
女子生徒「てかさー、関西弁も鼻につくんだよね」
女子生徒「人間に擬態すんのも程々にしてくんない?」
女子生徒「宇宙人は宇宙人らしく・・・」
女子生徒「宇宙と交信しないと♪」

〇高い屋上
「ほらー、もっと本気で踊らないと!」
「仲間が助けに来てくれないよー!」
「やばっ!見た?今の顔」
「お前、芸人のセンスあるよ」
「きゃははっ!」

〇雑居ビルの一室
  せや・・・うちはみんなの笑い者
  笑わせることなんてでけへん
  笑われることしか・・・
「それでいいじゃねえか」
  !?
ゴリ松「笑われるのも才能だぜ」
ゴリ松「誰でも道化になれるわけじゃねえ」
ゴリ松「芸人っつうのはな、目立ってなんぼだ」
ゴリ松「馬鹿にされようが、笑われようが 目立ちさえすりゃこっちのもんだ」
  でも・・・
ゴリ松「何があったか知らねえが」
ゴリ松「最後に爪痕残したやつの勝ちだぞ」
  ・・・
ゴリ松「とっととステージ戻れ」
ゴリ松「相方が待ってんぞ」
  うちは・・・

〇ファミリーレストランの店内

〇ホールの舞台袖

〇コンサート会場
ハリー「・・・」
メガロポリスまゆ美「ごめん、待った?」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「ちょっと急に漏れそうになってな」
メガロポリスまゆ美「あわててトイレ駆け込んだわ」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「こ、やないで!」
メガロポリスまゆ美「小さい方や!」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「こ、やない言うとるやろ! しっこや!しっこ!」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「しっこや言うとるやろ」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「しっこと言えば、何でしっこって 黄色かったり透明だったりするんやろな」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「運なん!? 運で決まるんアレ!?」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「運かぁ・・・」
メガロポリスまゆ美「でも案外、この世の事象は全て運で決まるのかもな」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「神はサイコロを振らないとは言うけど」
メガロポリスまゆ美「結果を見るまで確率は収束しない」
メガロポリスまゆ美「黄色か透明かは、出してみないと分からない」
メガロポリスまゆ美「シュレディンガーのしっこやな」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「うん・・・めいのいたずらか」
メガロポリスまゆ美「この世の中、何が起こるか分からへんもんな」
メガロポリスまゆ美「もしかしたら、うちらが優勝しちゃったり」
ハリー「・・・」
メガロポリスまゆ美「・・・」
ハリー「・・・」
メガロポリスまゆ美「そこは「うん」やろ!肯定せい!」
メガロポリスまゆ美「もうええわ!ありがとうございました!」

〇ライブハウスの控室
メガロポリスまゆ美「終わった・・・」
メガロポリスまゆ美「うちらの夏は終わったんや」
ハリー「うん」
メガロポリスまゆ美「「うん」やないわ」
ハリー「はい」
メガロポリスまゆ美「言い方の問題ちゃうねん」
メガロポリスまゆ美「てか「うん」以外も言えるやん」
ハリー「“右側”ですからね」
メガロポリスまゆ美「は?」
ハリー「私、画面の左側にいると緊張して喋れないんです」
メガロポリスまゆ美「画面?」
ハリー「ステージに上がる前、急に熱い視線を感じまして・・・」
メガロポリスまゆ美「何のボケや・・・いい加減にしろ」
ハリー「まゆしぃはこれを漫才のコンテストだと思ってます?」
メガロポリスまゆ美「まゆしぃなんて初めて呼ばれたな」
メガロポリスまゆ美「漫才のコンテストやないの? うち、この日のために頑張ってきたんやけど」
ハリー「このコンテストは・・・ズバリ」
ハリー「美少女コンテストです!」
メガロポリスまゆ美「び・・・美少女コンテスト」
ハリー「まゆしぃにお笑いのセンスはありません しかしタレントの素質はある」
メガロポリスまゆ美「さらっと夢を否定された・・・」
メガロポリスまゆ美「うち、芸人になりたいんやけど・・・」
ハリー「芸人とはエンターテイナー 何もお笑いに拘る必要ありません」
  予選通過者を発表します
ハリー「一目見た時から貴方に才能を感じてました」
  ──さん ──さん
ハリー「業界をひっくり返すほどの、強烈な才能を」
  ──さん ──さん
メガロポリスまゆ美「じゃあ何だったん」
メガロポリスまゆ美「うちらお笑いコンビじゃなかったん」
  メガロポリスまゆ美さん
メガロポリスまゆ美「・・・」
ハリー「予選通過ですね 今すぐステージに戻ってください」
メガロポリスまゆ美「分からんわ うち、ハリーが何考えとるか・・・」
ハリー「・・・」
ゴリ松「あの子、あの状況で場を回すなんて大したもんだわ」
ハリー「芸人の真価はネタよりもフリートークで問われる」
ゴリ松「“左側”は緊張するんじゃなかったか?」
ハリー「ははっそうでした」
ゴリ松「「うん」しか言わなかったのも、あの子を目立たせるためか」
ハリー「まゆしぃは一番星なんです」
ハリー「誰よりも輝いてなくちゃいけない」

〇コンサート会場
  そう、誰よりも──
  ──ね

〇ライブハウスの控室
ハリー「まゆしぃの前ではどんな美少女も 霞みゆくミクロポリスのよう」
ハリー「まゆしぃだけが・・・ 夜に煌めく本物のメガロポリスなんです」
ゴリ松「意味分かって使ってる?」

コメント

  • うん。すごく面白かったです。メガロポリスまゆ美の名前がまずツボでしたし、ゴリ松がどういう存在なのか最後までわからないけど良い奴な所に笑いました😊 うん✨

  • うん、正月早々凄いものを見た。うん。
    あとキャラ紹介が至高。うん。

  • あ、美少女コンテストだった。優勝は誰に。多くの中からどのキャラを選ぶかで、好みが分かると言われると、ちょっと恥ずかしいんですよね(なんの話?)

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