演説(脚本)
〇体育館の舞台
ネモ「私が生徒会長になったら 通知表を廃止します!」
女生徒「やばwww うけるwww」
教師「無理だろwww」
ネモ「なぜ決めつける?」
ネモ「なぜ諦める?」
ネモ「どんなことでも実現する可能性はあります (実は想像を超えたもっと高度なことが自然に起きているはずです)」
ネモ「自由な学びを 私立の学校に行ける柔軟な頭をした人間嫌いでなくてリビングがギスギスしてない」
ネモ「金持ち家族の子供だけの特権にしてもいいのでしょうか?」
ネモ「公立の荒れた学校にしか行けない子供は諦めるしかないのでしょうか?」
ネモ「隣町の落ち着いたこうりつに行けと?」
ネモ「遠い!!」
ネモ「というか、どんな学校に行こうが 自由な学びをする権利があるはずです」
ネモ「半笑いで聞いているそこの先生方」
ネモ「あなた方を自由にします」
ネモ「自由な学びとは子ども自由を与えることではなく、教師、或いは学長に自由を与えることなのです」
ネモ「あとで通知表つける必要もなく 自由に教えていいと言われたら ワクワクしませんか?」
ネモ「私だったらワクワクします!!」
ネモ「私だったら最後の一人が倒れるまで 絵を描いて遊びます」
ネモ「好きで 自由に学んできたことなら いくらでも誰とでも分かち合いたい」
ネモ「時間なんてあっという間に過ぎて チャイムもいらなくなる!」
ネモ「せっかく同じ学校という場で集えた同士なのにギスギスするなんて勿体なさすぎます」
ネモ「自由に好き勝手やったら教育委員会から処分される! とか」
ネモ「内申点なかったら進学できない 就職できない と心配していますか?」
ネモ「それは脳配です 脳の生ゴミです」
ネモ「今遊べるのにどうして未来のせいにして 諦めなければならないのです」
ネモ「どうして通知表の廃止がすぐに死に結びつくのでしょう。 ただの紙切れですよ」
ネモ「安心しないでください 人間は簡単に死にませんから」
ネモ「紙切れに感化されるとしにますが・・・」
教師「狂ってるぜ」
ネモ「そもそも学校ごときに 仕事ごときに 振り回される人生なんておかしいです」
ネモ「喜んで分かち合いたいものが 大きな価値となります」
ネモ「価値とは楽しい時間を 思い出しているときのエネルギーのことです」
ネモ「狂ったレールに乗ってしまったから 喜んで分かち合いたいものが わからなくなってしまったのです」
ネモ「喜んで分かち合いたいものが分かっていれば鬱も自殺もいじめも不登校も貧困もなくなります」
ネモ「分かち合いたいものを忘れさせられたり無いと思いこんだり、分かち合ったら殺されると思いこむことが貧困なのです」
ネモ「もし人類を支配したければ人類を弱くし、罪悪感を抱かせ、自分には価値がないと思い込ませることです」
ネモ「口先だけやん笑と言われても私はへっちゃらです、悪人でも薄っぺらぺらでも結構!」
ネモ「今、話したいから話すだけです」
ネモ「最後に一つ。 いい人に騙されないようにしてください」
ネモ「大抵、「いい人」は、あなたに罪悪感を抱かせて、あなたをコントロールしようとします」
ネモ「褒められていい気分、怒られて嫌な気分。そうしてコントロールされてしまいがちです」
ネモ「一体、コントロールして何を期待しているのでしょう」
ネモ「コントロールしないと暴走すると疑えば疑うほど、無秩序になります」
ネモ「コントロールしないと時間がかかりすぎる? 学習指導要領が終わらない?」
ネモ「コントロールに時間をかけるほうが無駄です」
ネモ「ご清聴ありがとうございました」
体育館は拍手が鳴ることもなく静かだった
〇黒
演説の次の日、彼女は退学した
連絡もつかなくなった
〇テーブル席
数年後・・・
卒業生「通知表を廃止した○○高校が多数の天才を輩出。様々な分野で活躍中」
卒業生「うおっ うちの母校が やほーニュースに載ってる」
卒業生「ネモさんもこのニュース見たかな?」
実際に日本でも、学校には通えない(通いたくない)けれど分野を問わず能力のある中高生を集めて自由なことをやらせる大学併設の研究所があって、それなりに成果を上げているみたいですよ。問題があるのは学校教育のシステムであって、学ぶ自由は無限大ですよね。さて、ネモはいずこへ・・・。
固定観念に囚われていては新たなものは開拓できませんよね。
いついかなる時代も天才は孤独だったようです。
常人に囚われないからこそ、なのかもしれません。
私は昭和世代で子供もいませんので今現在の学校教育がどれほどのものかよくわかりませんが、ネモが訴えていた事から想像すると生徒へのいわゆる締付けみたいなものは、加速しているんだろうなあと想像しました。元気のない若者が増えた日本に、ネモのような生徒会長が実際にいたら、この国の未来が少しは明るいように思います。