【第零話】魔王、封印される。(脚本)
〇魔法陣2
勇者「魔王! お前を封印する!!」
魔王「!!」
来た。ついに来てしまった。
俺は絶望的な気分で、目の前で閉じつつある時空の歪みを見た。俺は膨大な魔力を腕に抱えているが、これを放つのも無理そうだ。
空に浮かんだ時空の歪みは、まさに亀裂のように亜空間と世界を繋いでいる。
その周囲に、三角を描くように、勇者・王子・魔術師が立っている。
彼らの足元に、淡い黄緑色の光の線が走った瞬間、俺ごと時空の歪みの周囲には、封印のための結界が構築された。
本来これは王族しか使えないが、今回は三人ともその血を引いている。
ああ、俺、封印されるのか。
正直嫌だ。キツイキツイキツイ。
そう思った直後、俺は凄まじい吸引力で、時空の歪みの内側に引っ張りこまれた。
そして目の前でそれが閉じると、薄っすらと見える時空の歪みが残した魔力膜の向こうで、
俺を中心にした三角柱の結界が構築されたのが見えた。
「これでもう魔王の肉体は、王族以外は摘出不可能だ。封印は完了だ」
「あとは魂だが、それは消滅しない」
「だが、この結界ならば、違う時空に魂を飛ばせるはずだ。よって、この世界のこの時代からは消失する」
「即ち、俺達に出来る最善の方策だ」
やりきったというような勇者の明るい声を聞いた直後、俺の意識は暗転した。
魔王の気持ちがコミカルでいいなと思いました!
次の話が楽しみです♪
この魔王は三角陣封印結界によって封印されたのかな。緑色の光線は結界線か気道線なのかも。意識を飛ばして異世界に転生するという展開はユニークですね。これからが楽しみです。
封印される際の様がわかりやすく、脳内でアニメーションが再生されているようでした!
しかしタイトルからこの作品読んでみたいなぁと感じるくらい、この先の展開も是非読みたいです!