一(脚本)
〇けもの道
俺はレイド。
この世界を滅ぼす者。
どうしてこの世界を滅ぼすのか?
いつかそれについて話しましょう。
レイド「そう、これは俺が世界を壊すまでの話し_」
〇森の中
朝。
ホテルの部屋で目が覚めた。
昨日は何をしていたのだろう。
今日は消滅都市「ユグラル」に戻ろうかな。
数時間後には着く。
まぁこんなゴミ捨て場に来る奴はいい人じゃない。
消滅した都市。
そう呼ばれるのには理由がある。
かつて栄えた国「ユグラル」は一夜にして姿を消した。
このため、消える街と呼ばれるようになった。
ちなみに俺はここに住んでいる。
人は近寄らず、いつ消えるかわからない。
俺は自分の家を持ったことがなかった。
貧民街の通りに座って、金目のものを盗む。
奪われる前に殺す。
俺はそのように生きてきた。
今でもそうやって生きている、
だからこんなに痩せてるんだ。
世界は貧しい人々に仕事を与えるほど優しくはない。
むしろ、貧しい人を排除する世界だ。
だから助けを求めるのをやめて、世界を変えようと思った。
しかしその前に世界を破壊しないといけない。
俺と同じ境遇の人には優しいんだ。
誰にも同じ人生を歩ませたくないから。
「この世界を滅ぼす」
そして、俺は新しい世界を創造する。
パンクバンドのラモーンズのアルバムタイトル「road to ruin」を思い出しました。世界を滅ぼそうと目論むレイドの構想や手段が気になるところです。
ひとつひとつの思いにそれぞれの理由があって、ただ破壊したいだけの衝動に駆られるわけではなく、今も未来も同じ境遇に合わせたくないという優しさを感じました。
彼の言葉はある意味暴力的な要素も感じられるけれど、心の根底には正義があるんだと思います。良くも悪くも狂い始めてきたこの世界、同じ意志を持つ仲間をみつけて、彼なりの理想を実現してほしいです。