殺She愛

ざとういち

兎と狸(脚本)

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〇非常階段
依頼者「精密な狙撃で数々の ターゲットを仕留めた殺し屋 通称『ラビット』 ・・・君に殺しを依頼したい」
依頼者「相手は君と同じ・・・ 凄腕の少女の殺し屋・・・ 通称は『ラクーン』」
依頼者「その反応・・・君も彼女を 知っているようだな 当然か・・・彼女は有名だ」
依頼者「難しいだろうが・・・ 頼むよ・・・」
ラビット「分かった・・・」
依頼者「こんな稼業だ・・・ 信頼関係は大事だからね」
依頼者「悪いけど、監視役は付けさせてもらうよ」
ラビット「監視役・・・」
依頼者「どうしたんだい? 何か問題でも?」
ラビット「な、なんでもない・・・! 監視役でもなんでも 好きにすればいい・・・!」

〇荒廃したデパ地下
ラクーン「はぁ・・・はぁ・・・!」
ラクーン「この精密な狙撃・・・ 『ラビット』しかいない・・・!」
ラクーン「なんとしてでも・・・ 生き延びないと・・・!」
ラクーン「何か使えそうな物は・・・」
ラクーン「消火器・・・! こ、これなら・・・!」
ラビット「消火剤で煙幕を・・・!」
  追わなくて良いんですか?
ラビット「わ、分かってる・・・! すぐに追う・・・!」

〇廃列車
ラクーン「撒いたかな・・・?」
ラクーン「や、やっぱ駄目か・・・!」
  逃げてばかりで良いのか?
  お前は『ラビット』暗殺を
  依頼されているんだぞ?
ラクーン「わ、分かってます・・・! 私だって必死でやってます!」
ラクーン「『ラビット』・・・! そっちが本気なら、こっちだって 全力で迎え撃つ・・・!」

〇地下室
ラビット「私の狙撃を全部避けるなんて・・・ やっぱり『ラクーン』は 只者じゃない・・・」
  ちゃんと本気でやってますか?
  手を抜くなんてこと、殺し屋として
  あるまじき行為ですよね?
  依頼を疎かにすると、
  次に狙われるのは誰なのか
  分かっていますよね?
ラビット「わ、分かっている・・・!」
ラビット「本気でやっているに 決まっているだろう・・・! 馬鹿にするな・・・!」
ラビット「『あの子』のためにも・・・ 私はこんなところで 死ぬ訳にはいかない・・・!」

〇廃列車
ラクーン「次はどこから来る・・・?」
ラクーン「・・・!」
ラクーン「アサルトライフル・・・!?」
ラクーン「全弾、斬り落とす・・・!」
  うおっ!?

〇廃列車
ラクーン「あ!ご、ごめんなさい! 弾いた弾が・・・!」

〇地下室
ラビット「い、今のも防げたか・・・」
  ・・・なんだか、
  ほっとしているように
  見えるのは気のせいですか?
ラビット「き、気のせいだよ・・・! いちいちうるさいな・・・! 気が散るだろうが・・・!」
ラビット「私の全てを彼女にぶつける!」

〇街外れの荒地
ラクーン「ロケットランチャーまで 持ち込んでるなんて・・・! 暗殺とかの次元超えてるでしょ!?」
ラクーン「──ッ!!」
ラクーン「あ、危なかった・・・」
ラクーン「でも、さすがにいつまでも 逃げ続けられない・・・」
ラクーン「わ、私が死んだら、 『あの子』が悲しむのに・・・!」
ラビット「・・・さすがだな『ラクーン』」
ラビット「アサルトライフルも ロケットランチャーも 弾切れ・・・もう使えるのは ハンドガンしかない・・・」
ラクーン「ラ・・・」
ラクーン「“ラビちゃん”・・・!」
ラビット「その呼び方はやめろ・・・! 今は仕事中なの分かってるだろ!?」
ラクーン「ご、ごめん・・・つい・・・!」
ラクーン「で、でも・・・! 会えて嬉しかったから・・・!」
ラビット「うっ・・・!」
ラビット「すぐお前はそういうことを言う! こっちの気も知らないで・・・!」
ラビット「私には今、監視が付いてる・・・! 私とお前が“付き合ってる”のが バレたら面倒なんだよ・・・!」
ラクーン「監視役・・・! そっちにもいたんだ・・・! 私の方はさっきちょっと事故で・・・」
ラビット「これ以上は怪しまれる・・・!」
ラビット「私はお前を殺す気でやるから! 死なないように頑張れよ!?」
ラビット「お前なら絶対に死なないって 信じてるからな・・・!」
ラクーン「・・・!」
ラクーン「わ、分かった・・・! 頑張るね!ラビちゃん・・・!」
ラビット「フッ・・・!」
ラクーン「はぁッ!!」
ラビット「本当に手加減なんてしてないのに・・・! “タヌちゃん”はやっぱり凄い・・・!」
ラビット「ここまで来たからには、 怪しまれないようになんとか 引き分けに持ち込まなければ・・・!」
ラビット「次も避けろよ・・・!タヌちゃん!」
ラビット「タ、タヌちゃん!?」
ラクーン「くっ・・・!」
ラクーン「そこだッ!!」

〇街外れの荒地
  ぐわあああああああッ!!

〇街外れの荒地
ラビット「まさか私の監視役を 狙っていたなんてな・・・」
ラビット「私に撃たれちゃった時は 心臓止まるかと思ったぞ!」
ラクーン「ご、ごめんごめん・・・ 監視役狙うのに集中してたら 避けれなくて・・・でも、 ちゃんと急所は外したから!」
ラクーン「いててて・・・!」
ラビット「全くもう!無理するなよ!」
ラビット「あ、あなたは私の 大切な人なんだから・・・!」
ラクーン「ラ、ラビちゃん・・・」
ラクーン「今日はもう一緒に帰ろ・・・? 限界なの・・・離れたくない・・・」
ラビット「そ、そんな顔するなよ・・・ ドキドキしちゃうだろ・・・!」
ラクーン「ラビちゃんの反応可愛い・・・ 私だってドキドキしてる・・・」
ラクーン「ちょ、ちょっと・・・! そこで覗いてる人!」
ラビット「何見てんだよ・・・!?」

〇黒
  ぎいあああああああああッ!!

コメント

  • 監視の目もなくなり、二人の微笑ましいイチャイチャが始まると思いきや…ラストに第四の壁を撃ってくるとは……!?これは予想外でした☺︎

  • 美少女たちは、付き合っていたんですね😆
    最後、殺し合わずによかったと思ったら、こちらが殺られてしまいました💦面白い発想ですね!✨

  • 二人が素に戻ったときが可愛かったです😉監視役、見事に二人ともやりましたね✨
    でも最後……撃たれたのは、画面を見ていた私⁉️面白かったです😊

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