エピソード3(脚本)
〇貴族の部屋
アマーズディレナ•イエレナ「どうぞ」
リシャ「お目覚めですか。王子」
アマーズディレナ•イエレナ「あ、お、おはよう御座います・・・?」
リシャ「はい。お早う御座います」
アマーズディレナ•イエレナ(あ・・・笑ってくれた? 良かった。嫌われてる訳じゃないみたいだ)
リシャ「王子。陛下からの命で専属騎士が参りました」
ジィニィ「お初お目に掛かります。ジィニィと申します!よろしくお願い致します!!」
アマーズディレナ•イエレナ「はい、よろしくお願いします」
リシャ「今日はお散歩をするとジイド様から言われております」
ジィニィ「王宮内でなら・・・エメラルド宮にある「神秘の森」が最適かと思われます。行きましょう!」
〇要塞の廊下
アマーズディレナ•イエレナ「王宮内は自由に行動していいんですか?」
ジィニィ「えぇ。問題ありません!」
リシャ「それと、使用人に敬語はお止めになった方がよろしいかと、」
アマーズディレナ•イエレナ「な、何故ですか?」
リシャ「そういうものだからです。 王族と使用人との間の身分の差は大きいのです」
アマーズディレナ•イエレナ「でも、ボクは、敬意を示したいです」
リシャ「何故ですか?」
アマーズディレナ•イエレナ「何も出来ないボクを、支えてくれる人達なので」
「・・・!!」
アマーズディレナ•イエレナ「え、あの・・・?」
(レナ様と同じ事を・・・)
リシャ「あ、いえ、王子が良いのなら良いのです」
アマーズディレナ•イエレナ「それと・・・ボクのことは「レナ」と言って下さい」
「は、はい・・・」
〇林道
アマーズディレナ•イエレナ「とてもふしぎな植物が沢山ありますね」
ジィニィ「あの光る緑の実を垂らしているのは「グリッシュ」という物で、アドニス王国でしか実らない果物です」
アマーズディレナ•イエレナ「そんな物がどうしてテレンタ王国に?」
ジィニィ「よくぞ聞いてくださいました!」
ジィニィ「この森は、全てサクラチス様が施した魔法で植物が育っているのです」
アマーズディレナ•イエレナ「サクラチス様?」
リシャ「第7王子エルザフォーション様と、第8王子オデットエオディール様の母君にございます」
リシャ「この国の環境にお体が合わなかった様なので、お二人が3歳の時に母国に帰られ、」
リシャ「今は居(お)られませんが、残った魔力とお二人のお陰で、今も四季折々の植物が育っています」
ジィニィ「一年中、季節が秋のテレンタ王国にとっては四季が感じられるのは凄いことなのですよ」
ジィニィ「なので毎日ここの森の様子を、写真にとって、植物の枝を一本折り、それが中央広場に展示されるのです」
アマーズディレナ•イエレナ「へえ・・・」
〇森の中
しばらく歩いていると森の奥に人影が見えた
???「あれ、リシャとジィニィじゃん」
「!!」
アマーズディレナ•イエレナ「?」
その人達を見た瞬間。
リシャは深くお辞儀をし、
ジィニィは手を胸に当て、軽くお辞儀をした
よく見ると二人は耳が尖っている
おそらくエルフだろう
左の彼は金髪で、グラデーションと言うのだろうか、毛先が紫だ。
瞳は青紫
右の彼は金髪に紫の瞳。
どちらも人間離れした美しさを持っている
オデットエオディール「その子は誰?」
優しそうな彼が言った
リシャ「はっ。エルザフォーション様とオデットエオディール様の弟君に御座います」
オデットエオディール「ねえねえ聞いた!?エルザ! 僕達のおとうとだって!!」
エルザフォーション「聞こえたよ!」
「へえ〜この子が僕達の・・・!」
二人に近寄られて少し戸惑うアマーズディレナ
アマーズディレナ•イエレナ「あ、あの、貴方達は・・・?」
エルザフォーション「僕は第7王子のエルザフォーション! 君の兄!!」
オデットエオディール「僕は第8王子のオデットエオディール! 君のお兄さんだよ!!」
「君の名前は!?」
アマーズディレナ•イエレナ「あ、アマーズディレナ・・・」
オデットエオディール「そっかぁ。じゃあ・・・アーティだ!」
エルザフォーション「アーティ!!」
アマーズディレナ•イエレナ「え、えと、じゃあ、サオ兄とレオ兄・・・?」
「うん!!」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・」
エルザフォーション「でもまさか早くに出会えるなんて・・・」
オデットエオディール「昨日の願いが叶ったね!」
オデットエオディール「せっかくだから森を紹介してあげる!」
エルザフォーション「行こう!」
「アーティ!!」
アマーズディレナ•イエレナ「・・・はい」
「良かった──」