城ガール

春うらら

エピソード7(脚本)

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〇教室
きーちゃん「昨日さー、テレビで中洲に取り残された人を救助される番組みたんだけど、あれ、マジヤバイよね~」
ララ「まさしく「水攻め」の気分だわ」
きーちゃん「水攻め?もう、またお城なんだから・・・」
ララ「あ、つい。もう脳が城に紐付けられてるみたい(苦笑)」

〇シックな玄関
  そんな話を学校でして、帰宅したらテレビでも水の事故に関するニュースをやっていたの。
ララ「今も昔も水害は怖いわね・・・」
  テレビの中から光線が飛び出し思わず目を覆った。

〇屋敷の大広間
ララ「ここは、どこ?」
ララ「ヤバい、人が来た隠れなきゃ!」
「ここは、籠城戦で何とか持ちこたえねば」
「攻める側には不利な立地、籠城戦で援軍が来れば秀吉軍には勝てるはず」
「皆のもの宜しく頼むぞ」
「ははー」
ララ「秀吉? じゃ、戦国時代に来てしまったのね。で、籠城戦?ここは、どこの城?」

〇海
  梅雨の時期なのか、連日雨が降り続いている。女中として潜入成功。お城も備中高松城だと知り、鳥肌がたった。
  日数もかけないほどの急ピッチで備中高松城を囲む石垣を作ってしまった豊臣軍。
ララ「これって・・・ ついに来たか 水攻め!」
  秀吉と言えば、水攻めが有名。軍師 黒田官兵衛が考案した策。
ララ(ヤバい!もうすぐ本能寺の変も起きてしまうし・・・)

〇屋敷の大広間
「殿!秀吉が申すには降参して城を明け渡せば、命はもとより信長の臣下にすると仰せですが・・・」
「いや、武士としてそう簡単に毛利殿を裏切るわけには参らぬ」
「殿!ついに城内すべての兵糧がつきました」
「なに?!」
  連日飢えで命を落とすものも出てきて・・・
ララ「お腹すいた・・・ほんとに飢えで死にそう・・・」
  はたまた進展があった。毛利軍が豊臣軍な和睦を申し入れた。その条件として「備中高松城の安全を保証してほしい」と希望した
  でも、和睦交渉ははかどらず・・・そうこうしていると、信長の訃報を聞いた秀吉はさっさと和睦したくてこんな条件を出した。
  城内の兵士らの命は助けてやる。その代わり、宗治の首と引き換えにだ!

〇屋敷の大広間
「よかろう。我が首で皆の命を救えるのなら喜んで差し出してやろう」
  城内の兵士や女中らは解放されたが、殿だけが陸の孤島に残され・・・そして、浮かべた小舟で詩を読み自刃した。

〇海

〇女の子の一人部屋
  気がつくと、自分の部屋のベッドで寝ていたあたし。
ララ「夢だったのかな・・・それとも・・・」
ララ「今度、岡山県の備中高松城址公園に行ってみよう・・・」
  備中高松城にてあたしが仕えた殿は品があり優しい殿だった。
  彼の名は、清水宗治。今でも彼の死を悼んで公園内には胴塚や首塚が祀られている。

次のエピソード:エピソード8

コメント

  • 今回も面白かったです💕中洲に取り残された人を見て水攻めを思い浮かべるなんて、さすが城ガールララちゃん!爆笑しましたw籠城している所にタイムトリップしちゃったなんてバッドエンドまっしぐらだぁ〜と読んでいたら、来ました水攻めやっぱり怖いっ!食いしん坊の私は真っ先に消えるモブキャラですわwしかし家臣たちを守った清水宗治って、立派な殿様でしたね。首塚等が祀られている気持ちがわかります。

  • おお~、迫力ありますねぇ~。あえて人物を出さず読者の想像に委ねる戦法できましたかっ! 面白かったです~♪

  • 毎回、どこのお城なのかワクワクしながら読んでしまいます!
    清水宗治、忠義心篤いイメージですが、どんな人なのか実際に見てみたいって思いますよね!ララがちょっと羨ましいです

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