エピソード15(脚本)
〇神社の本殿
灯篭を軽トラックに乗せる桃井と百合。
田中たち青年団の一同は、境内の中から灯篭を持ってきている。
田中次郎「よしっ、これで全部だな。 並べたらお前ら見張っとけよ」
田中が青年団の一同に合図すると、彼らは気合を入れて頷く。
田中次郎「にしても良い朝だ。 祭り日和だな」
桃井太郎「田中さんはよく寝たから」
柴山幸之「さっ、仕事にいってくるかな」
〇田舎駅のホーム
電車がホームに入ってくる。
敬礼する柴山。
電車の扉が開くと、大勢の人々が続々と降りてくる。
柴山幸之「おー、おー、おーーー!」
〇田舎駅の駐車場
〇仮設テント
桃井太郎「こんなに屋台用意しちゃって大丈夫かなー」
奥谷百合「大丈夫よ、私のフォロワー舐めないでよね」
隣では、イエティ山田君のぬいぐるみが「うん、うん」と頷く。
奥谷百合「ところでこの中って誰が入ってるの?」
桃井太郎「青年団です」
奥谷百合「ふーん」
イエティ山田君「・・・・・・」
駅のターミナルにバスが到着する。
桃井太郎「バスが来ました」
バスからは沢山の人々が降りてくる。
桃井太郎「おーーー」
桃井太郎「こんなに人が来たのって・・・」
佐々木「村始まって以来の事だね。桃井君」
女性「リリーさんですよね? ネット見ました」
女性「一緒に写真撮ってもらえますか?」
奥谷百合「良いわよ、来てくれてありがとう」
ファンたちと一緒に写真を撮る百合。
百合の元には順番待ちの列ができる。
桃井太郎「すんげー。 やっぱリリーさんはすんげー人なんだなー」
その向こうでは、フィリピーナの団体がバスから降りてくる。
彼らはマリアとハグしたあと、タガログ語で会話し始める。
桃井太郎「マリアさんのネットワークもすんごいなー」
〇田舎駅の駐車場
屋台では人々が賑わっている。
バス乗り場から山道の入り口まで、灯篭の列が並んでいる。
桃井と百合が灯篭に火をつけてまわる。
〇山中の坂道
〇小さい滝
奥谷百合「はい、この提灯持って行ってね」
百合が観光客に提灯を渡す。
桃井太郎「楽しんできてください」
カップルや親子連れが、提灯を持って洞窟の中に入っていく。
桃井太郎「楽しんでもらえてるみたいですね」
奥谷百合「私のアイデアに間違いはないわ」
桃井太郎「はい」
田中次郎「帰りの電車までバスはないから交代するぞ。 二人も中行ってこいよ」
桃井太郎「行って、みましょうか」
奥谷百合「そうね」
田中次郎「良い感じじゃねーか」
運野遊造「そういえば、イエティ山田君どこ行ったんだ?」
運野遊造「おっ、マリア」
運野遊造「イエティ山田君見なかったか?」
マリア「そういえば見てないねー。 田中、探してコイ」
田中次郎「何で俺が」
〇岩の洞窟
灯篭の並ぶ道を歩いていく二人。
洞窟内も観光客たちで賑わっている。
奥谷百合「喜んでる、喜んでる けど、本当に綺麗」
桃井太郎「提灯の灯りだけだと、怖いですけど。 こうやって灯篭が並んでいると・・・」
奥谷百合「ロマンチックよねー」
洞窟の突き当たりには祠がある。
祠には木彫りの龍が祀られており、その裏にイエティに見せかけた毛糸の束がある。
奥谷百合「ふふっ、イエティの毛っぽく見えてるかな」
桃井太郎「野生動物の死骸に見られたりして」
奥谷百合「ちょっと、それ失礼じゃない」
桃井太郎「すみません」
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