グラス 5分の3(脚本)
〇綺麗なダイニング
深井 緑(ミドリ)「雨まだ降り続いてるんだ・・・」
深井 緑(ミドリ)(シオン君、夜遅く帰ってきて すぐ寝たけど相当疲れているのかな)
深井 緑(ミドリ)(今日もまた朝早くから 会社に出掛けていったし・・・)
深井 緑(ミドリ)(大丈夫かな・・・)
ピンポーン!
深井 緑(ミドリ)「誰かしら・・・」
甘味トウゴ「大木街警察の甘見 橙吾(アマミ トウゴ)といいます」
深井 緑(ミドリ)「なんのご用でしょうか! お話しすることなどありませんが!!」
甘味トウゴ「今回は旦那さんの件で
お聞きしたい事がありまして・・・」
深井 緑(ミドリ)「えっ!シオン君の・・・!?」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
深井 緑(ミドリ)「・・・わかりました」
〇シックな玄関
甘味 橙吾(トウゴ)「突然お伺いして申し訳ありません」
深井 緑(ミドリ)「で・・・話とは・・・!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「──その前にですね 聞いて欲しいことがありまして」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「私はマシロさんのひき逃げは 偶然ではないと思ってます!!」
深井 緑(ミドリ)「えっ!!」
甘味 橙吾(トウゴ)「彼女の死には おかしな点がありまして」
深井 緑(ミドリ)「それは、どういった・・・!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「うーん・・・妊婦さんには少々刺激が 強過ぎる話になりますので・・・」
深井 緑(ミドリ)「何を今更・・・かまいません!」
甘味 橙吾(トウゴ)「・・・わかりました」
甘味 橙吾(トウゴ)「彼女は、ひき逃げされて 死亡したのは確かです・・・が」
深井 緑(ミドリ)「・・・が!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「現場に彼女のバッグがありませんでした」
甘味 橙吾(トウゴ)「ひき逃げを起こした犯人が更に危険を犯し 物取りの犯行をするとは考えられない」
深井 緑(ミドリ)「た、確かに・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「最初から物取り目的の犯行かも しれないとも言われていましたが・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「”もう一つの事実”によって 私は事故に見せかけた」
甘味 橙吾(トウゴ)「『殺しの可能性』があると考えております!」
深井 緑(ミドリ)「”もう一つの事実”とは一体・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「・・・落ち着いて聞いてください」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「・・・マシロさんのお腹には──」
甘味 橙吾(トウゴ)「『子どもが宿っていました』」
深井 緑(ミドリ)「う、うそよ・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「妊娠5週目ぐらいと言われています」
深井 緑(ミドリ)「そんな!ありえないわ!」
深井 緑(ミドリ)「マシロが私に黙ってる訳ないじゃないの!」
甘味 橙吾(トウゴ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「貴方はマシロさんにシオンさんと付き合ってるのをお話していましたか?」
深井 緑(ミドリ)「──っ!!」
甘味 橙吾(トウゴ)「同じようにマシロさんも秘密にされていたのではないでしょうか?」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「それで・・・事件の当日 シオンさんはどこにいましたか?」
深井 緑(ミドリ)「な、なぜ?シオン君の事を聞くんですか!?」
深井 緑(ミドリ)「シオン君を疑っているんですか!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「いやいや・・・交友関係にある方には 全員お話を聞いていますので・・・」
深井 緑(ミドリ)「その日は・・・」
深井 緑(ミドリ)「その日は私と一緒に家にいてました!」
甘味 橙吾(トウゴ)「・・・間違いはありませんか?」
深井 緑(ミドリ)「はい!間違いありません!」
甘味 橙吾(トウゴ)「・・・ふーむ」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「それでは貴方自身に身の回りで 最近かわったことは無いですか?」
深井 緑(ミドリ)「え!?どういったことでしょう」
甘味 橙吾(トウゴ)「例えば無言電話がかかってくるなど・・・」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
深井 緑(ミドリ)「あの・・・実は・・・」
深井 緑(ミドリ)「家に差出人不明でマシロの財布が 送られてきたんです・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「何ですって!!」
深井 緑(ミドリ)「・・・少し待っててください」
深井 緑(ミドリ)「持ってきますので・・・」
〇綺麗なダイニング
深井 緑(ミドリ)「あれ?ない!!・・・ないわ・・・!?」
深井 緑(ミドリ)「なんで無いの!?」
深井 緑(ミドリ)(まさかシオン君が・・・!? 何のために!?)
深井 緑(ミドリ)(どうしよう・・・ 正直に答えた方が良いのかな・・・)
深井 緑(ミドリ)「先ずは、ちゃんと説明しなくちゃ・・・」
〇シックな玄関
甘味 橙吾(トウゴ)「・・・」
深井 緑(ミドリ)「すみません・・・」
深井 緑(ミドリ)「ありませんでした・・・」
深井 緑(ミドリ)「気持ち悪くて紙に包んでたのを忘れて、そのまま捨てたのかも知れません・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「そうですか・・届いた日を覚えていますか?」
深井 緑(ミドリ)「確か10月29日だった筈です」
甘味 橙吾(トウゴ)「29日!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「マシロさんが亡くなった日に!?」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「やはり・・・嫌な予感がしていたので」
甘味 橙吾(トウゴ)「私は勝手ながら部下に貴方を 見守る様に指示を出していました・・・」
深井 緑(ミドリ)「えっ!?」
深井 緑(ミドリ)(もしかして・・・)
深井 緑(ミドリ)(『私が狙われたら危険だから』と アマミさんが部下に話していたのを)
深井 緑(ミドリ)(ヒイロちゃんが聞き間違えて 周りに話したんだ・・・)
甘味 橙吾(トウゴ)「それにより・・・ 貴方を尾行している者を見つけました!!」
深井 緑(ミドリ)「ええっ!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「貴方は10月31日、会社に行く前に マシロさんの事故現場に寄ってますが」
甘味 橙吾(トウゴ)「車から貴方の写真を撮っている者がいました」
深井 緑(ミドリ)「・・・!!」
甘味 橙吾(トウゴ)「部下に話しかけられると 直ぐに立ち去ったと報告を受けています」
深井 緑(ミドリ)「だ、誰なんですか!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「調べた所 捏造で有名な週刊誌の記者でした」
甘味 橙吾(トウゴ)「暫くは1人で出歩かない方がよいでしょう」
深井 緑(ミドリ)「ずっと私をつけていたんですね・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「初期捜査でここまでする事は異例ですが」
甘味 橙吾(トウゴ)「定年前のおいぼれに最後の土産と・・・気を利かせて部下を1人つけてくれたのでしょう」
甘味 橙吾(トウゴ)「お陰で捜査が進んでいます」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「さて、ここからが本題なのですが・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「10月31日に不可解な行動を とられている方がいまして・・・」
深井 緑(ミドリ)「・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「貴方はその日、 会社近くの個人病院に行ってますね?」
深井 緑(ミドリ)「は、はい・・・気分が悪く倒れてしまい 運ばれました・・・」
深井 緑(ミドリ)「確か月島病院という名前で、 時間外なのに対応をしてくれました・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「そこは月島 雪(ツキシマ ユキ)という 女医が1人」
甘味 橙吾(トウゴ)「両親から受け継いだ病院を経営しており・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「双葉さんが診察したその日に」
甘味 橙吾(トウゴ)「貴女の夫、シオンさんが 病院に入っていくのを目撃されています」
深井 緑(ミドリ)「な、何ですって・・・!?」
深井 緑(ミドリ)「シオン君があの病院に!?」
甘味 橙吾(トウゴ)「ほう・・・ご存知ありませんでしたか・・・」
深井 緑(ミドリ)「ええ・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「貴方の様子を見にきたのかも知れません・・・が、貴方は知らなかった」
甘味 橙吾(トウゴ)「そして、不可解な行動なのですが・・・」
甘味 橙吾(トウゴ)「貴方の方が『先に』病院をでて、シオンさんは暫くは滞在していたと報告されています」
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すごく謎が惹きつけられますね!!
そしてまさかの百合展開!?😳
まさかの最後、ヒイロとオウカが!?!?
シオンも信用ならないし、もうみんな怪しく見えてきます……! 明かされる謎に、深まる謎……。しっかりと組み立てられたミステリー展開がすごいです!
え!刑事さんと一緒に捜査!?
え!ヒイロ~!?😳
と、びっくりしてたら終わってました😅
続き、楽しみにしてます✨