フィクション職場(脚本)
〇オフィスのフロア
蒼樹タケル「慣れないポートフォリオをなんとかつくってやっと受かった!」
蒼樹タケル「もう両親に迷惑をかける生活はこれで終わりだ!」
蒼樹タケル「そろそろ人生初の会議だ、面接前もそうだったけど、緊張するなあ」
市ノ川ヒロシ「おはようございます。蒼樹タケルさん、」
蒼樹タケル「お、おはようございます!」
市ノ川ヒロシ「うちの会社はどう?慣れた?」
蒼樹タケル「は、はい!慣れました!」
市ノ川ヒロシ「いや、初日勤務なんだからすぐ慣れるわけないですよねー、冗談だよ?」
蒼樹タケル「う、うう、どう切り返すのが正解だったんだろうか・・・」
市ノ川ヒロシ「緊張して口から言葉が出ないとこ、悪いけど、君、即戦力だからさっそくこの仕事頼むよ」
蒼樹タケル「はい!」
蒼樹タケル「そ、即戦力ってことは期待されてるってことだよな・・・?よし!がんばろう!」
市ノ川ヒロシ「あ、それとね、この開発は、 かん口令敷いてるから、」
市ノ川ヒロシ「ひ み つ で 頼むよ」
蒼樹タケル「はい!了解です!」
市ノ川ヒロシ「じゃ、がんばって進めてね、期限は 10月31日までね、土日も使っていいから」
「よし、もう職場にいるうちに終わらせちゃおう・・!」
それから8時間半後~
蒼樹タケル「仕事のボリュームが思ってたより大きくて、時間内に終わらなかった・・」
蒼樹タケル「先輩の言ってたとおり、 土日も使って進めるか・・」
蒼樹タケル「あれはこうで、それはこれで、、 カタカタカタ・・・・・・」
〇オフィスのフロア
蒼樹タケル「それから数週間、やりがいのある仕事が続いた」
蒼樹タケル「といっても開発しているタイトルひとつだけで、ここまでの作業があるとは」
蒼樹タケル「甘く見ていたかもしれない・・。 これでもなお、完成のラインの6割も越えていない・・」
蒼樹タケル「机の上もずいぶん散らかっちゃったな」
蒼樹タケル「がんばろ」
「蒼樹さん?蒼樹さーん?」
蒼樹タケル「もうすこし寝かせてくれ・・・」
「つ えの かた けて ださい、、、!」
蒼樹タケル「なんだ?呪文か??」
「机の上を片付けてください!」
蒼樹タケル「しまった!思いっきり夢のなかだ!」
市ノ川ヒロシ「まだ、コアタイムだよ?」
市ノ川ヒロシ「休憩中にちゃんと睡眠とってね? 他の社員さんはみんなそうしてるよ??」
蒼樹タケル「すみません、今後からはしゃきっとします!」
市ノ川ヒロシ「・・・・・・」
市ノ川ヒロシ「机の上の片付けてね?周りと比べてデスク汚いからさ、」
蒼樹タケル「はい・・・・・・」
蒼樹タケル「うわー、やらかした、作業配分もぜんぶだめだ、、、、」
蒼樹タケル「仕事をがんばって名誉挽回するか!」
〇オフィスのフロア
市ノ川ヒロシ「うーん、やっぱ新人くん」
市ノ川ヒロシ「業績わるいなあ」
市ノ川ヒロシ「どうしようかなぁ・・・」
市ノ川ヒロシ「あ、社内のWi-fiに新人くんつないでる履歴がある、」
市ノ川ヒロシ「ふふふふふ、、、」
それから次の夜中
市ノ川ヒロシ「仕事お疲れ様」
蒼樹タケル「お、お疲れ様です!」
市ノ川ヒロシ「単刀直入に言うけど、SNSって蒼樹くんやってる?どうぃったーとか」
蒼樹タケル「やってないです!」
蒼樹タケル「(大嘘)」
市ノ川ヒロシ「いや、身構えなくてよくて、今度さ、 社内のイベントあるから、もしフォロワー多かったら登録して広めてもらおうってやつ」
蒼樹タケル「あ、なんだ、いや、あの、その、 わかりました!」
市ノ川ヒロシ「やっぱやってるの?」
蒼樹タケル「やっ、ってますが、普段のことしかつぶやいてないです」
市ノ川ヒロシ「ふーん、」
市ノ川ヒロシ「じゃ、仕事の続きがあるからこれで、」
蒼樹タケル「な、なんだったんだろう、」
蒼樹タケル「とりあえず、なんだかよく思われてない気がする・・・・・・」
〇オフィスのフロア
「ひそひそ」
「って 新人君、ってらしくて。。 ひそひそ」
蒼樹タケル「な、なんか少し社内の雰囲気が違う・・」
蒼樹タケル「昔のドウィートは消したし、残ってるとしても高校の黒歴史ぐらいなんだけどな・・・」
蒼樹タケル「念のため、アカウント鍵にしておくか・・・」
市ノ川ヒロシ「よぉ、調子どう?」
蒼樹タケル「は、はい、調子はいい方です」
市ノ川ヒロシ「あのさ、今日はさ、連絡があるんだよね」
蒼樹タケル「新しい仕事ですか?」
市ノ川ヒロシ「ううん、違うの、君、ドウィッターやってるよね」
蒼樹タケル「すみません、いますぐ消します!」
市ノ川ヒロシ「いやさ、それが問題じゃなくてさ、」
蒼樹タケル「???」
市ノ川ヒロシ「ドウィッターのヘッダー画像、「うちの職場」だよね、」
蒼樹タケル「!!!!!」
市ノ川ヒロシ「いくらうれしいとかさ、いろんなこと思っててもさ、映ってるんだよね」
市ノ川ヒロシ「ひ み つ って言ったよね」
市ノ川ヒロシ「それと、机の汚いひとは他でもやっていけないよ?、まぁ他に転職できるかどうかわからないけどさ」
市ノ川ヒロシ「かん口令って、なにも「喋らなければいい」ってことでもないんだよね」
市ノ川ヒロシ「じゃあね、働いてもらって助かったから、あとで就労施設のパンフレットあげるよ」
蒼樹タケル「ちょっと、待ってください!!」
市ノ川ヒロシ「どうしたの?これまでの給料はきちんと支払うよ?正社員で雇ったんだし、」
蒼樹タケル「いや、違うんです」
市ノ川ヒロシ「なにが違うの?」
蒼樹タケル「あ、、、、、、」
こうして秘密を破った蒼樹くんは
オフィスの地下深くで、永遠と
手動の回転炉を回し続けるのでした。
ちゃんちゃん!
終
新人に大きな仕事を任せてカンコウ令を発したあたりから既にイジメが始まっていますね。土日も使って良いなんて、残業プラス休日出勤はあんまりだ。
最後ちゃんちゃん!で終わりましたがまさかの展開にびっくりしました笑街とかによくあるフリーWiFiとかには、継がなかいようにしよーって思いました笑
ブラック企業に就職してしまったゆえにこんなことになってしまったんですね…。SNSは怖いですよね。会社も必死だから、チェックしたりするのかな…。