陰キャな私は、二人の男子に迫られています

澤村製作所

11話 三人の行く末 3(脚本)

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〇水中トンネル
田中 渚「おー、すげー!」
佐藤 正美「すごいね、あの尾の動き」
田中 渚「どうなってんだろ? ヒレと連動してんのかな」
佐藤 正美「どうだろ? ちょっと本で調べたくなってきた」
田中 渚「ははっ、俺もっす」

〇大水槽の前
田中 渚「お、あいつ! 奈子に似てる!」
山本 奈子「えっ!」
佐藤 正美「ほんとだ、似てるねえ」
山本 奈子「ええと・・・どこが、でしょう?」
田中 渚「マイペース?」
佐藤 正美「うん。 一匹だけ、群れから離れて遊んでる」
田中 渚「マジ似てる!」
佐藤 正美「ははっ、本当に」
山本 奈子(ええ・・・)

〇水族館・トンネル型水槽(魚なし)
田中 渚「おー、ペンギンじゃん!」
山本 奈子「ほんとだ、かわいい!」
田中 渚「正美さん、ちょっと見ていいすか?」
佐藤 正美「奈子ちゃんも興味あるみたいだし いいと思うけど・・・」
佐藤 正美「突然、なに?」
田中 渚「俺、アプリつくってるんすよ。 ペンギンの」
佐藤 正美「ええ?」
山本 奈子「かわいいんですよ。 ペンギンが氷の上で動くのを見るんです」
佐藤 正美「へえ・・・アプリなんてすごいね」
田中 渚「まだまだテスト段階で」
田中 渚「もっとこう、動きとか、 らしくならないかって思ってて・・・」
田中 渚「お、動画OKじゃん! 撮影しよ」
佐藤 正美「アプリを作ってるって プログラム、やってるんだ?」
田中 渚「まあ、そうっすね。 けど、結構流用な部分も多いっすよ」
佐藤 正美「へえ・・・ 興味あるな」
田中 渚「お、マジすか?」
田中 渚「URL送りますよ。 放置ゲーなんで、」
佐藤 正美「勉強中、起動していればいいって ことかな?」
田中 渚「そうっす。たまに覗く感じで・・・」
田中 渚「あ、連絡先、いいすか?」
佐藤 正美「うん」
佐藤 正美「どうせなら3人でグループ作ろうか?」
田中 渚「あ、そうっすね!」

〇ショーの水槽
田中 渚「お、イルカショー、すいてるじゃん」
佐藤 正美「あまり前に行くと水が来るから」
田中 渚「そうっすね。 真ん中くらいかな」
佐藤 正美「そこは?」
田中 渚「奈子、いいか、そこで?」
山本 奈子「うん」
  それではイルカショー、
  皆さまどうぞお楽しみください
  最初に、みんなでごあいさつー
  そーれ、ジャーンプ
山本 奈子「わ・・・」
田中 渚「おー!」
佐藤 正美「すごいな・・・」
田中 渚「イルカショー、子供の頃以来だけど 楽しいな!」
山本 奈子「うん、楽しい! 可愛いし!」
山本 奈子「来てよかった」
佐藤 正美「そうだね、三人で来れてよかった」
田中 渚「同感」

〇テーブル席
田中 渚「何食う?」
山本 奈子「オムライス!」
佐藤 正美「ナポリタン」
田中 渚「グラタン」
田中 渚「って、みんな洋食だし」
佐藤 正美「洋食、おいしいよね。 あまり家じゃ食べないし」
山本 奈子「渚は洋食、作りそう」
田中 渚「あー、簡単だしな。 オムライスとかグラタン、作るぜ」
佐藤 正美「へえ、渚くん、料理するんだ」
田中 渚「まあ、わりと好きっすね」
山本 奈子「お弁当作るもんね」
佐藤 正美「それはすごい」
佐藤 正美「渚くんは、どこ志望なの?」
田中 渚「いちおう、内部で法学って 考えてるんすけど」
田中 渚「・・・迷ってて」
山本 奈子「え、そうなの?」
田中 渚「まーな」
佐藤 正美「プログラムやって、アプリまで 作ってるんでしょ?」
佐藤 正美「理系がいいんじゃないの?」
田中 渚「正美さんは三年すよね。 どこ志望なんすか?」
佐藤 正美「工学」
田中 渚「あー。外部なら 数学とか大変すよね」
佐藤 正美「まあ、好きだからね。 それに医学部ほどじゃないし」
田中 渚「確かに」
田中 渚「けど、部活もやってんすよね」
佐藤 正美「うん、バスケ」
田中 渚「ポジションは?」
佐藤 正美「ポイントガード」
田中 渚「うわ、あってる」
佐藤 正美「渚くんは部活はやってないの?」
田中 渚「今はやってないすね」
山本 奈子「ずっとサッカーだったよね」
佐藤 正美「やめちゃったんだ?」
田中 渚「そうっすね。 まあ、ケガもあって」
佐藤 正美「あー、そっか」
佐藤 正美「あ、これからペンギンの散歩があるって」
田中 渚「まじか!」
山本 奈子「見たい!」
佐藤 正美「うん、行ってみようか」

〇植物園のドーム
山本 奈子「わあ~、可愛い!」
佐藤 正美「人が多いね。 奈子ちゃん、こっちおいで」
山本 奈子(あ・・・手・・・)
田中 渚「・・・・・・」
田中 渚「奈子、こっちのほうがよく見えるぜ」
山本 奈子「う、うん」
田中 渚「抜け駆け、なしっすよ?」
佐藤 正美「そっちこそ」
山本 奈子「えーと・・・・・・ 仲良く見よう?」

〇海辺
田中 渚「いやー、すっげー楽しかった!」
佐藤 正美「いい気分転換になったよね!」
佐藤 正美「奈子ちゃんは?」
山本 奈子「楽しかったです!」
山本 奈子「水族館なんて久しぶりで・・・ 子供の時、以来だから」
山本 奈子「こんなに楽しいんだってびっくりしました」
田中 渚「だよなー」
田中 渚「奈子誘うのには子供っぽいかと 思ったけど」
田中 渚「来て正解だったな!」
佐藤 正美「お父さんに感謝だね」
田中 渚「まー、そっすね」
田中 渚「・・・」
佐藤 正美「・・・」
田中 渚「なあ、奈子」
山本 奈子「うん?」
田中 渚「どっち、選ぶの? オレと、正美さんと」
山本 奈子「それは・・・」
佐藤 正美「どっちも、なしとか?」
山本 奈子「・・・ええと」
田中 渚「まだ、決められねーのかよ」
山本 奈子「ごめん・・・」
佐藤 正美「まあまあ。 どっちも嫌いじゃないってことだろうし」
佐藤 正美「俺は渚くんとも気が合うなって思うし?」
田中 渚「それは、まあ・・・」
佐藤 正美「なんかさ、もう、 このままでいいんじゃないかな?」
山本 奈子「えっ・・・」
田中 渚「このまま、オレと正美さん両方と 付き合ってくってことで」
山本 奈子「ええっ!」
佐藤 正美「決められないなら、そうなるよね」
佐藤 正美「奈子ちゃんはどう?」
山本 奈子「それは・・・私はどっちも好きだから 嬉しいですけど」
田中 渚「なら、決まりだな」
田中 渚「付き合うってことは 奈子に迫るのはアリっすよね?」
佐藤 正美「お互いにね」
佐藤 正美「泣かせるなよ?」
田中 渚「そっちこそ」
田中 渚「あ、あと月イチで三人で会いません?」
田中 渚「報告会みたいな感じで」
佐藤 正美「いいんじゃない? 奈子ちゃんはどう?」
山本 奈子「はい、かまいませんけど・・・」
佐藤 正美「じゃあ、決まり」
佐藤 正美「これからもよろしくね、奈子ちゃん」
田中 渚「そろそろ帰るか。 行こうぜ」

〇駅前広場
  こうして、私は二人の彼氏と
  お付き合いを続けることになった
山本 奈子(ちょっと現実を 受け止めきれないけれど・・・)
山本 奈子(でも、二人とも好きだし、違う魅力がある)
山本 奈子(それに、正美先輩と渚は、 すごく気が合うみたいだし)
山本 奈子(だから、二人が言うように もう少し、このままでいよう・・・)
山本 奈子(これからもよろしくね、 渚、正美先輩)

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