トシ先生の次回作にご期待ください!5

シュウ

青春セレクション〜KIZUNA〜(脚本)

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〇野球のグラウンド
トシ「──てなワケで、マンガ描いたから 読んでくれ!」
ナツ「支離滅裂」
ナツ「モノローグで回想挟んだ? 何がなんだかわからないんだけど・・・」
トシ「今回はジュヴナイルマンガだ!」
ナツ「『ジュヴナイル』?」
トシ「青春マンガみたいな感じ!」
ナツ「青春、ね・・・」

〇空
ソウタ「オレは小此木奏多(おこのぎそうた)! 吹奏楽部の中学2年生!」
ソウタ「ひょんなことから人間社会に潜入する ことになったけど、その正体は地球侵略を 目論む宇宙人!」
ソウタ「今日も1人、食べてやるぞぉ〜☆」
  青春セレクション〜KIZUNA〜

〇野球のグラウンド
ナツ「セイシュン・・・?」
トシ「ジュヴナイルSFってやつ! 今流行りの!」
ナツ「テキトー言ってない?」
トシ「言ってないもん!」
ナツ「お〜、ごめんよ〜!」

〇学校の屋上
ケンスケ「『タイムマシン』?」
ソウタ「あぁ、そうさ! これで宇宙人が 生まれる前の世界に戻ろう!」
ソウタ「そして、宇宙船を撃ち落とすのさ!」
ソウタ「これをあげるよ」
ケンスケ「これは・・・?」
ソウタ「バズーカ」
ケンスケ「・・・よし、やってやるぞ!」
ケンスケ「ボクが世界を守るんだ!」

〇野球のグラウンド
ナツ「セカイ系?」
トシ「SFだぞ?」
ナツ「ソウタはなんで宇宙人やっつけようと してるの? 同族だよね?」
トシ「ヒロインに惚れたから」
トシ「愛は世界を変えるのさ」
ナツ「都合のいい展開だなぁ」

〇通学路
ケンスケ「ここは・・・10年前!?」
ケンスケ「あ、あれは・・・!」
ケンスケ「ヒロコちゃん! わ、若い・・・!」
ケンスケ「・・・ごくり」

〇野球のグラウンド
ナツ「ヒロコちゃん、同い年じゃなかったの?」
トシ「近所に住むOL」
ナツ「危険な匂いが・・・」
トシ「すまない。 ナツ好みの展開はないんだ」
ナツ「謝らないでくれる?」

〇山の展望台(鍵無し)
ケンスケ「ヒロコちゃん!」
ヒロコ「きゃああああああ!!」
ケンスケ「ソウタ! どういうつもりだ! ヒロコちゃんを放せ!」
ソウタ【真の姿】「ウォォォオオオオオオ!! ヒロコチャン、カワイイ!! タベチャイタイクライィィィ!!」
ケンスケ「くっ・・・! ヒロコちゃんは・・・ ボクが食べるんだぁぁぁあああ!!」

〇野球のグラウンド
ナツ「ケンスケも宇宙人だったの?」
トシ「目的は同じ。 だけど、方向性は違う」
トシ「・・・悲しいな」
ナツ「ヒロコちゃんを思いやれぇ!」

〇山の展望台(鍵無し)
ソウタ【真の姿】「コノムスメヲサシダスナラ、 ワレワレハ、コノホシカラタチサロウ」
ソウタ【真の姿】「サァエラベ。 コノムスメトチキュウ、ドチラヲエラブ?」
ケンスケ「そ、そんなの・・・!」
ヒロコ「ケンスケくん、ワタシ・・・ 死にたくないよぉ・・・!」
ケンスケ「・・・・・・」
ケンスケ「大丈夫。ボクが必ずヒロコちゃんを 守るから」
ヒロコ「ケンスケくん・・・」
ソウタ【真の姿】「コウショウケツレツダナ」
ソウタ【真の姿】「オレハ・・・ワガシメイヲ、ハタス!」
ケンスケ「うぉぉぉおおおおおおッ!!」
ソウタ【真の姿】「グワァァァアアアアアアッ!!」
ケンスケ「やったか!?」
ソウタ「まだだ! まだオレは・・・!」
ケンスケ「どうしてそこまで・・・!?」
ソウタ「・・・・・・」
ヒロコ「ソウタくん、ほんとは・・・侵略なんて、 したくないんでしょ?」
ケンスケ「えっ・・・!?」
ソウタ「・・・関係ない。 オレはオレの使命を果たすまで」
ケンスケ「あえてボクを挑発して、 倒されようと・・・!?」
ケンスケ「あれは、宇宙船・・・!?」
ソウタ「潮時、か・・・」
ソウタ「・・・オレは負けた。 宇宙船を守る責務も果たせなくなった」
ソウタ「好きにするといい。 キミには選ぶ権利がある」
ソウタ「このまま宇宙船が着陸すれば、 ヒロコちゃんの身に危険が──」
ケンスケ「うぉぉぉおおおおおおッ!!」
ケンスケ「ぜぇ・・・ぜぇ・・・! やってやったぞ・・・!」
ソウタ「・・・あーあ。 未来変わっちゃった」

〇野球のグラウンド
トシ「人のハナシは最後までちゃんと聞こう」
ナツ「寓話だったの?」
トシ「おいおい、誰が現代のイソップだって?」
ナツ「うーん、ポジティブ!」

〇山の展望台(鍵無し)
ソウタ「・・・宇宙船を撃ち落としたことで、 未来が変わった」
ソウタ「オレはもう、この世界には いられない・・・」
ケンスケ「ソウタァ!」

〇野球のグラウンド
ナツ「ケンスケは消えないの? 同じ宇宙人なのに?」
トシ「ッ・・・!?」
トシ「・・・・・・」
トシ「・・・ケ、ケンスケは宇宙人のフリをした 人間なんだ」
ナツ「訊いてごめ~ん!」

〇山の展望台(鍵無し)
ソウタ「ヒロコちゃんを、頼む・・・」
ソウタ「あの子は、この世界の中核を担う 人間・・・」
ソウタ「いずれまた、狙われることになる・・・」
ケンスケ「そんな! ソウタがいなくなって、 どうやってヒロコちゃんを守れって 言うのさ!」
ケンスケ「ボクにはバズーカしかないのに・・・!」
ソウタ「大丈夫・・・キミは強い。 それに・・・優しい」
ソウタ「オレとこうして話ができたように、 誰がやってきても『対話』できる」
ソウタ「撃退しなくたって、道は見つかる はずだよ」
ケンスケ「ボクには・・・ムリだよ・・・!」
ソウタ「じゃあ、諦める?」
ケンスケ「・・・・・・」
ソウタ「キミは1人じゃない。 ヒロコちゃんも、ショウイチくんも、 クルオくんも、みんないる」
ソウタ「キミがヒロコちゃんを守りたいと言って くれた時、オレは・・・うれしかったよ? 悔しいくらいに・・・」
ケンスケ「・・・・・・」
ソウタ「じゃあね」
ケンスケ「ソウタァ!」
ケンスケ((ボクのマイベストフレンド・・・ 来世は、同じ種族で出会いたい))
ケンスケ((・・・いや、同じでなくてもいい。 またこうして、隣にいられれば・・・))
ケンスケ「ソウタ・・・」
ケンスケ「・・・・・・」

〇空
  ららら〜♪
  時は流れて〜 ボクは気付いた〜♪
  本当に大切なものは〜♪
  失って初めて気付くものさ〜♪
  ららら〜♪
  愛する者は〜 1人じゃなくて〜♪
  かけかえのない存在は〜♪
  ボクの両隣にあるのさ〜♪

〇山の展望台(鍵無し)
ケンスケ「・・・・・・」
ヒロコ「ケンスケくん・・・」
ケンスケ「ヒロコちゃん・・・」
ケンスケ「帰ろう、ボクらの未来へ──」
ヒロコ「・・・うん!」

〇空
  ららら〜♪
  時は流れて〜♪

〇野球のグラウンド
トシ「fin...」
ナツ「ヒロコちゃん連れ帰っちゃダメだろ」
トシ「いいんだよ。 ヒロコちゃんは世界の中核」
トシ「10歳も20歳も誤差に過ぎない」
ナツ「ムダに凝った設定!」
トシ「感動したかい?」
ナツ「全然。 させる気あった?」
トシ「え・・・?」
トシ「・・・・・・」
トシ「な、なかったぜ・・・?」
ナツ「傷つけてごめんな」
ナツ「・・・・・・」
ナツ「気ぃ遣わせちまったな。 ナカハラ先輩から聞いたんだろ?」
トシ「え・・・?」
ナツ「あの人、口軽いじゃん?」
トシ「確かに・・・」
ナツ「・・・・・・」
ナツ「オマエのマンガは十分、 息抜きになってるよ」
トシ「・・・そうか」
ナツ「これからも次回作を期待してるぜ? トシ先生」
トシ「任せとけ!」
トシ「次回は未来編! ヒロコちゃんが地球と融合して、 宇宙神と激闘を繰り広げる展開だぜ!」
ナツ「クソマンガ〜!」

〇学校の廊下
  1週間前
トシ「おーい、ナツ!」
ナツ「・・・・・・」
トシ「ナツ?」
ナツ「・・・ああ、トシか。 悪い、今日はもう帰るわ」
トシ「・・・・・・」

〇野球のグラウンド
トシ「ナカハラ先輩」
イサオ「おー、トシナリ! 久しぶりだな!」
イサオ「ついに入る気になったか?」
トシ「いえ、オレはマンガ家になります!」
イサオ「マンガ家ぁ? オマエが?」
イサオ「はっはっはっは!」
イサオ「オマエはいつも面白いこと考えるな。 尊敬するよ」
トシ「あざっす!」
トシ「・・・ナツ、何かあったんすか?」
イサオ「あー、アイツな。 部の方向性で悩んでるみたいでな」
トシ「次期部長候補なんすよね。 まだ1年なのにさすがナツっす」
トシ「アイツは昔からマジメだから、 オレも適役だと思います」
イサオ「そうなんだけど、2年と反りが 合わないみたいでな」
イサオ「ナツヒコは本気で甲子園目指してるけど 2年はラフというか、エンジョイ派でな」
イサオ「1年はどっちでもいいって感じで、 このままだとアイツ、辞めちまうかもな」
トシ「先輩はどちら派なんですか?」
イサオ「中学から変わんねぇよ。 オレはとことんやる派だ」
イサオ「だけど、ナツヒコの味方はできねぇ。 オレの意見を残す必要はねぇだろ?」
トシ「・・・そう、ですか」
イサオ「トシナリ、ナツヒコの隣に いてやってくれ」
イサオ「オマエといるとマジで楽しそうだからよ」
トシ「・・・それは、オレも同じですよ」
トシ「いつまでだって、隣にいます」
イサオ「いいね~、青春ってヤツ? 羨ましいよ」
トシ「なら、オレと青春してみます?」
イサオ「それはパス。 オレにも選ぶ権利はある」
トシ「トホホ~!」

コメント

  • ケンスケとソウタの物語はジュブナイルSFだけど、後半に語られた部活のあれこれはナツとトシの青春ジュブナイルストーリーとも言えますね。真面目なナツ にとっては、トシの作品にツッコミを入れてわちゃわちゃしている時間も貴重な息抜きの時間なのかもしれないなあ。

  • なんだかコメディなのかな?と感じるようなアニメですね笑
    自分の好きなアニメや漫画は友人らに薦めたくなる気持ちは私も痛いほどわかりますが…笑

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