第三十二話『村井芽宇Ⅱ』(脚本)
〇黒背景
今まで、冴子はいろんな形で連中に苦しみと死を与えてきた。
〇個室のトイレ
奏音のいじめを見て見ぬふりした太田川亜希子は、自分の排泄物まみれのトイレで溺死するという罰を。
〇枯れ井戸
積極的にいじめを行っていた張本人の小河原海砂は、井戸でじわじわと首吊りして窒息死するという罰を。
〇ビルの裏通り
いじめをもみ消すことばかり考えていた校長の小池正春は、何度も転落して挽肉になるという罰を。
〇公園の砂場
妹に命令されて息子を乱暴した瀬田彩人には、ゴミや雑草、砂を食べて胃を破裂させるという罰を。
〇可愛らしい部屋
そして、自分は手を汚さず、人に命令して奏音を傷つけていた黒幕の瀬田彩名には、指を切り落として目を抉るという罰を。
〇病室のベッド
奥田冴子(これで残るは。海砂と一緒にいじめを行っていた、村井芽宇のみ。こいつを始末すれば、全てが終わる)
病院ならば、どこかにカメラがあるかもしれない。誰かに見られたら、一発で面倒なことになるだろう。
自分はある程度、警察にマークされていることも考えられるからだ。
でも。
奥田冴子「問題ないわ」
明かりが消えた病室。幸い、此処は個室だ。
奥田冴子「あとこいつ一人殺したら、私はどうなっても構わないんだもの」
どうせ、もう。
自分の大切な人なんて、残っていないのだから。
〇モヤモヤ
第三十二話
『村井芽宇Ⅱ』
〇可愛い部屋
怖いニュースばかり入ってくる。
芽宇は暗い部屋で一人、ガタガタと震えていた。
村井芽宇(きっと、きっと今度こそ、芽宇の番だ。彩名さんが芽宇たちに全部命令してたってことも、みんなバレたんだから)
担任の先生。校長先生。
一緒に奥田奏音を追い詰めていた海砂に、それを命令していた彩名。
彩名に協力していた彩人。
みんなみんな死んでしまった。
学校もさすがに危機感を感じて、明日から一時学級閉鎖にするという。
もう遅いような気もするし、そもそも学級閉鎖にしたところで意味がないような気もするが。
なんせ相手は、姿を現さずに遠くから人を殺せる人間なのだ。
そして一度サイキック?のような力に操られてしまえば、誰も逆らうことはできないのだ。
〇黒背景
瀬田彩名「いい、芽宇ちゃん。これは、必要な天罰なんですわ。だって、彩名の心を弄んだ、悪い男を罰するための行為なんです」
瀬田彩名「芽宇ちゃんは、か弱い女の子の味方ですよね?」
小河原海砂「そうそう、芽宇。彩名さんの言う通りにしよ!あたし達、正義を行使するんだもの」
小河原海砂「悪い奴をやっつけて、反省させるためにやるんだよ。これはいじめなんかじゃないし!」
村井芽宇「そ、そうだよね。芽宇たち、悪いことなんか何もしてないよね。悪いのは、あいつだもんね!」
二人に言われるまま、芽宇も同じように思っていた。でも、実際はそれが間違っていたのだろうか。
自分達がやったことはいじめ、で。だから、二人に神様が罰を下したのだろうか。
あれほど苦しんで死んでも仕方ないと、そう思われるほどのことをしたと見なされたのか。
〇可愛い部屋
村井芽宇(そういえば、誰かが言ってたな。一番怖いのは悪意より、暴走する正義だって)
村井芽宇(自分は正しいって思い込んでいる人間は・・・・・・正しいと考えるからこそ容赦がない)
村井芽宇(止められても止まらないし、手段を選ばないから怖いんだって)
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ストッパーが無くなった冴子さん、引き返せないことを自覚して復讐に突き進んじゃいましたね……
そして今話の奏音くん、長尺フルCVがステキです!