ビューティ☆ファイターズ

シュウ

私の魅力は武器になる(脚本)

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〇ヨーロッパの街並み
マオ「ちゃんと、見てて・・・最後まで」
リズ「・・・はい」

〇闘技場
マリエ「ビューティファイト決勝戦! 美しさこそ強さ! 強さこそ美しさ!」
ビューティクィーン「うふふ。 次期ビューティクィーンの座を勝ち取った暁には、望みをひとつだけ叶えましょう」
ビューティクィーン「気高く、美しく、己の魅力── 【チャーム】を魅せつけてちょうだい」
マリエ「選手入場ー! マーオー!」
マオ「・・・ちわっす」
マリエ「ダークケミカルー!」
ダークケミカル「やぁやぁ諸君。 これから愉快な解剖ショーをお見せしよう」
マリエ「心も体も準備はオーケー? あなたの【チャーム】を魅せつけて!」
マリエ「ビューティファイト、レディー・・・ ゴー!!」
ダークケミカル「ではでは、早速ボクの【チャーム】を 披露しよう」
マオ「・・・・・・」
ダークケミカル「まずはこのシニカルスマイル。 諸君は不安に苛まれるだろう」
マオ「・・・気分わる。なにこれ」
マリエ「ダークケミカル選手のチャーム 【魅惑する口角(シニカルスマイル)】 だー!」
マリエ「マオ選手は不安のあまり動きが 鈍くなっているー! もう決まってしまうのかー!?」
ダークケミカル「おやおや、もう終わりとは。 なに、恥じることはない。 これから研鑽を積みたまえ」
マオ「・・・ねえ、私を見て」
ダークケミカル「救いの手を求めるのかね?」
ダークケミカル「いいだろう。迷える子羊に光明を差してやるのも教育者の務め。どれどれ・・・」
マオ「ちゃんと、目を見て」
ダークケミカル「ッ!?」
ダークケミカル「かっ・・・はっ・・・!」
マリエ「マオ選手のチャーム 【溺れるような眼差し(ディープアイズ)】だぁー!」
マリエ「視覚から脳へと、脳から呼吸器系へと 侵食が進み、身動きも封じられたー! 万事休すかー!?」
ダークケミカル「やれやれ、危ないところだった」
マリエ「ダークケミカル選手! 最後の力でゴーグルをつけ マオ選手からの視線を塞いだー!」
マオ「・・・ふぅん。 ギリギリセーフ、か」
ダークケミカル「さぁさぁ、お立ち会い。 解剖ショーの始まりだ」
ダークケミカル「見とれたまえ。 我が美麗なる毛髪の描く曲線を」
マリエ「ダークケミカル選手のチャーム 【透き通る荒波(キューティクルデッド)】だー!」
マリエ「美しい髪の毛の1本1本が まるで生き物のようにマオ選手を狙うー!」
マオ「・・・・・・」
ダークケミカル「おやおや、目をつむったりして、 諦めてしまったのかね?」
マオ「・・・当たらないから」
ダークケミカル「んん?」
マオ「私の【脚線美(スリムボデー)】には、 絶対に当たらない」
ダークケミカル「ふむふむ、滑らかな素足によって 触れるものの摩擦をゼロにするのか」
ダークケミカル「しかし、状況は変わらないのではないかね?」
マオ「ゴーグル外せば私の虜・・・っしょ?」
ダークケミカル「やれやれ、肉弾戦か。 こちらに分があると思うがね」
ダークケミカル「ほらほら、ご自慢の脚部で滑らせて ごらん」
ダークケミカル「頭上まで脚が届けば、の話だがね。 この至近距離ではそれも難しかろう」
マオ「ッ・・・!」
ダークケミカル「おやおや、一旦引くのかい? 摩擦ゼロは伊達なのかね?」
マリエ「マオ選手、防戦一方です! このまま破れてしまうのでしょうかー!?」
マオ「うっざ・・・!」
マリエ「おおーっと! マオ選手、懐に飛び込みましたぁー!」
ダークケミカル「やれやれ、血迷ったのかね? せめて美しく解剖してやるとしよう」
マオ「・・・油断大敵、ってね」
マリエ「マオ選手、脚を高く上げ、【透き通る荒波】を弾き・・・いえ、滑らせましたー!」
ダークケミカル「おやおや、I字バランスができるとは」
マオ「・・・至近距離でならかわせない、よね?」
ダークケミカル「能ある鷹は爪を隠す、か。 いやはや、一本取られたね」
ダークケミカル「くわぁっ!」
マリエ「マオ選手の弾いた【透き通る荒波】が ダークケミカル選手にクリーンヒット!」
マリエ「ビューティファイト、 優勝は・・・マオ選手ー!」

〇闘技場
ビューティクィーン「うふふ、おめでとうございます、マオ。 望みを言いなさい」
マオ「・・・いらない」
マリエ「え?」
マオ「こんな制度いらない。 私は──ビューティファイトを廃止する」
マリエ「えぇぇぇ! そ、そんなこと許され──!」
マオ「私の目を見て」
マリエ「かはっ・・・い、息が・・・!」
ビューティクィーン「うふふ、魅力づくでビューティ王国を 支配するつもり?」
マオ「いらないってば」
マオ「【チャーム】は自信の表れ・・・それが、 フェロモンを具現化させ、【チャーム】を発現させる」
マオ「他人と比べるものじゃない。 私たちの美しさに優劣なんてない」
マオ「結局、あんたたちの主観で美しさを ビューティクィーンを決めているだけ。 ・・・違う? 司会者さん」
マリエ「ッ・・・!?」
マオ「【ふわり舞う桜(ラブフレグランス)】と【小鳥呼ぶ美声(ロマンティックボイス)】で試合を誘導する・・・」
マオ「でも、見る目がなかったのが運の尽き。 あんたの言葉なんか耳に入ってなかったから」
マリエ「くぅ・・・!」
ビューティクィーン「うふふ。 楽園から降りる時が来たようですね」
マリエ「かはぁっ! ・・・ぜぇ、ぜぇ」
ビューティクィーン「ただ今をもって、ビューティファイト ならびにビューティシステムを廃止します」
ビューティクィーン「これからは己のためだけに美しさを 追い求めなさい」
マリエ「お待ちください! それではこの国は──」
ビューティクィーン「私は王位から降ります。 マオ、貴女がこの国の人々を導きなさい」
マリエ「えっ!?」
マオ「・・・めんど」
マオ「でも・・・やる。 私が望んだことだから」
ビューティクィーン「任せましたよ?」
マオ「任せて☆」
マリエ「みんな笑顔に・・・これが、 【秘めた愛嬌(ラブジェネレーション)】」
ビューティクィーン「うふふ、私の審美眼に狂いは なかったようね」
ビューティクィーン「マリエ、貴女もマオを支えておやりなさい」
マリエ「・・・わかりました」
マオ「いぇーい! よろしくぅ☆」
マリエ「う、美しい・・・!」

〇西洋の城
  マーオ! マーオ! マーオ! マーオ!
リズ「マオさぁぁぁーん!」
マオ「・・・ふふ」
マオ「ビューティ王国よ、永遠なれ!」
  ここに『ビューティ王国』新女王マオが
  誕生した──

コメント

  • ビューティこそ正義!でも争い事はノービューティ!をモットーに、女王マオには新生ビューティ王国の統治に励んでいただきたいものです。ところで、この王国は男子禁制なのかな?

  • 可愛いや美しいという言葉の中にも様々な種類がありますね。
    全てが抜きん出ている人はおらず、皆それぞれ良いものを持っています。それを皆磨いていってほしいですね!

  • 美少女たちの魅力が溢れ出す素敵な作品でした! チャームの設定は、バトルものとしても秀逸で、とても面白かったです^^
    また、私も美しさで闘うバトルものを作成中だったので、良い刺激になりました!(似た題材になってしまうところは、申し訳ございません)

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