あの人と同じ声(脚本)
〇中規模マンション
今日もまた憂鬱な朝が始まる。
〇システムキッチン
私の毎日は同じことの繰り返しだった。
〇部屋の扉
夫「・・・・・・」
〇システムキッチン
小網けい「おはよう」
〇部屋の扉
夫「・・・・・・」
〇システムキッチン
小網けい「・・・・・・」
〇システムキッチン
夫との会話は、ほとんどない。
〇システムキッチン
これが私の日常で、朝のはじまり。
〇システムキッチン
なんで、結婚生活を続けているのか分からなくなってきていた。
〇システムキッチン
〇システムキッチン
あの人と出会うまでは・・・・・・
〇システムキッチン
小網けい「っていけない!私も仕事行く準備しなきゃ!!」
〇駅のホーム
〇電車の中
私の人生を変えたあの人とは・・・
〇幻想2
それは私が推しているアニメのイケメンキャラクター
〇電車の中
の中の人。声が好き
〇幻想2
この人の声を聞くことが私の癒しであり、現実逃避をさせてくれる。
〇仮想空間
彼の名前は在田右京、声優
〇仮想空間
実は彼は顔出しNGの役者
〇仮想空間
宣材写真もなし。
〇電車の中
私が知っているのは声だけ。
〇仮想空間
声だけなのにこの魅力。
〇電車の中
私は出勤前いつも彼の声を聞いている。
〇セルリアンタワー東急ホテル
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「ZZZ・・・」
〇ホテルの部屋
着信中・・・
〇白いバスルーム
・・・!!
〇ホテルの部屋
女「六条さん、六条さん、起きて」
六条直之(在田右京)「・・・ZZZ」
〇ホテルの部屋
女「六条さん!!」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「ん・・・・・・」
〇ホテルの部屋
女「電話だよ」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「ん?電話?」
〇ホテルの部屋
女「ずっと鳴ってるから出た方が良いんじゃない?」
六条直之(在田右京)「え?」
〇ホテルの部屋
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「あ、やべ!!」
〇ホテルの部屋
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「────」
女「!!」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「ふぅーーーーーーーーー」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「www」
女「???」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「(子供の声で)もしもしぃ?」
女「!!」
〇ラジオの収録ブース
村田剛「え!?」
村田剛「・・・もしもし?在田右京さんの携帯じゃ?」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「(子供の声で)今、おじちゃん 手が離せなくて、僕が代わりに出たの!!」
〇ラジオの収録ブース
村田剛「えっと君は?」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「(子供の声で)甥っ子」
〇ホテルの部屋
女「www」
〇ラジオの収録ブース
村田剛「あ、そうなんだ。で、おじちゃん は何をやってるのかな?出られないの?」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「(子供の声で)うん、今、僕の先生とお話してる。あ、でもすぐ行くって」
〇ラジオの収録ブース
村田剛「先生?わ、わかった。 とりあえず、おじちゃんにタクシー使って良いからすぐ来てって言っといて」
〇ホテルの部屋
六条直之(在田右京)「(元気いっぱいの子供の声で)わかった!」
〇ラジオの収録ブース
村田剛「え・・・」
〇ホテルの部屋
女「すごい!!何?今の!?」
六条直之(在田右京)「俺、子供の真似得意なの」
六条直之(在田右京)「じゃあ、俺は出るから。 好きな時に出ていいよ。 なんか食べたかったら、適当に注文して良いから」
女「また会える?」
六条直之(在田右京)「・・・・・・」
〇セルリアンタワー東急ホテル
〇ビジネス街
六条直之(在田右京)「くそっなんで、タクシーいないんだよ!!」
〇ビジネス街
〇ビジネス街
小網けい「あ~耳が幸せ♪右京様・・・・・・」
〇ビジネス街
〇ビジネス街
小網けい「きゃっ!!」
六条直之(在田右京)「うわっ!!」
私は誰かの胸にぶつかり、尻もちをついてしまった
その拍子にスマホが飛ぶ
六条直之(在田右京)「ごめん、大丈夫?」
小網けい「え?」
〇幻想2
在田右京「前、見ないで走ってて本当にごめん!」
小網けい「(この声・・・・・・在田右京?)」
〇ビジネス街
六条直之(在田右京)「大丈夫ですか?」
小網けい「あ、はい」
小網けい「(まさかね)」
〇ビジネス街
私が彼の差し伸べる手をつかむと、引き上げた
小網けい「いたっ」
私は足をくじいていたようで、男性の胸に手をついてしまう
小網けい「ごめんなさい!!」
六条直之(在田右京)「もしかして怪我した!?」
〇ビジネス街
小網けい「だ、大丈夫です」
私はなんだか恥ずかしくて嘘をついてしまった
〇ビジネス街
六条直之(在田右京)「あ!!」
〇ビジネス街
〇ビジネス街
六条直之(在田右京)「ごめんなさい!スマホ・・・・・・」
小網けい「あ・・・・・・」
〇ビジネス街
見るとスマホの画面が割れて、起動しない
王道の恋愛ドラマ的展開にニマニマしてしまいます。姿形を知らないのに声に恋するというのは究極のロマンチストですね。七色の声を持つ男との恋愛模様はどうなっていくのか…気になります。
いいですねー、こういう無自覚な運命の出会いって。2人の人柄とか背景が示された第1話で、これからの展開が楽しみになります。
女性側の意見として、実際の右京さんがこういう人物なら、こんな出会い方は後々より彼女を苦しめないかと心配になりました。でも、声の素敵な男性って・・わかります!