魔王の娘:アスモ(脚本)
〇教室
アスモ「おっはよーう、皆の者!」
雪「おはよ、アスちゃん」
男子生徒1「今日も元気だねえ」
アスモ「ん?」
アスモ「余はいつでも元気満杯じゃ!」
アスモ「ひゃっ!?」
高橋玲「おはよ、アスモさん」
アスモ「お、おはよう・・・」
アスモ「高橋、君・・・」
高橋玲「先生が、職員室に来いってさ」
高橋玲「アスモさんが来たら伝えてくれって頼まれたんだ」
アスモ「あ、ありがとう・・・」
アスモ「行ってくるね!」
高橋玲「・・・俺、もしかしてアスモさんに嫌われてる?」
雪「うーん、逆じゃないかな」
高橋玲「・・・?」
〇散らかった職員室
アスモ「こ、こんにちは、先生・・・」
教師「はい、こんにちは」
教師「朝からごめんね」
教師「でも、なんで呼ばれたかはわかるわよねえ?」
アスモ「さ、さあ・・・」
教師「宿題よ、しゅ、く、だ、い!」
アスモ「ひええ!」
教師「あのね、人間界と魔界じゃ勝手が違うのか知らないけどね」
教師「人間界の学校に通うなら、ちゃんとやることはやりなさい」
教師「わかった?」
アスモ「はい・・・」
教師「分かったなら行ってよし!」
教師「これからはちゃんとするのよ」
アスモ「頑張ります・・・」
〇教室
アスモ「ふええ・・・」
雪「お帰り、何だったの?」
アスモ「たっぷり叱られたのじゃ・・・」
アスモ「あれ、高橋君は?」
雪「向こうで他の人と話してるけど・・・」
アスモ「そ、そうか」
雪「あのさ、アスちゃん」
アスモ「何じゃ?」
雪「告白、しちゃったら?」
アスモ「なな!?」
アスモ「よ、余はそんなつもりは・・・」
雪「魔族とのハーフのアスちゃんとは違って、」
雪「私たち人間の時間は短いよ?」
雪「大丈夫、アスちゃんならいけるって!」
アスモ「う、うむ・・・」
アスモ「・・・わかった」
アスモ「余、頑張ってみる」
〇田舎の学校
一週間後
アスモ「きゅ、急に呼び出してすまんのじゃ、高橋君」
高橋玲「別に構わないよ」
高橋玲「それで、話って?」
アスモ「あ、あの・・・」
アスモ(落ち着くのじゃ)
アスモ(余は魔王の娘、これしきの試練・・・)
高橋玲「・・・?」
アスモ「高橋君!」
高橋玲「は、はい!」
アスモ「こんな余でよければ」
アスモ「どうか、余とお付き合いを・・・」
高橋玲「うわああ!」
アスモ「何じゃ!?」
高橋玲「アスモさん」
高橋玲「あ、あれ・・・」
〇空
〇空
サタン「ふっふっふっ・・・」
〇田舎の学校
高橋玲「だ、だれ?」
サタン「アスモ・・・」
サタン「魔界に戻るのじゃ・・・」
高橋玲「アスモさん、知り合い?」
アスモ「くそ・・・」
高橋玲「え?」
アスモ「こんのクソ親父!!」
高橋玲「えええ!?」
サタン「アスモ・・・」
サタン「父親に向かってそんな言葉を吐くとは何事じゃ!」
サタン「人間界にいるうちに口が悪くなりおって・・・」
アスモ「うるさい!」
高橋玲「アスモさん!?」
高橋玲「何それ!?」
アスモ「これでもくらえ馬鹿親父!」
サタン「さすがは儂の娘・・・」
サタン「アスモ、お前には魔王の血が流れている」
サタン「人間界に留めておくのはもったいない」
サタン「強い魔族と結婚することで、血統を保つのじゃ」
アスモ「うるさい!」
サタン「なっ!?」
アスモ「お父さんだって、人間のお母さんと結婚したくせに!」
サタン「あ、あれは・・・」
アスモ「私が男の人と一緒にいるのが気に食わないだけでしょ!」
サタン「こ、この・・・」
サタン「反抗期が!」
サタン「こうなったら、力ずくにでも魔界に連れて帰るぞ!」
アスモ「きゃあ!」
サタン「アスモ、お前ではまだ儂に敵わん」
サタン「このまま人間界に留まれば、力を失っていくだけだ」
サタン「大人しく魔界に帰ってこい」
アスモ「・・・やだ!」
サタン「そうか・・・」
サタン「それなら、仕方ない」
アスモ「なんの、こっちこそ!」
高橋玲「ちょっと!」
アスモ「高橋君!?」
アスモ「危ないから離れてて!」
高橋玲「アスモさん、大丈夫」
高橋玲「あなた、魔王だかなんだか知りませんけどね!」
高橋玲「自分の娘に手をあげるような父親は、良い父親とは言えないんじゃないですか?」
アスモ「高橋君・・・」
アスモ「余は、平気だから・・・」
高橋玲「アスモさんは人間界でも楽しくやっているんです!」
高橋玲「いつも明るくて、クラスのみんなから好かれているし」
高橋玲「たまに宿題は忘れるけど、勉強だって頑張っているんです!」
高橋玲「あなたも父親なら、自分の娘のことを信じてあげたらどうですか?」
アスモ「高橋君・・・」
アスモ(お父さんはきっと、私のことを心配してくれているんだ)
アスモ(私は、それに応えなきゃ)
アスモ「・・・お父さん!」
アスモ「心配してくれてありがとう!」
アスモ「でも、私は大丈夫!」
アスモ「クラスの皆とも仲良くしてるし、」
アスモ「・・・好きな人も出来たの!」
アスモ「私は、人間界でもちゃんとやってくから、」
アスモ「お父さんは魔界から見守ってて!」
サタン「・・・・・・」
サタン「う・・・」
サタン「ううう・・・」
アスモ「え!?」
サタン「アスモが心配だったんだよおおお」
サタン「急に一人で人間界の学校に通うって言いだして・・・」
サタン「もう魔界には戻ってこないんじゃないかって・・・」
アスモ「ちょ、ちょっと・・・」
???「アスモ~」
アスモ「この声・・・」
アスモ「お母さん!?」
アスモの母「久しぶり~」
アスモの母「ごめんねー」
アスモの母「お父さんは、アスモを他の男に取られるのが嫌で駄々こねてるだけだから」
サタン「うう・・・」
アスモ「お母さん、私・・・」
アスモの母「お父さんが言ったことは気にしないで」
アスモの母「お母さんはアスモのこと、応援してるからね」
アスモの母「ほら、帰るよ」
サタン「うん・・・」
アスモの母「あ、それと、高橋君だっけ?」
高橋玲「は、はい・・・」
アスモの母「アスモと仲良くしてくれてるみたいね」
アスモ「ちょっと、お母さん!」
アスモの母「余計なことは言わないわよ」
アスモの母「これからも、アスモによくしてやってね」
高橋玲「わかりました」
高橋玲「任せてください」
アスモの母「ふふっ、良い子ね」
アスモの母「じゃ、そろそろ行くから」
〇空
アスモの母「じゃーね、アスモ」
サタン「アスモ・・・」
アスモの母「たまには、こっちにも顔出してね」
アスモの母「いつでも待ってるから」
アスモ「・・・うん!」
〇田舎の学校
高橋玲「帰っていった、のかな」
アスモ「あの、高橋君」
アスモ「びっくりしたよね、ごめんね」
アスモ「こんな私、怖いよね・・・」
高橋玲「・・・アスモさん」
高橋玲「俺は・・・」
???「アスモー!!」
アスモ「雪、先生、みんな・・・」
女子生徒1「アスモさん、大丈夫?」
男子生徒2「どうなることかと思ったよ」
男子生徒1「でも、あのビームやばかったな!」
雪「もう、心配したんだからね・・・」
アスモ「ご、ごめん・・・」
高橋玲「アスモさん」
高橋玲「怖くなんかないよ」
高橋玲「みんな、アスモさんのことが好きで、大切に思ってるから」
アスモ「・・・・・・」
高橋玲「・・・さっきの返事だけどさ」
アスモ「待って!」
アスモ「・・・もう一回、ちゃんと言わせて」
〇田舎の学校
アスモ「・・・高橋君」
アスモ「魔王の娘で、」
アスモ「人間界にも不慣れな私だけど」
アスモ「・・・そんな私でもよければ」
アスモ「私と、付き合ってくれますか?」
アスモとパパのダブルヒロイン、どっちも可愛かったです😍
最後の告白シーンは画面のこっち側に向かって言ってもいる様で、可愛いさ倍増ですね☺️
しょぼくれパパがいい味出してますね😆
アスモの表情がコロコロかわって可愛い✨
面白かったです!
魔王の娘アスモちゃんの王道なストーリー…!このキャラクターにやって欲しいことが詰め込まれていました…!ほのぼのとしていて、とても安心する作品でした…!(アスモちゃんの日常生活も見てみたいです…w)