第2話(脚本)
〇病院の診察室
妹が運ばれて1時間ほど経った頃
病院から呼び出された俺は、妹の容態について医師から説明を受けていた
医師「骨は折れていませんが、頭と背を強く打っているので暫く目覚めないかもしれません」
「背を・・・?」
医師「ええ」
医師「何か鈍器のようなもので背を殴られたようで、恐らくその衝撃で階段から転落したのでしょう」
「そうですか・・・・・・」
医師「様子を見ていかれますか?」
・・・・・・
正直、動かない妹を見るのは辛い
昔のことを、嫌でも思い出してしまうから
それでも向き合わないと
俺がそばにいなかったら、誰が妹のそばにいてやるんだ
「お願いします」
〇田舎の病院の病室
案の定、病室には妹しかいなかった
俺がいうのもなんだが、妹はできた人間だ
俺と違って、昔から頭が良く、容姿も優れている
俺と違って、かわいがられて育ってきた
・・・と、思っていた
つい最近までな
「やっぱり、俺たちのことなんてどうでもいいんだな」
医師「どうかされましたか?」
「いえ、なんでも」
「迷惑でなければ、暫くここに泊まってもいいですか?」
医師「構いませんよ」
その回答を聞き、胸を撫で下ろした
今日は久しぶりに、落ち着いて眠れそうだ
〇事務所
翌朝
俺は早めに病院を出て、妹の担任に容態を伝えに行った
教師「そうか・・・・・・」
教師「わかった」
教師「ひとまず、妹さんのプリント類を持って帰ってくれるか?犯人探しは、こちらに任せてくれ」
「わかりました」
一生徒の俺より、教師の方ができることは多いだろう
教師「では、教室に向かおうか」
〇教室
俺の教室と大差ない、妹の教室
だが、たった一つ大きな違いがあった
「・・・・・・なんですか、これ」
妹の席に、花があった
教師「な、なんだこれは!!」
教師「誰がこんなことを!!!!」
反応から見るに、今朝教室を開けた時にはなかったのだろう
「先生、今朝何時にこの教室を開けました?」
教師「今朝は6時半頃に開けたよ」
現在時刻は7時15分
犯人はこの45分の間に、花瓶を置いた
「俺は今校内にいる人物を調べます 先生は花瓶の処理をお願いします」
教師「ああ、わかった」
〇教室
あの後学校中を歩き回ったが
生徒は誰一人としていなかった
「教師があんなことやるのか・・・?」
「どうした矢作、暗い顔して」
梶原が俺の顔を覗きながらそう言った
「いや、実はな・・・」
俺は今朝起こったことを全て話した
梶原「はあ!?なんだそれ!!不謹慎すぎるだろ!!」
「ああ、それとな」
俺はさっきの花瓶に添えられていたメモを取り出した
「これ、花瓶の横に置いてあったんだ」
梶原「「おめでとう」・・・?なんだこれ!ふざけてんだろ!」
梶原「絶対犯人見つけ出してやる!」
「・・・ありがとな、梶原」
梶原「友達だからな、当たり前だろ」
梶原「まずは、お前の妹を狙う理由を考えてみないか?そこから犯人がわかるかもしれない」
「ああ、そうだな」
だが妹が嫌われるような人間だとは思えないな・・・
梶原「お前はどうせ、妹を過大評価してるだろうから、まずはクラスメイトに話を聞いてみようぜ」
梶原に言われた通り、まずは昼休みにでも妹のクラスに行ってみるか